放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
人気グループ「嵐」の二宮和也さん主演の連続ドラマ「ブラックペアン」(TBS系、日曜午後9時)で、研修医の世良雅志を演じている俳優の竹内涼真さん。二宮さんが演じる天才外科医・渡海征司郎(とかい・せいしろう)に振り回され、打ちのめされながらも懸命に食らいついていく役どころで、4月29日放送の第2話では、渡海の辛辣(しんらつ)な言葉に涙を流して苦悩するさまが話題を呼んだ。まんたんウェブではこのほど竹内さんにインタビューを敢行。前編では、医療ドラマ初出演となった本作に悩みながらも「気持ちで挑む」という竹内さんの思いを聞いた。
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――医療ドラマ初出演ですが、それまでの印象は?
小さいころからドラマは見ていましたが、医療ドラマは鮮明に覚えています。「医龍-Team Medical Dragon-」や「JIN-仁-」「Dr.コトー診療所」「チーム・バチスタ」シリーズなどですね。医療ドラマは、やってみるとすごく大変ですね。オファーが来たときは、大きな役だし、一から頑張らないといけないと思いました。
――世良はサッカー部という設定です。サッカーをしていた自分と似た部分はありますか。
サッカーは、実は気にしてないんです。でも体育会系でハキハキしているのは合っていますね。世良は、自分が描いている医者の理想像があって、医学部から心臓外科に入るわけですからある程度「できる人」なわけです。しかし、すごい先生たちに自信をぶち壊されてしまう。何もできないでいるシーンが多く、精神的に弱い面が出ています。ですから(世良が)自分に似ているかといえば、違うかなと。僕は迷うタイプではないので。単純なんですよ(笑い)。
――お芝居で悩むことはない?
今回の役は難しいので、悩みますね。お客さん目線の役ですから、あまり強くなるといけないし、弱くてもいけなくて、良いところを取らないといけない。そんな中で視聴者の皆さんに物語にスッと入ってもらえるかが大事ですね。
――10時間に及んだという手術シーンの撮影はどうでしたか。
細かい作業も多いし、時間はかかりますね。1話もそうですが、あれだけ時間をかけているから、すごみのある映像になったと思っています。僕は血は平気で、さらに臓器を何時間も見ていると、感覚がまひしてくるんですよ。だから手術シーンは、現場よりカメラ(映像)で見た方がリアルに感じたりしますね。
◇新しいことに挑戦したい
――二宮さんとの共演はいかがですか。
お芝居がすごいし、ゾクゾクしますね。いろいろな経験を踏んでいらっしゃる二宮さんだからこそでしょう。ドラマの現場で、自分のやりたいことを出すのは、自分に本当の確信がないと出せないから難しいんです。躊躇(ちゅうちょ)してしまう部分が、二宮さんにはないと思います。二宮さんがご自身でおっしゃっていましたが「よーい、ハイ!」と言われてからスイッチが入るらしいですよ。
――竹内さんはどうやって役へのスイッチを入れますか。
今回は割と徐々に沸点にいけるようにしています。(新米役なので)都度、新鮮なリアクションをしないといけないので準備は必要なんです。周りについていけなかったり、驚いたり、困ったり、パニックになることも多いので、準備をしますね。
――「陸王」ではランナー役でしたが、そのときとは違いますか。
世良君の場合は、嫌な準備で、正直に言えば楽しいわけではないですね。「陸王」のときは体が動くように準備するわけですが、ネガティブな準備ではありませんから、気持ちは高まるわけです。逆に「ブラックペアン」は、息苦しい準備なので、スッキリはしないんですよ。
――現場の雰囲気は。
撮影していないときは、すごく盛り上がっていますよ。友達と話すときもそうだと思うのですが、仲の良い現場こそ、何を話したか覚えてなかったりします。二宮さんは、楽しい雰囲気にしてくださるので感謝しています。二宮さんに聞いたら「何もしてないよ」と言われるとは思うのですが(笑い)。すごく居心地がいいですね。
――朝ドラの「ひよっこ」や日曜劇場の「陸王」など、着実にキャリアを重ねていますね。
「ブラックペアン」に出演している先輩たちに比べると、僕の経験はまだ小さい。もちろん、どんな現場でも収穫はあると思っていますし、反省するときもある。その繰り返しですね。少しだけでも手応えを得て、自信に変えて新しいことに挑戦したい。ただ自分が良いと思った演技と、視聴者の皆さんから「良い」と言われる部分に違いがあって、そこが面白いところです。何を自分でチョイスして、監督からOKをもらえるか。自分が好きなことをやっているだけでは、仕方がないと思えるようになりました。楽しいけれど、本当に難しいと思っています。(6日の後編に続く)
「ブラックペアン」は「チーム・バチスタの栄光」などで知られる海堂尊さんの小説「新装版 ブラックペアン1988」(講談社)が原作。医師たちが病院、研究室と製薬会社、医療機器メーカー、厚生労働省との癒着問題など、さまざまな思惑が渦巻く大学病院に立ち向かう姿を描く。
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