ポッピンQ:瀬戸麻沙美&田上真里奈の同位体コンビに聞く 悩み多き少女に「寄り添って演じた」

「ポッピンQ」に出演する瀬戸麻沙美さん(左)と田上真里奈さん
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「ポッピンQ」に出演する瀬戸麻沙美さん(左)と田上真里奈さん

 東映アニメーション60周年記念となる劇場版アニメ「ポッピンQ」(宮原直樹監督、23日公開)で、主人公・小湊伊純の声優を務める瀬戸麻沙美さん。少女たちの成長が描かれたアニメで悩み多き少女を演じた瀬戸さんは「丁寧に寄り添えたらと思いながら演じました」と話す。伊純と心が通じ合っている“同位体”のポコンを演じる田上真里奈さんと、瀬戸さんの“同位体コンビ”にアニメの見どころやアフレコの様子を聞いた。

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 ◇初の土佐弁挑戦も不安なし

 「ポッピンQ」は、不思議な絆で結びついた少女たちが、“時の谷”に住み、ダンスを生業(なりわい)としている同位体のポッピン族と出会い、世界の危機を救うという使命を突如帯びることになる……というストーリー。「プリキュア」シリーズのダンス映像を手がけてきた“名手”宮原監督が長編アニメに初挑戦し、人気ライトノベル「キノの旅」シリーズ(KADOKAWA)などで知られるイラストレーターの黒星紅白(くろぼし・こうはく)さんがキャラクター原案を手がけた。

 瀬戸さんが演じる伊純は、中学卒業と共に高知から東京へ引っ越すことが決まっている中学3年生。陸上の県大会で、思った通りの成績が出せなかったことに後悔していて、明るく負けず嫌いな性格な少女だ。瀬戸さんは「キャラクターがそれぞれ違う悩みを抱えている。私とは育った環境も違うので、伊純の育った環境が気になった。『ポッピンQ』は家庭、生活環境などがすごく丁寧に描かれています。父、母、おじいちゃんがいて……と、彼女が育った環境を知る中で、真っすぐな性格を理解するようになりました」と役作りを語る。

 伊純は高知の女の子ということもあり、高知弁で話す。瀬戸さんは「私は埼玉県の出身なので、これまで方言に触れる機会はあまりなかった。(高知が舞台のNHK大河ドラマ)『龍馬伝』が大好きなので興奮しましたね。読み合わせや収録の時に方言指導の先生が来てくれましたし、方言のところだけ、一度事前に収録をして、それを聞きながら準備していたので、本番も不安はありませんでした」と話す。

 また、悩み多き中学生を演じたことについて「自分の意見をはっきり持てるようになる年齢だけど、周りの言葉を素直に聞けない……という経験は自分にもありました。そのもどかしさがすごく分かるので、丁寧に寄り添えたらと思いながら演じました」と意識したようだ。収録は「テンポ感がいい作品で、自然に成長しているところを演じることができました」と振り返る。

 ◇ポコンは私の分身! おこがましいけど…

 田上さんは舞台を中心に活動しており、声優としてはアニメ「デュラララ!!×2 転」などに出演してきた。「ポッピンQ」のオーディションを「オーディション会場から温かかったんです。何度かオーディションがあり、ポコンの絵を見たのは最後のオーディションでした。表情が豊かで、すごく親近感がわきました。おこがましいのですが、私の分身!と感じました」という。

 田上さんと瀬戸さんが初めて顔を合わせたのは、「ポッピンQ」の声優陣が集まった読み合わせの時だったという。瀬戸さんは「読み合わせの時に、いろいろ話したいな……と思っていたけど、あんまり邪魔をしたらいけないと思い、探り探り話しかけました」と明かす。一方、田上さんは「私はこういう現場を慣れていますよ!という空気を出して、みんなに心配かけないようにしていたんです。(瀬戸さんが話しかけてくれて)すごく助かりました」と緊張を隠していたようだ。

 田上さんが演じたポコンは、見た目が可愛らしいキャラクターだが、演技について「精神年齢は人間の女の子たちよりも高い。見た目に引っ張られないように、自分の等身大に近い感じでできると思いました。伊純たちの気持ちが分かる設定なので、伊純たちに寄り添いながらお芝居しました。アフレコはがむしゃらすぎて、達成感と疲労感しか覚えていないんです」と明かす。

 ◇仲良し同位体コンビ

 瀬戸さんは、「ポッピンQ」の共演をきっかけに、田上さんが出演する舞台を見に行ったことがあるといい、田上さんは「同位体のような気持ちで、麻沙美ちゃんが来るのが楽しみでした。麻沙美ちゃんのために頑張る!と気合が入りました」と喜ぶ。瀬戸さんも「舞台で踊っているのを見て、チャーミングな役で、こんな一面もあるんだとワクワクしました」と“同位体”の活躍に心を躍らせたようだ。

 瀬戸さんは、アニメの見どころを「冒頭の伊純と家族のシーンですね。伊純は、かたくななところもあるけど、周りを見ようとしているところを見ていただきたいです。見どころがたくさんありすぎて、困るのですが」と話す。また、田上さんは「ポコンは伊純の気持ちが分かるけど、どう助言をするかを悩む。伊純に会えたことがうれしくて、ポコンも変わっていく。演じていた母のような気持ちになりました。子供を持つお母さんや悩んでいる人に見てもらいたいですね」と語る。

 「ポッピンQ」はダンスシーンや少女たちの成長など見どころが満載だが、同位体コンビの息の合った演技も注目だ。

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