ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
劇場版アニメ「海獣の子供」(渡辺歩監督)が、6月7日に公開される。「リトル・フォレスト」などの五十嵐大介さんのマンガが原作の作品で中学2年生、14歳の主人公・安海琉花(あづみ・るか)の声優を務めたのが、同じ14歳の女優、芦田愛菜さんだ。芦田さんは、14歳について「素直になれない」年齢だといい、「悔しいことを悔しいと素直に言えない自分がいる」と語る。自身にも共通するもどかしさを作品で表現できるよう意識したという芦田さんに、作品の魅力や思いを聞いた。
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「海獣の子供」は、五十嵐さんがマンガ誌「IKKI」(小学館、現在は休刊)で2005~11年に連載したマンガ。友人にけがをさせた少女の琉花が、ジュゴンに育てられた不思議な兄弟・海と空に出会い、港町と水族館を舞台にさまざまな冒険を繰り広げる。
アニメは、「鉄コン筋クリート」などのSTUDIO4℃が製作。音楽は久石譲さんが手がけ、主題歌「海の幽霊」はシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さんが担当する。石橋陽彩(ひいろ)さんが海、浦上晟周(せいしゅう)さんが空の声優を務め、稲垣吾郎さん、蒼井優さん、渡辺徹さん、田中泯さん、富司純子さんらも声優として出演する。
芦田さんは、演じる琉花を「心の中では思っていることがたくさんあって、いろいろなことを感じているのに、なかなかそれをうまく言葉にして表せない。誰かに自分の気持ちを分かってほしいのに、それを分かってほしいと言えない。自分に素直になれないところがあって、それをもどかしいと思っている女の子」と説明。
演じる上では「琉花はモノローグが多かったので、心の声はすごく感情を入れて、豊かに雄弁に。でも、実際に言葉にするとうまく言えないというのが伝わるように工夫しました」と明かす。
芦田さんは海外のアニメーション作品の吹き替えなどを経験。18(平成30)年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」では語りを務めた。
声の仕事について「普段のお芝居だと、ちょっとした目線の動きや動作で表せる部分があるんですけど、アニメでは、声だけでそのキャラクターの全てを伝えなければいけない。そういうところは難しい」と話した上で、「『この子はどういう子なんだろう』『どういう話し方をするんだろう』といろいろ考えて気持ちを声に乗せて、キャラクターを作っていくことにちょっと参加できているような気がする。難しいことでもあるんですけど、楽しい部分でもあるかなと思っています」と笑顔を見せる。
今回のアフレコでは、渡辺監督が一緒にブースへ入り、作品への思いや琉花の思いについて説明しながら収録が進んでいった。原作者の五十嵐さんも現場を訪れ、話をする機会もあったという。
芦田さんは「マンガでは大きく描かれている、琉花が『ぎゃっ』というシーンがあるのですが、どんなイメージでそのコマを描かれたのか伺いました。コミュニケーションがたくさんとれて、こだわってやらせていただけてうれしかったですね」と振り返る。
原作は、繊細だが迫力がある絵が特徴で、扱うテーマも「海」や「生命」と壮大だ。芦田さんは原作を読み「水の動きがすごくダイナミックで気持ちがいいというか、生きている感じがした。原作の海中シーンは白黒なのにどこか海の中にいる感じというか、不思議な気持ちに包まれました」という。それがアニメ作品を見た時は「映像と音楽がすごくお互いを引き立てあっていて、命を感じた」と話す。
芦田さんは作品を「生きることと死ぬこと、命の誕生についてすごく表現されていると思う」と語る。その大きなテーマをどう捉えたのか。
「生まれた時から、命あるものには必ずいつか死が来るというか……。空くんや海くんは、死の方向から『生きることってどんなことだろう』と見ているんですけど、逆に琉花は自分が生きていることを実感しながら『死ぬってどういうことだろう』というふうに見ている。生きることと死ぬことは、正反対じゃなくて隣り合わせにあるのかなと感じました」
芦田さんは、作品について「私自身、いろいろなことを感じて、考えたんですけど、でも、やっぱり明確な答えは出せていないですし、これが正解というのがあるわけじゃない。今までこんなに深く命の誕生って何だろうとか、自分の存在意義って何だろうとか深く考えるきっかけもなかなかなかった。この作品が考えるきっかけを与えてくれた」と話す。
同じ年齢の14歳を演じ、さまざまなことを感じ、考えた芦田さん。「14歳はどんな年齢なのか」と聞いてみると、「素直になれないというのが一番しっくりくる」という答えが返ってきた。
「一概には言えないと思うんですけど、私や琉花は、自分に素直になれないところがあって。私は悔しいことを悔しいと素直に言えない自分がいたりするんです。自分というものを探すというか、まだ子供なんだけど、ちょっと大人になりたいというか、そういう気持ちも出てきたりしています」
素直に言葉にはできないが、感じていることは山ほどある。14歳とはそんな年齢なのかもしれない。芦田さんは今回の作品を見て「明確な答え、『言葉にしなきゃ』とかそういうものを求めるのではなくて、体で感じて、感じたことを大切にしていただけたらうれしい」とのメッセージを送った。
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