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キュウソネコカミ:“噛み付きバンド”結成秘話 新曲は直球青春ソングで「デカい武器を手に入れた」

芸能
キュウソネコカミの(左から)オカザワ カズマさん、ソゴウ タイスケさん、ヤマサキ セイヤさん、ヨコタ シンノスケさん、カワクボ タクロウさん

 兵庫県で結成された5人組バンド「キュウソネコカミ」が、ニューシングル「わかってんだよ」を26日にリリースした。シングルのタイトル曲は、門脇麦さんやアイドルグループ「SUPER☆GiRLS」の浅川梨奈さんらが出演する映画「14(じゅうし)の夜」(足立紳監督、12月24日公開)主題歌として書き下ろされた。ボーカルのヤマサキ セイヤさんがスランプを乗り越えて歌詞を完成させたこん身の青春ロックナンバーだ。日常の怒りや不満を歌い、世の中に噛(か)み付く作風で知られるキュウソネコカミだが、今作では、思春期ならではの主人公の揺れ動く感情と、ヤマサキさんの作り手としての葛藤が絶妙にリンクした“心の叫び”がストレートに表現されている。メンバー5人に、新曲に込めた思いやバンド結成時のエピソードなどについて聞いた。

 ◇就活全敗、留年……ピンチ状態から音楽で社会に立ち向かうべく結成

 ――皆さんは関西学院大学の軽音楽部出身で、1学年後輩のギターのオカザワさんだけ1度就職をしたそうですが、他の4人は就職活動はしていたんですか。

 ヤマサキ セイヤさん:シンノスケ(キーボードのヨコタさん)と俺は5年で大学を出たんですけど、シンノスケははなから就職する気なしで、俺はちょっとあがいてたタイプ。受けられるところは全部行こうみたいな感じで、保存食(関係の会社)とかSEとか。でも全然やりたいわけじゃないから身が入らないし、全部無理でしたね。この2人(ベースのカワクボさんとドラムのソゴウさん)はそれどころじゃなくて、彼(カワクボさん)は8年(留年)、こっち(ソゴウさん)は途中退場みたいな(笑い)。

 カワクボ タクロウさん:仕事したくなかったんです(笑い)。

 ――なるほど(笑い)。キュウソネコカミというバンド名は、ことわざの「窮鼠猫を噛む」が語源ですか。

 ヤマサキさん:本当はゲームからきていて、ゲームのアクセサリー(装備)に「キューソネコカミ」っていう名前の剣があったんですよ。敵からダメージを受けて、そのキャラクターが死にそうになった時にその剣がすごく強くなるっていう、自分がピンチに陥ると最強になる武器があって。その能力と同じ名前をバンドに付けて、バンドの同い年4人が、いうたら社会に出られないピンチ状態やったから、その状態から音楽で社会に立ち向かっていくぞ、みたいな。

 ヨコタ シンノスケさん:周りは就職してるから、コンプレックスじゃないですけど「社会に出てるな、あいつら」っていう。俺たちはコンビニでバイトしたりとかして、その時から「仮想敵はこいつらやな」っていう感じはありました。普通に会社員になったやつらよりは、最終的に好きなことをやって仕事にしてやろうって思うようになりましたね。
 ――ちなみに最近、ムカついた人や噛み付きたいと思った出来事は?

 オカザワ カズマさん:あんまり仲良くないのにメッチャいじってくるヤツ。あと、キュウソネコカミはけっこう親しみやすいキャラクターでやってるから(笑い)、お客さんも最近いじってくるんです。何でそんないじられなアカンの?みたいなのがあったりします。

 ◇バンドのネクストステージを飾る映画主題歌

 ――今回の曲作りのために映画「14の夜」の脚本を読んだ時の印象は?

