2017年秋アニメ短評:アニメ記者が独断と偏見で語る(3)

テレビアニメ「宝石の国」のビジュアル(C)2017 市川春子・講談社/「宝石の国」製作委員会
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テレビアニメ「宝石の国」のビジュアル(C)2017 市川春子・講談社/「宝石の国」製作委員会

 今年の秋アニメが出そろってから1カ月以上がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「宝石の国」「魔法使いの嫁」「ブラッククローバー」「妹さえいればいい。」を独断と偏見で語る。

ウナギノボリ

 ◇宝石の国

 原作は人気マンガで、アニメ制作会社「オレンジ」によるCGアニメということで放送前から注目していた人も多いはず。第1話を見て、映像の美しさに度肝を抜かれた。一人一人の“宝石”たちを見ていると、「宝石ってこんなにキレイなんだ」とうっとりさせられる。映像の美しさだけでなく物語も濃密で、中でも落ちこぼれで危なっかしいフォスと悲しい宿命を持つシンシャの関係を見守るような気持ちで見ている。宝石たちを襲う月人が恐ろしいので、毎回バトルシーンにはハラハラさせられるが、イケメン・金剛先生(声優は中田譲治さん!)がいてくれれば、大丈夫!と思える。先生が醸し出すあの安定感は半端ないです。(岡)

 ◇ブラッククローバー

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)の話題作が原作で、夕方の放送ということもあって、ポスト「NARUTO -ナルト-」か!? そんな期待の声もチラホラ聞く。主人公・アスタが、火影じゃなくて魔法帝を目指すというストレートな少年マンガだが、アスタは魔法の世界で魔力がない。努力や仲間との協力(友情)で、勝利していくのはジャンプらしい。アスタのライバル・ユノや黒の暴牛の面々など個性的なキャラクターも魅力的。丁寧に作られている印象で、大ブレークが期待されるが、果たして……。(鉄)

 ◇魔法使いの嫁

 周囲から恐れられている人外の魔法使いが、弟子にした(お嫁さん候補も兼ねる)少女にだけ愛情を注ぐという設定は、女子の大好物なのではないだろうか。心に傷を負い感情をなくした少女・チセが危険な目に遭ったり、落ち込んだりしたときは、必ず魔法使いのエリアスがそばにいて、頭をぽんとなでてくれる。この“頭ぽん”の威力は絶大で、見ていてキュンキュンしてしまう。また、町並みや自然の美しさ、魔法を使うシーンで流れる「チャララン」という軽やかな音楽など、原作の世界観を再現する細やかな演出があり、ファンタジーの世界にじっくりと浸ることができる。ちなみに、骨頭でチセとは違った意味で表情がないエリアスのキャラクターを引き立てる竹内良太さんの声がとても優しげで心地よく、時々目を閉じて聴き入ってしまいます。(岡)

 ◇妹さえいればいい。

 妹マニアのラノベ作家が主人公で、タイトルにも「妹」という文字が入っているので、いわゆる妹ものだと思う人もいるかもしれない。主人公が妹に対する思いを爆発させるシーンで引いてしまう人もいるかもしれない。しかし、青春群像劇だったり、お仕事ものだったりして、ただの妹ものではない。というか、妹に萌えるようなシーンはほとんどない。天才、凡人、変人、完璧な“弟”……とキャラも魅力的。ついでのように見せるボードゲームやテーブルトークRPGのシーンも結構重要だったりして、いろいろな楽しみ方ができる。気になるキャラ? 大野アシュリーだよ!(鉄)

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