2016年秋アニメ短評:アニメ記者が独断と偏見で語る(1)

「3月のライオン」のビジュアル(C)羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
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「3月のライオン」のビジュアル(C)羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 今年の秋アニメが出そろってから約1カ月がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「3月のライオン」「タイムボカン24」「うどんの国の金色毛鞠」「夏目友人帳 伍」を独断と偏見で語る。

ウナギノボリ

 ◇3月のライオン

 原作は言わずと知れた大人気マンガ、制作は「<物語>シリーズ」などのシャフト、キャストには人気声優がズラリ……と放送前から話題尽くしで、ハードルはぐんぐん上昇、はてさてどうなるか……と期待と不安を抱いていたが、いざ始まってみれば、温かみのある背景や静と動のメリハリなど原作の世界観を十分に表現していて、期待通りの出来栄えだった。原作ファンとしては特にひなた役の花澤香菜さん、あかり役の茅野愛衣さんの声がイメージ以上のハマり方で感涙。実在のプロ棋士をモデルにしたと思われるキャラもちょこちょこ出てくる(はず)ので、その辺りに注目してみても面白いかも?(鰭)

 ◇タイムボカン24

 伝説のアニメ「タイムボカン」シリーズの最新作で、「妖怪ウォッチ」を生んだ「レベルファイブ」が企画協力、キャラクター・メカ原案、日野晃博社長がクリエーティブプロデューサーとして参加。現代版に刷新! ということだが、大河原邦男さんが手がける敵メカ、「豚もおだてりゃ木に登る」など懐かしの小ネタも満載でオールドファンも楽しめる内容になっているのはうれしいところ。同シリーズのゴチャゴチャ感は、同じタツノコプロが作る「プリパラ」にも引き継がれているようにも感じるし、普遍的な魅力なのだろう。カレンのコスプレも可愛くて、毎回楽しみにしている。(鉄)

 ◇うどんの国の金色毛鞠

 東京から地方に戻ってきた独身の青年と、男児(タヌキの子供)の交流を描くだけに、都会住まいの地方出身者が見ると、望郷の念に駆られ、子持ちが見るとさらに子供がいとおしくなるかも。瀬戸内海地方の持つ、海辺の町の空気感もうまく出ているので、舞台となった香川県は観光プロモーションにアニメの映像を使えばいいと割とマジで思います。そしてアニメの視聴者が、故郷に思いをはせたり、親に何となく電話をかけたりしたのが、どのくらいの割合なのかをぜひ知りたいものです。(成)

 ◇夏目友人帳 伍

 「夏目友人帳」が帰ってきた! 2012年に放送された「肆」以来、なんと4年ぶりとなる新シリーズ。時はたっても、神谷浩史さん、井上和彦さんの安定感のある声は健在で、夏目とニャンコ先生の掛け合いを聞き、ほのぼのとしたあの独特の作風に触れると「あー、これこれ」とホッとした気持ちにさせられる。基本的には1話完結で夏目と妖(あやかし)との心温まるエピソードが描かれる作品なので、派手な演出や起伏の激しいストーリーがあるわけではないのだが、それでも毎回放送が待ち遠しい気持ちにさせられてしまうのはさすが。とはいえ、新シリーズでは早くも敵対していた的場一門の頭首・静司が登場するなどシリアスな展開も予感させ、さてどうなるか。個人的にはニャンコ先生や「犬の会」の面々との他愛のない掛け合いがたくさん見たいところだが……。(鰭)

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