はじこい:ジャンル=深キョンは必然 ドラマPが語る「圧倒的な信頼感」と「説得力」

連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話」で主演を務める深田恭子さん
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連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話」で主演を務める深田恭子さん

 女優の深田恭子さん主演の連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話はじこい)」(TBS系、火曜午後10時)。深田さん演じる“しくじり鈍感アラサー女子”春見順子がタイプの異なる3人の男性から次々とアプローチされるラブコメディーだが、放送開始から聞こえてくるのは「ジャンル=深キョンというドラマ」という視聴者の声だ。多少の皮肉は込められているとはいえ、その多くが「深田さんが主人公を演じてこそ、成立するドラマ」と感じていることは間違いないだろう。「そこにいるだけで圧倒的な信頼感が生まれる女優」と深田さんを評する「はじこい」の有賀聡プロデューサーに、ドラマの舞台裏を聞いた。

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 ◇そこにいるだけでキチンと、自然と鈍感の人になっている

 原作はマンガ誌「クッキー」(集英社)で連載中の持田あきさんの同名マンガ。深田さん演じる主人公の春見順子は、はなから“しくじり鈍感アラサー女子”とうたわれてはいるものの、鈍感の度がすぎるため、下手をすれば多くの視聴者に嫌われてしまう可能性もあった。有賀プロデューサーもその点について、「あんなにイケメンから猛アプローチされているのに気がつかない。『そんなわけないでしょう』っていうのが一般的な意見だと思う」と認めている。

 では、なぜそうならなかったのか? 要因として挙げられるのが深田さんが存在しているだけで生まれる「説得力」だ。深田さん本人が鈍感だから今回の順子のような役をやれているように思ってしまいそうだが、有賀プロデューサーは「それは違うと思います」ときっぱりと否定。

 その上で、「ご本人は演技プランをきっちりと立てて、相当考えて、計算してやられている。ただ、そういった部分を表に見せない。そこにいるだけでキチンと、自然と鈍感の人になっている。そこの説得力は本当にすごい」と説明する。

 ◇本来の意味での「アイドル」 破壊力抜群の「何とも形容しがたい魅力」

 有賀プロデューサーによると、深田さんが順子でなければ成り立たなかったシーンは山ほどあるという。1月29日放送の第3話で永山絢斗さん演じる雅志からバックハグされるシーン、2月5日放送の第4話で横浜流星さん扮(ふん)する匡平に寄り添われ、「先生、俺にもご褒美ください」と言われるシーンなどで、さすがにこれは「気づくでしょう」とツッコミを入れたくなるような場面でも許せてしまうのは、深田さんならではといったところ。

 視聴者も思わず許容してしまう点について、有賀プロデューサーは「たぶん、深田さんが本来の意味での『アイドル(偶像)』に近いからだと思います」と推測。「どんなことがあっても本当に可愛らしく、居続けている。だから許せてしまう。これは何とも形容しがたい魅力ではあるのですが、ただそこの破壊力は抜群」と感心する。

 ◇脚本、衣装、カメラワークと「可愛く見える」徹底のワケ…

 また深田さんの存在は、他のキャストやスタッフにとって「心のよりどころになっている」と話す有賀プロデューサー。そういった意味でバックアップ体制は万全を期して臨んだ。

 3年前の連続ドラマ「ダメな私に恋してください(ダメ恋)」(同局系)でもタッグを組んでいた脚本家の吉澤智子さんには「深田さんのよさが一番出る口調、しゃべりにしてもらっている」といい、衣装も深田さんが可愛く、キレイに、すてきに見えるものを本人を交えてチョイスしたとのこと。演出面では、そのときに深田さんが一番、可愛く見える角度、アングル、カット割りに注力しているという徹底ぶりだ。

 「もちろん仕事ですから、そこはプロ同士というのが前提としてある。ただその上で、スタッフの共有意識として、深田さんをより可愛く、よりキレイに見せたいっていうのは必ずある。そういったことがドラマにとって、彼女にとってためになるなら、どんなことでもしてあげたくなるっていうのも深田さんの大きな魅力。彼女に会ったことがある人は、みんなそうなんじゃないかな」と有賀プロデューサーは笑っていた。

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