女優の小泉今日子さんが14日、東京都内で開かれた「第33回講談社エッセイ賞」の贈呈式に出席した。著書「黄色いマンション 黒い猫」(スイッチ・パブリッシング)が同賞に選ばれた小泉さんは、壇上で表彰状と花束を受け取ると、「このような賞をいただけるなんて思ってもいなかった。幸せなことです。これからも気を抜かずにきちんと生きたいかなと思いました。ありがとうございました」と満面の笑みを見せた。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
小泉さんは「私が初めてエッセーの連載を書いたのは20代はじめ。女性ファッション誌でエッセーを書かせていただいて、そのときも親や兄弟の話でした。それが一冊の本になった時に、恩師だと思っている演出家で作家の久世光彦さんが感想を書いてくださいました。『面白く書けているけれど、これは、あなたが今、言っていい明るいことしか書いてないでしょう。いつか、そうじゃないところまで書けるといいね』という言葉をいただきました。今回の『黄色いマンション 黒い猫』は、その時、書けなかったことを書けたような気がして、自分も楽しかった」と声を弾ませた。
「黄色いマンション 黒い猫」は、雑誌「SWITCH」(同)で連載されていた自伝的エッセー「原宿百景」をまとめたもの。かつて住んでいた東京・原宿の街を歩き、変わり続ける街並みに自身の半生を重ねながら、幼い日々の記憶、デビューのきっかけ、秘密の恋、父と姉の死などをつづっている。
贈呈式には、小泉さんのほか、同賞に選ばれた「鳥肌が」(PHP研究所)の穂村弘さん、「第39回講談社ノンフィクション賞」を受賞した「狂うひと」(新潮社)の梯久美子さん、「勝ち過ぎた監督」(集英社)の中村計さん、「第33回講談社科学出版賞」を受賞した「人類と気候の10万年史」(講談社)の中川毅さんも出席した。