名探偵コナン
#1201「私が犯人です」
5月9日(土)放送分
2017年はアニメファンにとってどんな年だっただろうか。ヒット作の続編が目立った一方で、近年のように社会現象化した作品は見当たらなかったようにも見受けられる。“オタレント”の小新井涼さんが、ファンの目線から2017年を振り返る。
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間もなく終わりを迎える2017年ですが、アニメで振り返ってみると一体どんな年だったでしょうか。「国産アニメ誕生100周年」や「アニメ市場規模2兆円突破」、また忘れてはならない「けものフレンズ(けもフレ)」ブームもありました。ですが私の考えでは、この一年は「ヒット不在の年」だったと思います。明るい話題の一方で、なぜこんな消極的な総括になってしまうのでしょうか。今年一年を振り返りつつ、探ってみたいと思います。
今年一番話題を集めたのは「けもフレ」でまず間違いありません。しかしそれは同時に、それ以外に目立った社会的なムーブメントがなかったことも意味しているのではないでしょうか。
昨年は「君の名は。」や「この世界の片隅に」をはじめ、散々話題になった劇場作品も、今年は、ファンを中心とした手堅いヒット作はあったものの、爆発的な盛り上がりを見せた作品はなかったのでは。
また、「おそ松さん」や「ユーリ!!! on ICE」など、予想外のヒット作が続いた女性向け作品にも、盛り上がりが女性ファン以外にまで伝わるほどのヒット作はなかったように思います。
ところがこれは、人気の作品がなかったいわゆる「不作」という意味ではなく、むしろ「それなりに豊作」だったからこそ、起きた結果だと思います。つまり、「それなりに人気」の作品が、毎クール複数同時に存在していたために、アニメファンの人気が分散し、「けもフレ」のような人気集中型の「覇権作品」がなかなか生まれなかったと考えられるのです。特に好みの切り替わりが激しい女性向け作品はそれが顕著で、今期ですら「おそ松さん」が強いながらも、「血界戦線」や「鬼灯の冷徹」といった人気作の続編とも重なったこともあってか、一人勝ちの覇権作品とはなれていなかったようです。
それではやはり、2017年はそんな中で唯一の「覇権作品」となった「けもフレの年」じゃないかというと、それもそうとは言い切れないと思います。確かに「けもフレ」が今年唯一の「覇権作品」だったのは間違いありませんし、放送終了後も着実に盛り上がりは増していました。それでも、9月の監督降板発表以降は当初の勢いがなくなり、結局年末まではもたなかった感がどうしても否めないからです。
もちろん誰がいい悪いという話ではありません。しかし、このゴタゴタで「けもフレ」の優しい世界が好きだったファンが、見たくなかった部分を見せられてショックを受けたのは間違いないでしょう。そこからの急減速がなければ、「もしかしたら紅白出場もワンチャンあったのでは?」とも思ってしまえる以上、そして右肩上がりで今年を締めくくれなかった以上、単純に「けもフレの年」だったねとは言い切れないと、私としては思います。
もっとも「覇権作品」とまでは言えなかったものの、2017年はアニメファンの人気が完全に分散してしまうくらいの「豊作」の年ではあったとは思います。「第4次アニメブーム」という言葉もチラホラ見かけましたが、まさにちょっとした群雄割拠状態であったのかもしれません。そういったポジティブな面と来年への期待も込めて、言葉自体は消極的ではありますが、「2017年はヒット不在の年」であったと私はあえて総括したいと考えています。
余談ですが、こうしてアニメがヒット不在となってしまった一方で、妙にアニメファンの間で話題に上ることが多かったコンテンツがありました。大みそかのテレビアニメにも期待が集まるスマホゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」です。
昨年末のアニメ放送以降、今年は特に、これまでFateシリーズに触れたことがない人々にまで人気が波及していた印象がありました。サービス開始3年目の、元々人気のあるメガヒットコンテンツなので、来年以降にこれ以上の爆発的ヒットを起こすのは正直難しいかもしれません。それでも今年、人気が分散し、アニメファン同士でさえ話題がバラつく中で、唯一「FGO」の話だけは、みんなが知っている共通言語のようになっていたのは、特筆すべきトピックだったと思います。
こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。明治大学大学院情報コミュニケーション研究科で、修士論文「ネットワークとしての〈アニメ〉」で修士学位を取得。ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)の全アニメを視聴して、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続中。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、現在は北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程に在籍し、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。
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