アニメ質問状:「銀河英雄伝説」 これまでのアニメとは違うアプローチを キャラの息遣い拾う

テレビアニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」の一場面(C)田中芳樹/松竹・Production I.G
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テレビアニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」の一場面(C)田中芳樹/松竹・Production I.G

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、田中芳樹さんの人気小説「銀河英雄伝説」の新作テレビアニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These(ディ・ノイエ・テーゼ)」です。松竹映像調整部アニメ調整室の田坂秀将さんに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 --作品の概要と魅力は?

 果てしない未来に、宇宙を舞台に戦う二つの国家。それぞれの国家に生まれた2人の天才、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの知略を尽くした戦いが魅力です。ラインハルト、ヤン以外にも、たくさんのキャラクターが登場し、そのそれぞれがあたかも実在の人物のように感じられる歴史群像劇です。登場するキャラクターの人格、言葉、生き様、さまざまな人生を感じることができることが何よりも魅力です。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 原作の魅力をアニメーションに落とし込むことをまず第一に考えました。原作に何かを足していくというより、原作を読まれた方々のイメージをなるべくそのままアニメーションとしてお届けしたいと考えていました。次にこの作品は石黒昇監督によってアニメ化され、すでに完結している作品でもあるので、それとは違うアプローチをすること。つまり、キャラクターにもっとカメラを落として、よりキャラクターの息遣いを拾っていくことに多田俊介監督はこだわっていました。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 とにかく、キャラクターの数や登場する舞台が多い作品で、なおかつ未来を舞台にした作品なので、設定制作は膨大で、制作チームは本当に大変だったと思います。また、一つの画面に登場する戦艦の数も膨大なので、CGチームもそれはそれは大変だったと思います。

 ストーリー的には、原作が書かれた時代の未来感と、今の未来感が違う部分があること、当時は気にならなかったものが、今は気になってしまうこともありましたので、そこをどのように落とし込んでいくかには気を配りました。

 --今後の見どころを教えてください。

 原作や石黒監督版をご覧になっている方は、今回はどのように描かれているか、今回の解釈について引き続き、お楽しみいただければと思います。銀英伝の大きな魅力でもある艦隊戦も控えていますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

 今回、初めて銀英伝をご覧になっている方は、新鮮な状態で、このストーリーに触れられ、一番楽しんでいただける方々だと思います。銀河の歴史がどのように動いていくか、ラインハルトとヤンの戦いがどのようになっていくのか、お気に入りのキャラクターがどのようになっていくのかなど楽しみ方はさまざまです。大河ドラマを見る気分で、じっくりと作品世界に触れていただければと思います。

 --ファンへ一言お願いします。

 まずは「銀河英雄伝説 Die Neue These」をご覧いただき、この記事にご興味を持っていただきましてありがとうございます。 石黒昇監督が銀英伝をアニメ化された際は、本伝110話、外伝52話、長編3作という大ボリュームになりました。今回も現在ほぼ同じペースで進んでいます。ということは普通に作っていくと、完結するには同じくらいのボリュームになるということです。

 我々も完結まで描きたいという気持ちを十分に持っておりますが、皆様の応援なしでは到底そこまで到達することはできません。昨今のアニメで考えると、とても壮大な夢ではありますが、皆様と一緒に新たな銀河の歴史を作っていきたいです。ぜひとも引き続き「銀河英雄伝説 Die Neue These」をよろしくお願いいたします。

松竹 映像調整部アニメ調整室 田坂秀将

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