2016年秋アニメ短評:アニメ記者が独断と偏見で語る(2)

「響け!ユーフォニアム2」のビジュアル(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
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「響け!ユーフォニアム2」のビジュアル(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

 今年の秋アニメが出そろってから約1カ月がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「響け!ユーフォニアム2」「終末のイゼッタ」「モンスターハンターストーリーズ RIDE ON」「舟を編む」を独断と偏見で語る。

ウナギノボリ

 ◇響け!ユーフォニアム2

 吹奏楽部の演奏シーン、高校生の揺れる心を丁寧に描いたことも話題になった吹奏楽部アニメの第2期。吹奏楽コンクール京都府大会で金賞に選ばれた北宇治高校吹奏楽部が、強豪ひしめく関西大会に挑む。主人公の黄前久美子が、何かとトラブルに巻き込まれてしまうのは相変わらず。キャラクターを丁寧に描いているのは変わらない中、あすか先輩(田中あすか)の“ラスボス感”が増して、怖くなるほど。久美子と高坂麗奈のラブラブシーンも増量され、ドキドキしっぱなしだ。プール回があったり、サービスカットが増えたように感じるのは気のせい? 原作は関西大会以降も描かれているわけだが、アニメではどこまでやるのか?などと考えていたら関西大会が終わった。最後までやるのか!?(鉄)

 ◇終末のイゼッタ

 第二次世界大戦の欧州戦線をモデルに、大国に抵抗する小国の戦いと、魔女イゼッタの活躍を描いており、オリジナルらしく先の読めない展開は魅力。だが、「ひめさま!」が口ぐせで、タイトル名にもなっているイゼッタよりも、姫様のフィーネの方が主人公のような存在感があるのはなぜ? などと思いつつ、イゼッタのダメっ子?ぶりに“ギャップ萌え”を感じるのは確か。なお、個人的には、公式サイトのパロディーマンガ「週末のイゼッタ」の突き放しぶりもすてきです。(成)

 ◇モンスターハンターストーリーズ RIDE ON

 言わずと知れた国民的“狩りゲー”のアニメ化。とはいえ、正確に言うと派生作となるRPG「モンスターハンターストーリーズ」のアニメ化で、モンスターを“狩る”ハンターではなく、絆を結んでモンスターに“乗る”ライダーを描いている。ある意味最初から「個」として完成されているハンターと異なり、ライダーはモンスターとの絆を育んでいくので、ゲーム原作アニメの大先輩「ポケットモンスター」と同じく、王道の展開だといえる。ただし、ゲーム版では、序盤にややシビアな出来事があるので、日曜朝放送のアニメ版での描かれ方も気になるところ。主人公の相棒となるリオレウスをはじめ、モンスターの雄姿はゲームとまったく変わらないので、原作ファンも安心して見られるのでは。(立)

 ◇舟を編む

 三浦しをんさんの小説が原作で、放送はフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」。最近では「重版出来!」や「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」など、出版社の仕事を取り上げた作品が人気だが、これもそうした一作と言えるかも。登場するのはおっさんだらけで、美少女キャラなどとは無縁、テーマは“辞書”……と渋さの極みといった感じだが、そのぶん重厚で味わい深い展開が期待できそうだ。辞書作りの裏側がのぞけるのも楽しい。毎回突然始まる「じしょたんず」のコーナーにはやや面食らうが。(鰭)

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