小説「精霊の守(も)り人」などで知られる上橋菜穂子の小説「鹿の王」がアニメ化され、劇場版アニメとして公開されることが25日、明らかになった。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などのProduction I.Gが製作する。
ウナギノボリ
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「鹿の王」は、巨大帝国が他民族に侵略を繰り返す世界で、謎のウイルスが発生し、感染から生き残った父子、命を救うために奔走する医師の絆を描いている。シリーズ累計発行部数は190万部以上。2015年度本屋大賞、第4回日本医療小説大賞などを受賞した。
なんと、「鹿の王」が映画になります。映画化を打診されたとき、まず出た言葉は、「え? それは無理でしょう!」でした。「鹿の王」はかなり複雑な物語ですから、一本の映画で描こうとするには内容が難解過ぎるのでは、と思ったのです。しかし、Production I.Gさんが制作なさると聞いて安堵(あんど)しました。I.Gさんなら原作にとらわれ過ぎず、アニメとして面白い映画を作ってくださるでしょう。雄大な大自然の中を、飛鹿(ピユイカ)にまたがったヴァンが駆けていく姿を見られる! 今は、とにかく、それが何より楽しみです。
「鹿の王」を読んだとき、これは「作ってはいけない」作品であると感じました。実は、今でも思っています。繊細で、奥深く、壮大な世界に宿る“命の物語”を映像で表現するということは、もはや不可能だと感じたからです。しかし「創る」という人間が現れたのです。「鹿の王」をアニメで表現するという思いのもとに集まったスタッフの顔ぶれは、想像を超え、狂気を感じさせました。「命をつなぐ」、これは作品のテーマというだけではなく、I.Gの命運を懸けた戦いのテーマでもあるのです。
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