名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
人気アニメ「プリキュア」シリーズの第14弾「キラキラ☆プリキュアアラモード(プリアラ)」(ABC・テレビ朝日系、日曜午前8時半~)が28日、最終回を迎える。「プリアラ」は、シリーズの代名詞ともいえる肉弾戦を封印するなど数々の新機軸を打ち出してきた。放送開始前から約1年にわたってスタッフ、声優に取材を重ねてきた言葉を交えながら、改めてその魅力に迫る。
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「プリキュア」シリーズは、普通の女の子が妖精たちの力を借りて伝説の戦士・プリキュアに変身し、さまざまな困難に立ち向かう姿を描くアクションファンタジー。2004年に第1弾「ふたりはプリキュア」がスタートした。「プリアラ」は、“スイーツ×アニマル”がテーマで、スイーツが大好きな中学2年生・宇佐美いちからが、伝説のパティシエ・プリキュアに変身し、悪い妖精から思いが詰まったスイーツを守る姿を描いている。
「プリキュア」シリーズはこれまで、女の子たちがパンチやキックなどを繰り広げる肉弾戦が見どころの一つになってきたが、「プリアラ」では肉弾戦を封印した。東映アニメーションの神木優プロデューサーが「肉弾戦はシリーズの代名詞でもあったので、大切にしてきた。考えた末の決断です。一方で、スイーツのときめきをバトルに生かしたい。物理攻撃でなくてもバトルを描けるのではないか?と考えた」と話すように、“挑戦”だった。
暮田公平監督は「スイーツを作ったり、食べる楽しさをバトルでも生かせないか?」と考えた。肉弾戦は封印されたが、プリキュアたちが、ホイップの形のエネルギー源を放つなどスイーツをイメージしたエフェクトでバトルが描かれた。バトルシーンは、肉弾戦を封印したことを忘れるほどダイナミックで、カラフルな表現も魅力となった。
ボーイッシュで王子様のような高校2年生・剣城あきら(キュアショコラ)も人気になった。あきらは、仲間思いで、面倒見が良く、周囲から頼りにされている。振る舞いは紳士的だ。元宝塚歌劇団雪組男役でミス・ユニバースジャパンファイナリストという経歴の森なな子さんが声優を務め、キュアショコラの変身シーンには大階段が登場するなど宝塚のような演出も話題になった。人気は、メインターゲットの女児だけでなく、大人の女性にも広がり、声優陣が登場したイベントでは、あきらファンの大人の女性の姿も見られた。神木プロデューサーが「これまでにない反響で、関係者も驚いている」と予想外の人気となった。
劇場版「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!」でゲスト声優として出演した悠木碧さんもあきらにハマった一人で、インタビューした際に「ボーイッシュなキャラクターには歴史もあり、珍しい存在ではないのですが、あきらちゃんは、王道を踏襲しつつ、女性らしさが残っている。ママ要素、母性が強いんです。包容力にもいろいろなパターンがありますが、相手の話をちゃんと聞いて、受け入れてくれる」と熱弁した。
あきら役の森さんは「男性のようなキャラクターということで、最初は受け入れられるのかな?と不安もありました。ママに人気のようで、予想外でしたけど、すごくうれしいです。あきらさんが男性だと思っているお子さんもいるようですね。フフッて思っています」と人気を喜んでいるようだった。
男の子にも見えるあきらだったり、いちかの母が海外で働いていたりと、「プリアラ」はキャラクターの設定や家庭環境などが多様であるところも魅力だ。シリーズ構成、脚本を担当した田中仁さんが「そもそも最初の企画書に個性と書かれていました。これまでのプリキュアでももちろん個性を描いていますが、今回はそれが中心になっているところもあります。それに今の時代も意識しています」と話していたのが印象的だった。キャラクターはそれぞれ問題に直面するが、自らを否定することなく、肯定しながらポジティブに解決する姿が描かれている。多様性を肯定することがテーマになっているようにも見える。
これまでも「プリキュア」シリーズは時代に合わせて変化してきており、挑戦をしてきた。神木プロデューサーの「シリーズが10年以上続いているので、さまざまなノウハウがあり、これがいい!とされていることもあります。でも、今回はそうじゃない方も選んだ。ファンの方は戸惑いもあったかもしれません。ただ、それがらしさになった。挑戦して分かったこともあります」という言葉からも分かるように、「プリアラ」は、シリーズの中でも意欲作だった。
田中さんは、ラストについて「これからも彼女たちの人生が続く。未来を予感させていくラストになります」と話しており、最終回では、さまざまな苦難を乗り越えたいちかたちの成長が見られるかもしれない。
「プリアラ」が終わっても「プリキュア」シリーズが終わるわけではない。2月には新作「HUGっと!プリキュア」がスタートする。新作は、子育て、お仕事などがテーマになることが発表されており、「プリアラ」とはまた違う挑戦がありそうだ。
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