水曜日のダウンタウン
名探偵津田 第3話 怪盗vs名探偵~狙われた白鳥の歌~
12月18日(水)放送分
6月10日にWOWOWで放送される番組「生中継! 第73回トニー賞授賞式」のナビゲーターを務めるミュージカル俳優の井上芳雄さんと、同番組にスペシャルゲストとして出演する人気デュオ「KinKi Kids」の堂本光一さん。2人が、25日放送の「トニー賞直前SP 2019 ~僕たちのブロードウェイ物語~」の収録のため、授賞式間近の米ニューヨークを訪問した感想などをインタビューで語った。
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――お二人でニューヨークのブロードウェーで過ごしていかがでしたか?
井上さん:光一君の舞台への愛は知っていましたが、自分が携わっていることに本当に愛情があるんだなって、改めて思いました。今回、ニューヨークで「ナイツ・テイル-騎士物語-」に携わったポール・ゴードン(音楽・作詞)とブラッド・ハーク(楽曲アレンジ)に会いに行って「ナイツ・テイル」の話をしたとき、本当に作品を大事に思っているんだなと。もちろん僕も大切に思っていますけど。あとは、「オペラ座の怪人」の舞台裏を見させていただいたんですが、「こんなふうになっているんだ」と演出する目線がパッと出てくる。ブロードウェーは確かにすごく勉強になりますが、特に自分と関わりがあることに関する興味のエネルギーが強いなと思いました。
堂本さん:芳雄君はミュージカルを本業としてやっているけど、改めてこの人、本当にミュージカルが好きなんだな!って思いました。
井上さん:それしか、興味がないとも……。
堂本さん:好き度合いが半端ないです。見ること自体が勉強になるし、吸収しようって思いながら見るとは思いますが、勉強熱心だし、好きなんだなと思いました。
――印象に残った作品は?
井上さん :「ザ・プロム」ですが、すごく面白かったです。ワクワクするようなコディーというのが第一にありますね。形としてはよくあるミュージカルコメディーですが、テーマが変わってきていますよね、LGBTとか。同じ演出家で「ミーン・ガールズ」があって、女子同士の学校でのカースト制度を描いていましたが、もう一歩先に進んで、重くとらえがちなテーマがこんなに楽しめて、しかも感動するんだというのが面白かったです。
――最多ノミネートの「ハデスタウン」はいかがですか。
井上さん:バランスがいいというかクオリティーが高いというか。「ザ・プロム」とは方向性が違いますが、演出の工夫と表現でいろんな世界を見せるところがより演劇的ですね。神話をミックスして現代に置きかえていますが完全なオリジナルで、今のブロードウェーらしい、トニー賞に一番近そうな作品だと思いました。
――演出は「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」と同じレイチェル・チャフキンさんで、その日本版は井上さんが主演でした。
井上さん:テイストは感じましたね。楽曲の使い方とか、お客さまとコミュニケーションをとったりとか。オリジナルキャストってすごいのが、本当にキャラクターが立っている。もちろん、その役の像に演者が寄せている部分もあるとは思いますが、ニューヨークって個性的なキャストがいるなと毎回ビックリしますね。すべてのクオリティーが高いですね。
――ミュージカル・リバイバル作品賞にノミネートされている「オクラホマ!」は?
