藤岡弘、:魅せられた本多忠勝を熱演 「演じるよりなり切りたい」

NHK大河ドラマ「真田丸」に徳川家康の重臣・本多忠勝役で出演している藤岡弘、さん=NHK提供
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NHK大河ドラマ「真田丸」に徳川家康の重臣・本多忠勝役で出演している藤岡弘、さん=NHK提供

 堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」に徳川家康の重臣・本多忠勝役で出演している藤岡弘、さん。猛将・忠勝を時に豪快に、時にコミカルに演じている。「恥ずかしいけど(自分と)重ねたくなる。それくらい魅(み)せられている」と“忠勝愛”あふれる藤岡さんに役への思いなどを聞いた。

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 「真田丸」は、真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁を堺雅人さんが演じ、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。忠勝は“徳川四天王”とも呼ばれた家康の重臣で、忠勝の娘・小松姫(吉田羊さん)が真田信幸(大泉洋さん)の正室になるなど、真田家との縁も深い。18日放送の第37回では、信幸とともに、昌幸(草刈正雄さん)と信繁(堺さん)の助命嘆願を家康(内野聖陽さん)に対して行う。

 ◇忠勝役は「役者冥利に尽きる出会い」

 藤岡さんは、「忠勝に対してすごく親近感を感じていて、自分が演じたかった武将だからうれしい」と今回の配役に喜びを感じている様子で、「忠勝を演じるより、忠勝になり切りたいって気持ちが強くなってきていて。なりたいという願望でしょうね。こういう忠義の侍が日本にいたんだなって。この侍が武士道精神の元をつくった原点じゃないかって」と“忠勝愛”を告白する。

 ここ数年、忠勝にほれ、忠勝に関する文献ばかり読み、その足跡を探求することが「楽しかった」という藤岡さん。忠勝役の話があったときは「びっくりした。もうね、なんだろうっていうくらい。忠勝が呼んだのかなって(笑い)」と奇跡的なオファーに驚いたといい、「(脚本の)三谷幸喜さんたっての願いだということで、僕はびっくりして、うれしかった。まさかという気持ち。こういう体験はなかなか、51年、俳優やっていますが、あるもんじゃない。役者冥利に尽きる出会いだった。感謝です」と当時の喜びを振り返った。

 ◇戦好きではなかった? 猛将・忠勝のイメージ語る

 猛将としてのイメージが強い忠勝。57回、戦に出て傷を負わなかったという逸話もあるが、藤岡さんは「なぜこの忠勝が57度の戦で無傷だったか、どうしてもこの部分が自分にとって疑問だった」と話し、「やっぱりそれは忠勝だけの力だけではなくて、この忠勝を失いたくなく守りたかった仲間や部下たちがいたからじゃないかな」と推測する。

 さらに忠勝について、「戦が大好きだったんではなかったと思う。(トレードマークの)数珠を下げること自体が“逆”だったと思う」と話し、「敵であろうと味方であろうと、敬おうという気持ちがあった。生きるために仕方なくやらざるを得なくなった人間の悲しさ、痛みを分かった武将だったんじゃないかな。それがこの数珠に表れているんじゃないかなって。強さだけでなく、人間くさい人情があったんじゃないかな」と自身のイメージを語った。

 劇中では、大泉さん演じる信幸との関係も見どころの一つとなっている。藤岡さんは、「戦国時代という中で、自分の愛娘を嫁がせてしまった忠勝は、自分の婿(むこ)がこの戦乱の世を生き抜いていけるかと(不安があった)。当時の侍は決意、決断、覚悟、信念といったものを兼ね備えていなきゃ生きられなかったと思う」と話し、「そういうものを(信幸が)持っている器があるかどうかを見ていくうちにだんだんと、信幸にほれ込んでいったと、そういうふうに私は考えて表現した」と撮影を振り返った。

 ◇堺雅人は「真剣だ!!」

 主演の堺さんなどについて話が及ぶと、「若い俳優さんは、1本のドラマが始まってから終わるころにぐっと成長する。幅も広くなるし厚みも出てくる。そういう部分がじわじわと皆さん見えてきて楽しい。堺さんは真剣ですね」と語る。さらに、「今、(真田丸に)出ている皆さんはこれから日本の映像界を背負ってもらう大事な宝。皆さんは結構優秀で、僕はあんなに優秀じゃなかったから、すごいなと思って見ている」と“後輩俳優”たちについて目を細めていた。

 NHK大河ドラマ「真田丸」は、NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。

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