名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
2018年に創刊50周年を迎える小学館のマンガ誌「ビッグコミック」の関係者に名作が生まれた裏側や同誌について聞く連載企画「ビッグに聞く」。第1回は創刊年に「黒イせぇるすまん」(後の「笑ゥせぇるすまん」)を発表した藤子不二雄(A)さんが登場。同作の誕生秘話を聞いた。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
「ビッグコミック」が誕生した1968年は、マンガ誌「週刊少年サンデー」(小学館)や「週刊少年マガジン」(講談社)の創刊から約9年がたち、少年マンガの読者が成長し、大人になってきた時期だった。そのころ、藤子不二雄(A)さんは「忍者ハットリくん」「怪物くん」などをヒット作を生んだものの「子供向けのマンガを描き続けることができるのか?」と悩んでいたという。
「パートナーだった藤本氏(藤子・F・不二雄さん)は、いつまでも童心を持っている人で、いくつになっても『ドラえもん』を描けた。僕は藤本氏のマネジャーになるしかないのか……と悩んでいた時期です。そんなときに『ビッグコミック』の創刊時の編集長から『描かないか?』と話があった」と振り返る。
「ビッグコミック」は大人向けのマンガ誌として創刊した。藤子不二雄(A)さんが、大人向けのマンガを描く際に注目したのがブラックユーモアだった。「スタンリイ・エリンやロアルド・ダールなどブラックユーモアというジャンルがあり、僕は昔から好きでね。その路線でマンガを描いたら面白いのでは?」と考え、「黒イせぇるすまん」(後の『笑ゥせぇるすまん』)が生まれた。
同作は、マンガ家人生の転機にもなったといい「それまでは純真なマンガを描いていたけど、自分の中にはブラックユーモアもあった。意外に反響があって、この路線がいける!と思い、転身したんですよ」と話す。
「笑ゥせぇるすまん」はテレビアニメ化もされ、喪黒福造は人気キャラクターになった。藤子不二雄(A)さんは、喪黒福造のモデルは「(大橋)巨泉氏と友達でね。ゴルフをやったり、飲んでいたりした。あの顔は使えるなあ……と思っていて、使わせてもらいました」と明かす。
喪黒福造といえば、客に対して指さす「ドーン!!!」というポーズも有名だ。「小学生からの同級生でマージャン友だちがいまして、上がるときに指を差して『ドーン!』とやっていましてね。こっちは息が止まりそうになる。ネタになるな……と思っていた」とモデルになった人物がいることを明かした。
「笑ゥせぇるすまん」で喪黒福造は、客の願望をかなえる。「僕は恥ずかしがり屋で気弱な少年だった。いじめもありました。誰かの助けがほしいと思っていた」という経験が生かされているという。喪黒福造の客が約束を破ったり、忠告を無視するとひどい目に遭ってしまうが、「助けに来た人がいても、1回だけ力を借りるのはいいけど、2回目も借りると、とんでもないことになるかもしれない。そんな想像を膨らませたんです」と話す。
「笑ゥせぇるすまん」を含めて藤子不二雄(A)さんの作品は、自身の経験、出会った人々がアイデアの源となることも多い。「人間が好きで、いろいろな人と接するのが楽しい。イヤな人とつるむのも勉強になる。人生や人間を面白がる。いろいろな人と付き合わないと成長しないと思うんですよね」という思いを込めている。
「昔は、他の人のマンガを読むと、負けた……これは描けない……と思うので読まなかった。でも、今は面白いと思うものを読むようにしています。僕が想像できないような作品も生まれていて、楽しいですね。それぞれの作家の個性があり、いろいろなジャンルもあって、マンガの表現の幅が広がっている」と語る藤子不二雄(A)さん。“ビッグ”だからこそ見える“まんが道”があるのかもしれない。
尾田栄一郎さんの人気マンガが原作のアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」のイベントが12月22日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「ジャンプフェスタ2025」内で行われ…
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載され、話題となったタイザン5(ファイブ)さんのマンガが原作のアニメ「タコピーの原罪」のイベントが12月22日、幕張メッセ(千…
1週間のアニメのニュースをまとめて紹介する「アニメ1週間」。12月15~21日は、「サイボーグ009」と「仮面ライダー」の特別展示「仮面ライダー009」が公開されたニュースや「ヤ…
新刊コミックス情報をお伝えする「今週の新刊」。12月23~28日に発売される主なコミックスは約460タイトル。今年9月に約6年半の連載に幕を下ろした「呪術廻戦」29巻と最終30巻…
2024年12月22日 23:00時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。