井上さん:ある意味一番衝撃! リピートして何回も見られる作品ではないですが、古典オペラがどんどん現代的な演出になってきて、いろんな形で上演されている作品に近い感じがしました。ミュージカルも古典をどういう演出で見せるか方向性を考えますが。いわゆるエンターテインメントとはぜんぜん違って社会性のある、これはこれでないといけない作品ですね。古典とエンターテインメント、どちらもあるのがニューヨークの懐の深さですね。
――堂本さんは「エイント・トゥー・プラウド」が印象に残っているそうですが……。
堂本さん:単純に英語が分からなくても楽しめるミュージカルです。例えば、ソウルの音楽やダンスにしても、マイケル・ジャクソンしかり、今人気のブルーノ・マーズしかり、その人たちの原点となるような部分が楽曲やダンスにありました。日本人が見るにあたって、無条件に楽しめるワクワクする作品だと思います。もともと役者ではなかった人たちがこれをやるにあたってオーディションを受けたようですね。それもあって、それこそソウルだよ
ね、魂で歌って踊っていると感じました。セット的には、盆(回り舞台)を使って映像も使っていろんな工夫がありました。音楽も、1曲フルでやらない、サビからボーンとやって終わる。全然飽きさせない。ジュークボックスのミュージカルって分断されがちになりますが、歌のシーンから芝居になるシーンもすごくうまく自然に流れていました。
――「キング・コング」もご覧になりましたが……。
堂本さん:最先端の技術だけでなく、演劇的部分を残そうと、人が表現している、そこがブロードウェーならではなのかなと思いました。例えば、ラスベガスでやったら最先端の技術で“ショー”としてやるんじゃないかな。腕を動かすところもあえて人がやっている、動かす様を見せて、その人たちも表現者として存在させていたのが、やり方として面白いなと思いました。
井上さん:プログラミングされているのかと思いきや、人がリアルに動かして、絶対そっちの方が手間がかかるのにあえてやっているというね。
堂本さん:全体的にいろんな作品を見て、個人的には、最先端な表現も好きですけれど、見るにあたっては、自分はアナログが好きなんだなと、改めて気づきました。「キング・コング」は小さいお子様とかも楽しめるだろうし。子供が怖がるくらい、迫力がありました。意外と、「SHOCK」もアナログなんですよ、やっていることは、ああ見えて。
井上さん:「SHOCK」って豪華だなって、こちらのを見て改めて思いました。ブロードウェーの方が華やかそうですが、「SHOCK」の方が劇場規模も大きいし。
堂本さん:こちらの劇場は割と小さいしね。「オペラ座の怪人」をニューヨークで見たのが初めてだったけど、しかも舞台袖も見せていただいて。あんな狭い状態でいろんなことをやりくりして、セット転換して豪華絢爛(けんらん)な衣装でバッと瞬時に出て行く演出の仕方、映像でごまかさない。改めていいな!って感じました。
――番組をご覧になる視聴者へメッセージをお願いします。
井上さん:毎年違う、そのときどきのニューヨークを感じながらお届けをしてきましたが、今回、光一君と一緒に来られたというのが一番大きかったです。それが皆さんにどう伝わるのか楽しみにしています。2人だと2倍、いやそれ以上に楽しかった! 今年は、いろんなタイプの作品があって、2人それぞれの好みが反映されるリポートにもなっていると思いますし、ミュージカルもそうですが、この街自体にいろんな人がいて、いろんな生き方をしていいんだって勇気づけられることがあるなと思いました。2人でたくさん見て感じて話をしたので、それが皆さんにも伝わって、トニー賞が楽しみだな、ブロードウェーに行ってみたいな、と思ってもらえたらうれしいです。
堂本さん:濃密な1週間でした。ニューヨークに来てもここまで作品を見ることなかったし、見ても2~3本。それを一気にこの短期間で6本も見てしまうぜいたくをさせていただきました。期間が空いて見る感覚と、毎日連続で見るのとでは受ける印象がすごく違うと思いますね。見て勉強になる部分がたくさんあるし、そういった意味では吸収できるだけしていこう!という思いで見ていた部分もあるし、はたまたそんなの関係なく単純に観客として雰囲気を楽しんでいる部分もあったし、いろんな感情が振り切れている状態です(笑い)。そんな1週間でした。芳雄君と一緒だからリラックスして楽しめたと思う。もし1人だったらここまで楽しめていないと思う。
井上さん:現地の方にインタビューするのも2人でしたからね、台本もなく。
堂本さん:ディレクターもあまり助け舟出してくれない(笑い)。いいもの作ろうとするディレクターの意気込みを感じながらやりました。
井上さん:交互にインタビューしながら次の流れを考えていましたね。それを含めて楽しかったですね。
堂本さん:職権乱用でしたね、視聴者の皆さま、すみません。
井上さん:これ、好きな人じゃないと務まらないよね。
堂本さん:ちゃんとお伝えできているのか不安な部分もあります。単純に楽しんじゃいましたから。普段、バラエティーをやっていても特にテンション上げてやるタイプではないので、観劇後のウキウキ高揚している感じとか、こちらでしか得られないものがあったと思うので、そういうのが映像を通して伝わるといいなと思います。
*……2人がニューヨークを訪問した様子は、25日午後6時45分からWOWOWライブで放送の「トニー賞直前SP 2019 ~僕たちのブロードウェイ物語~」で紹介。トニー賞授賞式の模様は6月10日午前8時からWOWOWプライムで生中継(同時通訳)。字幕版は同15日午後7時からWOWOWライブで放送。
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