浜辺美波:大好きな“アレ”を邪魔されたら妖怪に? 「妖怪ウォッチ」劇場版新作で謎の少女を熱演

「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」について語った浜辺美波さん
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「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」について語った浜辺美波さん

 アニメやゲームが人気の「妖怪ウォッチ」の劇場版シリーズ第3弾「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」(ウシロシンジ監督)が全国で公開中だ。主人公の天野ケータや妖怪たちが、アニメと実写の世界を行き来しながら繰り広げる冒険を描いている。実写パートには武井咲さんや山崎賢人さん、斎藤工さん、お笑いコンビ「ハライチ」の澤部佑さんらが出演。実写世界のオリジナルキャラクターで、謎の少女、南海カナミを演じた女優の浜辺美波さんに聞いた。

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 ◇「妖怪ウォッチ」の実写と聞き期待と不安でいっぱい

 アニメと実写が融合した映画に出演すると初めて聞いたときのことを、浜辺さんは「(アニメを)いつも見ていたので、どうなるんだろうという思いがありました」と振り返り、「完成したものを見させていただいたらすごく面白くかった。テンポ感がとてもよくて、(実写版の)ケータくん(南出凌嘉くん)もとっても(アニメと)似ていたのですごくいいなと思いました」と笑顔を浮かべる。

 物語は突然、実写世界に来てしまったケータやジバニャンたちが、その原因を探るべく奮闘するが、「台本を読んだときからすごく面白いと思って、(映画の完成を)すごく楽しみにしていました」と期待を寄せていたことを明かし、「(実写世界に来たときの)ケータくんや妖怪たちの反応がすごく面白い」と今作ならではの見どころを語る。

 アニメパートと実写パートという異なる撮影に、「ウィスパーとかジバニャンが“(実際にそこに)いる”という目線でお芝居をするのが、やっぱり難しかったです」と感じ、「特にウィスパーがちょこまか動くので、今どこにウィスパーいるのかな、というようなの(演技)がすごく大変でした」と実写パートの苦労を明かす。

 毎週欠かさずアニメを見るという浜辺さんのお気に入りの妖怪は「じんめん犬」だといい、「ビジュアルが可愛いというか、とっても『あれ?』みたいな(笑い)。アニメで出てきたときに、お父さんもお母さんも同じように感じたようで」と理由を語り、「ちょっとざわざわして、最初出てきたときには笑っちゃいました」と当時の印象を振り返る。

 ◇バレエに“とりつかれた”カナミを演じ…

 浜辺さんが演じているのは、世界で活躍するバレリーナを夢見ていた、アニメと実写というダブルの世界を自由に行き来する謎の少女・カナミ。「とてもバレエが好きな女の子で、バレエがすべてというか、とても大切にしていることがいいなと思いました」とカナミの印象を語る。

 そして、「カナミちゃんは心に闇を抱えているということで、(撮影では)“とりつかれている感”というのを(スタッフから)言われました」と話し、「バレエに対する思いがすごく強くなりすぎて……ということなので、どちらかというと気持ちが強すぎていろいろ変わっちゃうところがあるというような部分を大切にしました」と役作りで意識した点を説明する。

 カナミはアニメ世界にも登場するが、自身のアニメキャラを見て、「100倍ぐらい可愛くしていただいて(笑い)」と照れくさそうな表情を浮かべ、「妖怪たちのアニメ世界に入れたことが、とてもうれしかったです」と素直に喜ぶ。

 カナミはバレエがとても好きだが、浜辺さんは「寝ること」が大好きで、休みの日は「家にいてカーテンを閉め切って電気も消して、マンガとか小説も読みますが、いつでも眠たくなったらすぐ寝られるようにしています」と話し、「だから私も多分、寝ているときとかに邪魔されたら本当に怒っちゃうから、きっと(カナミと)同じです(笑い)。一生寝られなくなったら妖怪になっちゃうかも」と楽しそうに笑顔で語る。

 ◇16年は充実しながらも反省点が見えた

 普段から役作りの参考に「たくさん映画やドラマを見ています」という浜辺さんが、初めてはまったのは「ハリー・ポッター」で、「すごくはまっちゃって。まず本を読ませていただいたのですが、何十周もしましたし、映画もとっても好き」と目を輝かせる。ファンタジー要素が詰まった作品が好きなこともあり、「魔法などが好きなので、(今回の映画では)空も飛びましたし、アニメーションの中で何人か波動砲みたいなのを出したりしたのでワクワクしました」と、浜辺さんは今作に出演したことが楽しかったという。

 そんな浜辺さんは、15年放送のドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(フジテレビ系)の本間芽衣子(めんま)役や、連続ドラマ「無痛~診える眼~」の南サトミ役などで注目を集め、12月から放送が始まった「咲-Saki-」(MBS・TBSほか)では連続ドラマに初主演している。

 16年を振り返り、「お芝居の機会をたくさんいただき、本当に楽しくやらせていただきました。そういった中で、本当に自分のまだまだなところがたくさん見えてきたので、ちゃんとしたお芝居をできるようになりたいな、という思いがとても強くなりました」と真摯(しんし)に語る。

 出演作が増えたことによる環境の変化は、「4月から高校に入学したので学校は変わりましたが、とても楽しく過ごしています」と笑顔で話すも、街中で声をかけられることは「全然ないです。あまり外に出ないですし、高校入学で東京に出てきてから、まだ街にお友だちとや一人では出かけたことがなくて……。家からどうやって渋谷に行くのか分からないです」と笑う。

 ◇チャレンジしたい役は?

 アニメと実写が絶妙なバランスで融合した今作について、「妖怪たちファンタジーの世界のキャラクターが、私たち(実写)の世界に来るというところが本当に夢があって素晴らしいなと思います」と切り出し、「妖怪たちが来て、どういうことをみんなと一緒にしていくのかというところを見ていただきたいと思います」とアピールする。さらに「(エンマ)大王とぬらりひょんはアニメのキャラクターがとてもカッコいいのですが、(実写パートでも)とてもスタイリッシュになっています」と実写の見どころも語る。

 自身が演じたカナミ役では「ダークな部分が出ているカナミは見てほしいし、空を飛ばせていただいたシーンは、私的にもどうなっているのかなと思って、見たいポイントでした」とファンタジー好きならではの注目のシーンを挙げる。

 17年はどんな年にしたいか?と聞くと 「もっとしっかりとしたお芝居を考えていけるようになれたらいいな。精いっぱい2017年もやりたいなと思います」と力を込め、17年中に達成したい目標として、「運動が苦手で現場でも走ったりすると、走り方に指導が入ったりすることもあります(笑い)。だから来年は運動を始めて、現場で走り方を注意されないようになりたいです」と気合を込める。

 今後チャレンジしてみたい役やジャンルを聞くと、「平凡な女の子というか年相応の普通の女の子が一番難しいと思っているので、そういう女の子をしっかりできるようになれたらいいなと思います」と力を込め、「近いものも一度もやったことないのですが、コメディーはすてきだなとずっと思っていますので、すごく難しいと思うので、いつか……」と思いをはせていた。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 はまべ・みなみ 2000年8月29日生まれ、石川県出身。11年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞。映画「アリと恋文」(12年)で主演デビューを飾る。実写ドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(フジテレビ系)の本間芽衣子(めんま)役で注目を集めたほか、NHK連続ドラマ小説「まれ」、「必殺仕事人2016」(テレビ朝日系)などに出演。12月から放送がスタートしたドラマ「咲-Saki-」(MBS・TBSほか)で主人公・宮永咲を演じているほか、17年には出演した映画「君の膵臓をたべたい」の公開を控える。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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