女優の武田梨奈さんの主演映画「海すずめ」(大森研一監督)が2日に公開された。アクション女優のイメージが強い武田さんだが、今作ではアクションを封印。「本当に素晴らしい本(脚本)だったので、この本を超えるにはどうしたらいいのか」と悩みながらも、小説家という夢をかなえながらも2冊目を書けず、地元に戻った主人公を熱演した。6月には25歳を迎え、「これからはグイグイ行こうと思っています。日本を超えて活動していきたい」と語る武田さんに、今作の魅力や今後の夢などを聞いた。
ウナギノボリ
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映画は、2015年3~11月に愛媛県宇和島市で、伊達秀宗の入部400年を迎えて行われた「宇和島伊達400年祭」を題材に取り入れた大森監督のオリジナル作品。小説家としてデビューしたが、現在は地元に戻り、自転車で本を届ける同市立図書館の「自転車課」に所属する赤松雀(武田さん)が、祭の目玉となる復刻衣装を作るために必要な「刺しゅう図録」を探し出すために奮闘する……という物語。
初めてという感覚がないくらい落ち着く場所でしたね。来たことがあるんじゃないかと思う不思議な場所でした。20日間くらい滞在させていただきました。
でも、自転車をこぐシーンがたくさんありまして、(撮影では)映画(本編)の10倍くらい自転車をこいでいるので、割とアクションに近いかもしれないですね(笑い)。自転車に乗っているときは解放された感じがありました。横に海があって、風を感じながら宇和島を走るのは、本当に気持ちよかったです!
雀は、お父さんだったり、仲間だったり、将来の夢だったり、いろんなことで悩んだりしているんですが、それを言葉には出さずに、葛藤しているのを表現するのが難しい役だったので、監督と話し合って役作りすることが多かったかもしれないですね。
私が(台本を)読んでいるときに、すごく号泣してしまった場面があるのですが、監督から「この映画の中では、雀は一滴も涙を流さないでほしいと」言われた。涙を流さないでほしいということは、そこで雀の戦っている部分を出したいということ。(観客に)同情してほしいという感じではなく、どちらかというと身近に感じてほしいという思いがあった。(感情を)すごくこらえているところは誰でもあると思うんです。自分の中では頑張っているのに、追いつけない部分を監督は描きたいんだと、徐々に分かってきました。
24歳から25歳って私の中で一気にステップアップした感じがある。年齢に追いついていない部分もあって、親友にも「少年っぽいよね」と大人になりきれていない自分がいますが、無理に背伸びしても自分は似合わないな。
仕事面に関しては、(今まで)与えられたものに全力でぶつかることが多かった。これからは自分で発信していきたい。グイグイ行こうと思っています。海外の作品に関わっていきたいという思いがあるので、ちょっと日本を超えて、いろいろ活動していきたいなという気持ちが強いです。
映画監督の才能はないと思います(笑い) 。いつかはアクション専門映画館を作りたいというのが私の夢。もっと年を重ねて、いろいろな作品に出て、お金がたくさんたまったら、日本にアクション専門の映画館を作って、みんながワクワクするような場所にしたい。
「海すずめ」は、私の中ではアナログって大切なんだなと気づかせてくれる作品だなと思いました。今はSNSだったり、いろんな手段で人と交流することも増えている時代ではあると思いますが、人と直接触れ合って、ぶつかって生まれるものもたくさんある。今の時代だからこそ見てほしい作品です。
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