スクウェア・エニックス前社長の和田洋一さんが5月31日、東京都千代田区で開かれたコンテンツ研究家・黒川文雄さん主催の勉強会「黒川塾」に登場した。旧スクウェア時代から合併後のスクウェア・エニックスへと11年以上もの間、経営を引き受けた和田さんは、映画「ファイナルファンタジー」の失敗で法務や財務、広報の部長クラスが一斉に退職する危機を迎えながら、そこからビジネスモデルを再編成して経営を立て直したことなどを明かした。
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和田さんは、東京大法学部を卒業後、野村證券を経て、2000年に旧スクウェアに入社。社長に就任してからは、旧スクウェアの経営危機を救い、旧エニックスとの合併を実現した。会長退任後は、子会社のシンラ・テクノロジーを設立したが解散。現在は16年間在籍したスクウェア・エニックスグループから離れている。またゲームの業界団体「コンピュータエンターテインメント協会」の会長(06年~12年)なども歴任し、今年4月にはゲーム業界発展への貢献が認められ、藍綬(らんじゅ)褒章を受章している。
和田さんは、旧スクウェアの経営危機の原因は「開発者に力を持たせすぎて失敗した」という見方について、「開発者の権限が強いのは別にいい。当時は坂口(博信)さん(当時の副社長)が国内に不在がちで、次にリーダーシップを振るう人がいなかった。しかし一番大きな問題は、支出がかさむなどのビジネス的な構造だった」と指摘した。
また2010年に売上高と営業利益が大きく落ち込んだことについては、買収したアイドスやタイトーの改革に注力しすぎて、本業のゲームソフト開発の手綱取りが「留守」になったと打ち明けた。「2010年は本当にキツかった。初めて倒れて1日入院した」としながらも、社内で部署を問わずに研究会や勉強会を開くなどして意識の共有化を図り、本業の回復に力を入れたと話した。
今後のゲーム業界について和田さんはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、クラウドなどのキーワードを挙げながら「ハードメーカー以外に、ソフトとハードの両方を知っているのは日本のメーカーだけ。うまくいけば大復権できる可能性もあるが、そのためには新しいものを作り続け、常にかけ続けることが大事。今の時代であれば取って良いリスクだ」と指摘した。
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