名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
鳥山明さんのマンガが原作のテレビアニメ「ドラゴンボール」が1986年にスタートして以来、約33年にわたって主人公・孫悟空を演じ続けている野沢雅子さん。昨年12月に公開され、6月5日にブルーレイディスク(BD)&DVDが発売される20作目の劇場版アニメ「ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー」(長峯達也監督)でも、悟空の激しいバトルシーンなどを熱演している。野沢さんに、同作の魅力や長きにわたってトップを走り続けてきた心境などを聞いた。
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「ドラゴンボール超 ブロリー」は原作者の鳥山さんが脚本とキャラクターデザインを担当。劇場版「ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」(93年)、「ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない」(94年)、「ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ」(94年)にも登場した人気キャラクターのブロリーと悟空たちの戦いと共に、サイヤ人の歴史も描かれている。
「ドラゴンボール超 ブロリー」は、現時点で世界累計興行収入が130億円を超える大ヒットを記録。同シリーズがこれほどまでに愛されるのは、なぜなのだろうか。「悟空の性格だと思いますね、絶対に」と野沢さんは言い切る。「ああいう人って、なかなかいない。『利』を考えないでしょ? だからいいんだと思うんですよね。いつも修業しているけど、それは強くなるためじゃなく、居場所を守るためなんです。悪が来たら、みんなを守るために戦わなきゃいけない。そのために修業しているのが悟空なんですよ」と悟空への愛を熱く語る。
今作では、人気キャラクターのブロリーが悟空やベジータの前に立ちはだかる。そんな悟空やブロリーの迫力満点のバトルシーンは大きな見どころだ。野沢さんは「『私、せりふ言ってた?』というぐらいに、戦いの記憶だけが残っているんですよ」と笑い、ブロリーというキャラクターや今作のストーリーについて、「素晴らしいですよね、鳥山先生の頭の中ってどうなっているんだろうと思いますよね。ああいうの(話)がどんどん湧いてくるんでしょ」と脚本を担当した鳥山さんを絶賛する。
ブロリーは、数少ないサイヤ人の生き残りであり、幸せとはいえない人生を歩んできたキャラクター。野沢さんはそんなブロリーについて「ブロリーって、かわいそうでしょ。でも、自分をそんなふうに思っていないし、前向きに生きているじゃないですか。そこが鳥山明の世界ですよね」といい、「私もだけど、たぶん鳥山先生自体も、マイナス思考がないと思うんですよ」と分析する。
「私は、マイナス思考がこれっぽっちもないんですよ。『命があればどうにかなるわ』という生き方なんですよ」と野沢さん。「仕事に限らず、『命があればどうにかなる』というのは、『野沢雅子』が生きていく上でのすべてだと思うんです。それがあったから、私はずっと自分らしく生きていけているのかな……」と話す。そのポジティブな姿勢は、演じる悟空のキャラクターを彷彿(ほうふつ)させる。野沢さんにそう伝えると、「私は悟空のようにはなれないけれど、近づいてみたいとは思います」と実感を込めて語った。
「ドラゴンボール」に限らず数々の作品で主要キャラクターの声を演じてきた野沢さんだが、自身の声優キャリアにおいて、「ドラゴンボール」とはどのような存在なのか。野沢さんは「たくさんの本数をやってきたし、いろんな役もやってきましたけど、私の中で、大きく生きているのは悟空ですね。体の中で、共に生きていますよね」と悟空の存在の大きさを語る。
「こんなこと言うのもおかしいけど、(悟空は)相談もできる相手って思っちゃうんですよ。迷ったときに『悟空だったらどうすっかな』と……。私の中にもう一人いて、そうすると『オラこう思うぞ』って。それで、なるほどそうか、じゃあ、とりあえずやってみよう、となるんです」と笑顔で明かす野沢さん。まさに、悟空と共に歩んできた人生といえるかもしれない。そう言うと、野沢さんは「私は一緒に生きてきたと思っています」と笑顔で語る。
「ドラゴンボール」といえば、熱いバトル。今作も多くの時間がバトルシーンに割かれており、悟空が叫ぶシーンも多い。さぞ、喉のケアに気を遣うのでは……と思うが、野沢さんは「ケアってしたことないんですよ」とあっけらかんと明かす。唯一習慣づけていることは、入浴時にぬるま湯のシャワーでうがいをすることぐらいだといい、「周りの人たちが心配して、(悟空の)叫び声を抑えてください、とか言うんですが、『別に大丈夫です』と言います。かすれちゃうとかはないですから、全然大丈夫(笑い)」と野沢さん。
「『声が出ない』というのが、キザでもなんともなく、分かんないんですよ。私は大きい声を出そうと思ったら自然に出ちゃうし、出なくなることもないから……生まれたときからのものなんでしょうね」と喉の“鉄人”ぶりを明かす。
第一人者として、悟空のように明るく力強く、先頭を走り続けてきた野沢さん。だが、本人は「先に立ってやっているとは、一回も思ったことがないですよ(笑い)」と気取りがない。「『声が出ているから、マコさん(野沢さん)がやっているから俺たちも』と言ってくださる方もいらっしゃるみたいで、それはありがたいですよね。でも自分は自分、人は人、という感じです」とどこまでも自然体だ。
改めてBD&DVD化を待ち望んでいたファンへのメッセージを聞くと、「『とにかく面白い』ということ」とほほ笑み、悟空の声で「絶対に見てくれよな!」とサービス精神満点にアピール。最後に「(相手を)指さして、『ぜってえだぞ!』って言いたいですね」と笑った。
「ドラゴンボール超 ブロリー」は5日にBD&DVDが発売。初回生産限定の特別限定版はBDが8800円(税抜き、以下同)、DVDが7800円。通常版がBDは4800円、DVDが3800円。BDとDVDは同時にレンタルも開始。
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