是枝裕和監督の最新作で、俳優の綾瀬はるかさんとお笑いコンビ「千鳥」の大悟さんがダブル主演を務める映画「箱の中の羊」の本編映像の一部が公開された。
是枝監督が「万引き家族」(2018年)以来、約8年ぶりのオリジナル脚本で描く同作は、少し先の未来の“夫婦”そして“家族”の物語。子供を亡くした夫婦が、息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れ、止まっていた家族としての時間が再び動き始めるが、想像を超えた未来が待っていて……。綾瀬さんが建築士の甲本音々と、大悟さんが夫で工務店の二代目社長・甲本健介、息子の甲本翔(ヒューマノイド)を桒木里夢(くわき・りむ)さんが演じる。
今回公開されたのは、音々(綾瀬さん)と健介(大悟さん)が、生前の翔(桒木さん)との思い出の写真や動画を見返す場面。ヒューマノイドの翔を迎え入れる準備をうれしそうに進める音々。その一方で、健介はどこか戸惑いを隠せない様子。タブレットの中で弾けるように笑う妻の姿を、健介は拡大しながらじっと見つめる。さらに、音々が翔の服を準備しながら「高かったんだよね、これ」と無邪気に話すシーンへと続いていく。
是枝監督は同シーンの大悟さんの演技について、「脚本上、写真を選んでいる場面は、文字通り2人で写真を選んでいるだけなんです。その後、音々が翔を亡くした後も毎年毎月、服を買っているというのに健介が気づいて、ヒューマノイドを受け入れようと思うという話なんだけど、動画を見ている大悟さんは、すごく悲しそうな顔をしているわけじゃないのに、『あ、家からこの笑顔が失われているんだ』というのが伝わってくる。あそこで脚本には書いてない、もう一つの大きく眠っていた感情が見えてきて、これは良いと思った。そこで、現場でタブレットに映る水遊びをしている音々の姿をフッと拡大する動きを加えたら、すごく良かった。大事なシーンになりました」と振り返っている。