ドキュメンタリー映画を手がけるトーマス・レノン監督が1日、東京都内で開催中の「第29回東京国際映画祭」で特別上映された「SACRED~いのちへの讃歌」のトークイベントに登場した。レノン監督は、世界各地の40の製作チームが参加している同作について「世界中をすべて覆うような規模のプロジェクトを、私のニューヨークのオフィスを一歩も出ないで作るというのは誰もやったことがないと思うし、できるかどうか分からなかった」と心境を吐露。インターネットを使って、世界中のフィルムメーカーに依頼したと手法を説明し、「非常に珍しいやり方で映画が作れるのかと思ったが、どうにか作れたと思う」と安堵(あんど)の表情で語った。
ウナギノボリ
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イベントには、ゴーストライター騒動の佐村河内守さんにスポットを当てたドキュメンタリー「FAKE」がヒットした森達也監督も出席。森監督はトーク中、レノン監督に編集の意図に関する質問が飛ぶと、「内容、編集に対する質問って実は監督って一番答えたくないんですよね。見たままの解釈でいいんです」といい、「(監督自身の)本音はあるんだけど、それは言葉にしたくない。言葉で軌道修正したら意味がないと思っているんです」とドキュメンタリーに対する考え方を明かすと、レノン監督も「まったく同感です」と共感。「考えて、感じていただきたかった。専門家の方がこう考えてくださいというのではなくて、見ている方が責任をもって感じていただきたい」と呼びかけた。
映画「SACRED~いのちへの讃歌」は、「The Blood of Yingzhou District」(2007年)でアカデミー賞を受賞したレノン監督が、世界中の人びとの“祈り”や“信仰”などの神聖な営みを、40の制作チームによる撮影でまとめ上げた作品。2017年春にWOWOWでプレミア放送される。
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