広瀬すず:色っぽい役「しっとりとした話し方を意識した」

劇場版アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」でヒロインの声優を務めた広瀬すずさん
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劇場版アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」でヒロインの声優を務めた広瀬すずさん

 女優の広瀬すずさんが、18日に公開された劇場版アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(新房昭之総監督、武内宣之監督)でヒロインのなずなの声を担当している。中学1年生のなずなは、俳優の菅田将暉さんが声を担当しているクラスメートの典道を「駆け落ち」に誘う、という役どころ。19歳の広瀬さんが「色っぽい」と表現する中学1年生のなずなについて、またプライベートでのこだわりについて広瀬さんに聞いた。

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 ◇同級生を「駆け落ち」に誘うヒロイン

 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は1993年に放送され、95年に劇場公開もされた岩井俊二監督の名作ドラマが原作。アニメ化にあたっては、映画「バクマン。」(15年)などの大根仁さんが脚本を手がけ、アニメ「化物語」「魔法少女まどか☆マギカ」などで知られる新房昭之さんが総監督を務めた。とある海辺の町で、中学校のクラスメートたちは花火大会を前に「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?」と盛り上がっている中、クラスのアイドル、なずなは母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、なずなから「駆け落ち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする……というストーリー。典道の親友の祐介を声優の宮野真守さん、なずなの母を女優の松たか子さんが演じている。

 ◇声優の仕事「もっとやりたい」

 劇場版アニメの声優は15年公開の「バケモノの子」(細田守監督)に続いて2作目となる広瀬さん。今回のオファーを受けて脚本を読んだ感想を「脚本を書かれているのが大根仁さんなので、実写の映画っぽいと思いました。会話のリズムや掛け合いで話している内容だったりが。前回の『バケモノの子』のときは現実逃避できるようなファンタジーの世界に本を読んだだけで入っていける感じがあったんですけれど、今回はそれよりも普段、私がやらせていただいている実写の映画と、いい意味であまり大きな違いを感じなかった。だから一気に気が楽になりました」と語る。

 演じるヒロイン、なずなについて、一言で言うと「色っぽい(笑い)」と表現する広瀬さん。「どこか背伸びをしなくちゃいけない瞬間が、生活していく中でたくさんあった子なんだろうなと思って。普段から典道君より3、4歳年上の感覚なんだろうなと。でも、お母さんに連れ戻されちゃう場面や自転車に乗って逃げるところとか、瞬間瞬間に少女らしさが見えるというか。そこが急に可愛らしくて、普通の中学生なんだなと思いました」と印象を語る。

 そこで、話し方を「普段はしっとりとしたしゃべり方を意識していたんですけれど、瞬間的に出る声はつっぱっているというか、裏声にいかないくらいの(張りのある)パーンとした声を出しました。監督からも指摘されたんですけれど、『駆け落ち』と言うときにどこか少女らしさが出たりして、瞬間瞬間になずなは中1なんだなと感じてほしいと思います」と自分なりに工夫した。

 なずなの“色っぽさ”は「プールのシーンでは、ちょっと息が交じっているような落ち着いたトーンで話してみました。そこは中学生らしくなくて逆にいいのかなと思って。監督からも何もいわれなかったので、このままやってみようと(笑い)」という。吐息交じりの声は「何パターンかバリエーションを録(と)りました。5、6パターンくらいかな。長さがちょっと違うのや、どこか笑って聞こえるものとか……。なずなは少し色っぽい感じのしゃべり方をすることが多かったですね」と明かした。

 声優の仕事については「『バケモノの子』のときは本当に楽しくって。また絶対にやりたいと思っていました。今回お話をいただいたときもガッツポーズだったんです。だけど、人間の役だからガッツポーズで、『バケモノの子』のときは、私以外、全員化けもので(聞いていて)本当に難しそうだなと思って。世界が広がるし、アニメだからこそできるものだけれども、演じるのが人間ではなくなったらどうしようという恐怖もだんだん出てきて……。でも、アニメのお仕事は本当に楽しいので、もっともっとやりたいなと思います」と意欲を見せる。

 ◇「焼き肉を食べているとき」が幸せ

 そんな広瀬さんの“こだわり”は「食ですね。食べることがとにかく好きで、結構量も食べます」という。幸せを感じるのは「焼き肉を食べているとき」と言い、「頻繁に行っていて、とりあえず好きなお店に行って焼き肉を食べられれば満足なんです。本当、多いときは週3、4回で焼き肉。自分の好きなお店が何店かあって、片っ端から電話して空いているところに行くという感じなんです(笑い)」と楽しそうに語る。

 食べ方は「タンとハラミは絶対に頼みます。締めは石焼きビビンバと冷麺。どちらかではなくてもはや両方頼んで両方食べてますね(笑い)」と食欲旺盛だ。

 焼き肉を食べた翌日は「焼き肉のときは野菜が少ないので、次の日はお昼までは全部野菜を食べるようにしていますね。野菜ジュースとか、次の日の夕飯以外はひたすら野菜やビタミンとかだけにして。夜もご飯は食べるんですけれど、野菜多めのメニューにしていますね」とバランスを考えた食生活を心がけている。

 ◇汗をかくように心がける

 また体を動かすことも心がけている。「ちゃんと動くようにして、汗をかくようにしています。ジムに行ったり、家でもちょっとした筋トレをして。お風呂では湯船につかって体を休めて、早く寝る。誰にでもできるようなことですけれど、それが一番大切なんだろうなと思ってやっています」と語った。

 次回は「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の収録秘話や女優の仕事について聞く。

 <プロフィル>

 ひろせ・すず 1998年6月19日生まれ、静岡県出身。2012年、雑誌「Seventeen」の“ミスセブンティーン”に選ばれ、専属モデルに。13年に「幽かな彼女」(フジテレビ系)で女優デビュー。映画「海街diary」(15年)で、第39回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか数々の賞を受賞。主な出演作に「ちはやふる-上の句・下の句-」「四月は君の嘘」「怒り」(すべて16年)、「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」(17年)など。今後、「三度目の殺人」が9月9日、「先生!」が10月28日に公開予定。劇場版アニメの声の出演は、15年の「バケモノの子」に続いて2度目。

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