名古屋おもてなし武将隊:信長の目に涙 加藤清正と卒業 1500人のファンと最後の交流

名古屋城で行われた出立式で「名古屋おもてなし武将隊」を卒業し涙を見せる織田信長
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名古屋城で行われた出立式で「名古屋おもてなし武将隊」を卒業し涙を見せる織田信長

 名古屋市の観光PR隊「名古屋おもてなし武将隊」の織田信長と加藤清正が27日、同隊を“卒業”した。この日、活動の拠点としている名古屋城(名古屋市西区)の二之丸東庭園で、卒業式にあたる「出立式」が行われ、信長は「できることはすべてやったつもり。悔いはない」と晴れ晴れした表情を見せ、清正とともにファンとの最後の交流を楽しんだ。一方で、集まった老若男女約1500人のファンのすすり泣く声や、温かいまなざしに思わず涙を流す場面もあった。

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 この日は信長、清正を含めたメンバー10人で、芝居と殺陣を交えたパフォーマンスを披露。メンバーがファンに向かってあいさつをした。信長は2代目で、3年11カ月在籍。「これだけの民(人々)が来てくれるとは……」と感激した様子で、いつもの“上から目線キャラ”から一転、「(卒業でファンの顔を)もしかしたら思い出せなくなるかもしれない。それが誠に怖い」と涙を見せた。また「これで終わりではない。2020年の東京五輪で、全国に30ほどある武将隊とともに開会式を飾れたら」と残ったメンバーに思いを託した。

 09年の結成メンバーの1人で6年5カ月在籍した清正も目を赤くしながら、「最初は誰もいないところで、呼び込みをして1、2人集まる状態だった。今では名古屋の町を歩いていると、武将隊の人間だと知ってくれている人がいる」と感謝。「(清正の)出身地の中村区や、治めた熊本に行くと、清正への特別な気持ちが感じられた。前田利家は金沢で尊敬されている。武将ごとに地域性が感じられ、その武将が実は愛知県の出身だということを誇らしく思う」と語っていた。

 「名古屋おもてなし武将隊」は、10年の名古屋開府400年に合わせて、名古屋の魅力を全国に伝えようと国の緊急雇用対策「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用し、09年11月3日に結成された。戦国武将に扮(ふん)した“イケメン”たちが、毎日、名古屋城で観光案内をしているほか、テレビ、ラジオ、舞台などに出演し、名古屋市をPRしている。現在、卒業した信長、清正に代わる新メンバーの募集が、同隊の特設サイトで行われている。応募の締め切りは3月31日。

 出立式は、名古屋城の春のイベント「春の陣」の催しの一つとして開催された。「春の陣」は本丸御殿の特別観覧や、桜祭りなどが行われ、5月5日まで。大人500円。中学生以下無料。

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