FGO Duel:おじさんゲーマーが噂の対戦ボードゲームに挑戦 塩川CPに意地悪な質問も

対戦ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel 」
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対戦ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel 」

 人気スマートフォン用ゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」の対戦ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel -collection figure-(FGO Duel)」が8月から順次発売される。FGOを開発したディライトワークスが「初心者でも遊べるよう間口を広げた」という意欲作だ。FGOを体験したおじさんゲーマーが、期待のボードゲームに挑戦した。

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 ◇フィギュアだけでも売れそう

 「FGO」は、ゲームやアニメが人気の「Fate」シリーズのスマートフォン用ゲーム。未来が失われた世界を舞台に、プレーヤーがサーヴァントと呼ばれるキャラクターたちを従えて、過去にさかのぼる旅に出る……という内容だ。

 ボードゲーム「FGO Duel」のルールは、シンプルだ。盤上に3体(相手を入れると計6体)のサーヴァント(駒になるフィギュア)を配し、サーヴァント同士がぶつかると、「FGO」のような3種類(Quick、Arts、Buster)のカードを使ってバトルをする。攻撃側が勝ったときのみ相手の駒を盤から除外でき、相手の3体を全滅させるか、相手陣の奥にあるエリア「マスターエリア」に達すると勝ちになる。

 発表会では、塩川洋介クリエイティブプロデューサー(CP)が、「FGO」のキャラクターの“分身”でもあるフィギュアの魅力と、ボードゲームの面白さの両方を追求したことを強調した。ジャンヌ・ダルクを間近で見ると、表情やよろいのデザインも凝っており、確かに飾りたくなる。

 価格は一つ1200円で、ランダムのサーヴァント1体と、コマンドカード5枚などが入っている。ボードゲームをするには、1人あたり3体のサーヴァントが必要なので3セット(3600円)が実質的なベーシックセットになる。

 個人的な感想を言えば、フィギュア集めを目的で買う人もいそうで、別の記者も同様の感想を漏らしていた。おじさんとしては、アルトリア・ペンドラゴン(セイバー)や、マシュ・キリエライトなどの美少女キャラが当たるまで、買い続けてしまいそうで怖いのだけど……。

 ◇プレー時間は最短10分

 フィギュアの質は納得したが、肝心のボードゲームは本当に面白いのか。そこで実際に対戦してみた。発表会に来た別の記者と対戦することになり、気分はすっかりマスターだ。おじさんの手持ちのサーヴァントは、ジャンヌ・ダルク、ジル・ド・レェ、アステリオスの3体。できれば美少女キャラだけで固めたかったが、小心者なので「チェンジ!」と言えなかった。おじさんは、もう10年以上ボードゲームをプレーしてないが、「ゲーマー」と名乗る以上は、勝利を目指したい。

 しかし、おじさんの思考回路は単純なので、一直線にマスターエリアに向かう作戦だった。そしてジャンヌ・ダルクを突撃させたが、敵のエウリュアレにあっさり阻止される。しかし攻撃側で負けてもサーヴァントは盤上から消えるわけではない。防御する側で負けると消えるのだ。そして何度か戦うと、防御する側が有利なことが分かってきた。

 ポイントは、「FGO」と同じく、同じ色か同じ絵柄のカードをそろえると有利なシステム「チェイン」だ。「チェイン」が発生すると、当該ターンや次のターンにパワーが上がり、戦いを有利に進められる。しかし攻撃側は手持ちのカードを1枚消費して移動する必要があるため、攻撃側は4枚のカード、守備側は5枚のカードの中から3枚を選んで戦うことになる。攻撃側不利じゃん!

 おじさんは「守備側が有利?」と質問すると、担当者は「サーヴァントは英霊ですから簡単には倒せません」とニヤリ。思うつぼだったようで、ちょっぴり悔しかった。戦いは、一進一退だったが、相手のミスもあり、おじさんはマスターエリアを奪って勝利した。プレー時間は約20分だが、説明を受けたためで、慣れたら10分で遊べてしまうのだそうだ。対戦相手とは「せっかくなので、もう一戦やりましょうか」と盛り上がった。

 続く2戦目は、「スキルカード」を加えた上級ルールで遊んだ。2回目ということで、テンポよく進み、お互いが「チェイン」を次々と駆使した戦いになったが、おじさんゲーマーが相手のサーヴァント2体を撃破するなどして2連勝した。

 ◇CPに質問 FGOのアイテムコード販売は…

 遊んだ感想は「素直に面白い」だった。実はもっとルールを複雑にして、原作の「FGO」に近づけることも可能だったそうだ。しかしFGOを知らない初心者でも遊べるよう、ルールをシンプルにして、初心者でも遊べるよう設計したそうで、そこに好感が持てた。「宝具」の導入を見送ったのも、ルールが複雑になるのを避けるためだ。塩川CPは「発売してゲームがどれぐらいの人に受け入れられるかもあるが、個人としては(FGO Duelの)大会をやっていきたい」と意気込んでいた。

 質問では、ゲーム内容を質問する真面目な記者が多かったので、ひねくれたおじさんは「FGO Duelに、FGOのアイテムコードを付けたりはしないのでしょうか。ビジネス的には成功すると思うのですが」と意地悪な質問をぶつけてみた。塩川CPは苦笑いしながら「これ(アイテムコード付き商品の購入)をしないとFGOの楽しみが減ってしまうことはしたくない。(アイテムコードは)最初はやりましたが、プロジェクトとしてはやらない」と明言した。安易に目の前の“果実”に飛びつかず、長い目で見ようとする考えに、トップコンテンツの余裕と自負を感じた。

目標は「FGO Duelで全キャラを発売すること」と言っていた塩川CP。個人的にお気に入りのキャラである清姫やネロのフィギュアをぜひ出してほしいと心の中で願うおじさんゲーマーだった。

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