 ヤマサキさん:青春で好きな感じでした。僕、中学校と高校の時に青春パンクをメッチャ聴いてて、「銀杏BOYZ」や「GOING STEADY」が大好きやったんですけど、その世界観が脚本の中にあって、ついに俺らも銀杏BOYZやGOING STEADYのような曲を出していいんじゃないかって。あと、主人公があんまり頑張ってないというか、ただ生きていて、友達が自分の知らないところで活躍していたり、急に友達に牙をむかれたり。それで自分の立場がどんどん下がっていく、みたいなことは俺も経験したことがあったんで、けっこう感情移入して作りやすかったですね。

 ――ヤマサキさんはちょうどこのころ、すごく落ち込むことがあったそうですが……

 ヤマサキさん:もともと、このシングルの3曲目に入ってる「こみゅ力」という曲をシングル(の表題曲)にしたかったんですけど、制作が煮詰まりすぎて……。(メジャーデビュー)3年目になって、そろそろネクストステージの曲を書いて売り上げもちゃんと上げなきゃ、みたいな雰囲気がメンバーの中にも(レコード)会社にもあって、そうなった時に「この曲じゃダメだ」みたいなことを、メンバーからも会社からも、全方向から初めて言われてしまったというか。それで「早く、次のアイデアないの?」みたいな空気になって、ちょっと曲が書けなくなってしまって……。その時にもらったのが、「14の夜」の脚本と主題歌のオファーだったんです。それまでイケてたのにだんだん落ちていく主人公の姿が、今まで俺も書いた曲をそんなに断られたことがなかったのに、今回はダメだって言われたことと重なって、できましたね。

 ヨコタさん:セイヤ(ヤマサキさん)が自分をメッチャさらけ出して歌詞を作ってきたなって。キュウソネコカミって、面白い曲やディスってる曲を歌うっていうイメージが強いんですけど、今までの路線もあまり関係なく、すごくストレートなことを歌っていて、セイヤの現状も知ってたのでなおさら響きました。

 オカザワさん:(足立)監督が、セイヤさんのパーソナルな部分とか、キュウソのエモーショナルな部分、情けないようなところがすごくいいって言ってくれたんですね。そこもすごくキュウソの武器であって、そういう部分を出せたのがすごくよかったなと思ってます。

 ――まさに「ウケよう」「よく思われよう」というものがない、ガチな1曲に仕上がっていますね。

 カワクボさん:キュウソって、普通のバンドからしたら変化球を投げ続けて勝ってきた変化球投手。1、2年メジャーシーンでやってきて、次の年ってすごくターニングポイントになるべき年やと思うんですけど、ここでド直球というのはタイミングとしてはすごいなって。その前の変化球がすごく見せ球に見える、みたいな。

 ソゴウ タイスケさん:僕らってバラードの曲がないんですよ。いつかは、心をぐっとつかむようなバラードも作れたらいいなと思ってるんですけど、この曲が現時点でのバラードみたいな曲になったかなって。お客さんのノリはバラードを聴く感じじゃないかもしれないですけれど、本質的には結構バラード、みたいな。だから、ライブの前半でどんだけアホなことをやっても、最後にこの曲をやったらライブをぐっと締められるような、すごいデカイ武器を手に入れたような気分ですね。

 <プロフィル>

 メンバーは、ボーカル&ギターのヤマサキ セイヤさん、キーボード&ボーカルのヨコタ シンノスケさん、ギターのオカザワ カズマさん、ベースのカワクボ タクロウさん、ドラムのソゴウ タイスケさんの5人。関西学院大学の軽音楽部で知り合い、2009年12月に兵庫県西宮市で結成。14年にメジャー第1弾作品となるミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」をリリース。ボーカルのヤマサキさんが初めてハマッたポップカルチャーは、小学生のころに読んでいたマンガ「地獄先生ぬ~べ~」。「初めて集めた単行本でしたね。ちょっとエッチで、『ぬ~べ~』のお陰でそういうのに興味を持ちました(笑い)。(連載していたのは)『週刊少年ジャンプ』で、『ジャンプ』にはもっとエッチに振り切ってるマンガがあるんですよ。でもそれを男が読んでたらダサい、みたいな空気が学校の中であって、『ぬ~べ~』だと何故かセーフなんです。そういうのがあって、俺はこっそり『ぬ~べ~』をめっちゃ集めてました」と話した。

 (インタビュー・文・撮影:水白京)

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