放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」で、広瀬すずさん演じるヒロイン・奥原なつの先輩“モモッチ”こと森田桃代役で知られる女優の伊原六花(いはら・りっか)さんの初主演映画「明治東亰恋伽」(副島宏司監督)が、6月21日に公開された。初主演に「本当に素直に、『大丈夫かな』という不安と、『こんなチャンスをいただけてうれしいな』という思い」を感じたという伊原さんに、作品の魅力、女優業への思いを聞いた。
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「明治東亰恋伽」は、2011年に携帯アプリの配信がスタート。スマホ、PSVitaなどで展開されたほか、劇場版アニメや舞台化もされ、今年1月からテレビアニメも放送された人気作だ。ごく普通の女子高生・綾月芽衣(あやづき・めい)が、明治時代にタイムスリップし、森鴎外、泉鏡花、藤田五郎といった歴史上の人物たちと出会い、恋に落ちる……というストーリー。4月にドラマシリーズが放送、配信され、満を持しての映画化となった。
ドラマ版に続いて、映画でも芽衣役で初主演を務めた伊原さん。「主演にこだわりすぎるとすごく緊張してしまうなと感じていた」というが、「すごく優しいキャストの方とスタッフで、いい意味で緊張しすぎずリラックスして挑めた」と振り返る。「主演として何ができたか分からないですが、できるだけ現場が楽しければいいなと思って撮影していました」と、状況を楽しんでいた様子だ。
また、「芽衣ちゃんの好きな食べ物がチョコレートとお肉で、それが、私自身の好きな食べ物のナンバーワンとツーなので、やったーと思った」といい、「撮影の時も、牛鍋やチョコレートを食べさせていただいて、すごく幸せでした」とにっこり。役作りでは「ゲームをやって自分が感じた芽衣の立場とか、性格を書き出してみたりして、自分なりの芽衣像を作った」と明かした。
ゲーム原作で“胸キュン”シーン満載の同作品の魅力を聞くと、「非現実的なファンタジーもありつつ、ちゃんと共感できる部分が入っている」と説明。キスやハグのシーン、頭ポンポンなどの演技は「ゲームをやっている時もすてきなシーンがありすぎてニヤニヤしていたんで、実写でやると緊張するのかなと思ってたんですが、普段から皆さんで関わらせていただいたので変な緊張感とかはなかった」という。
“胸キュン”シーンは「みんなで、ここがキュンキュンポイントかなと(考えて)撮ったりした。自分としてもキュンとすることはもちろんありましたし、『ここでキュンキュンしてもらえればいいな』」と、狙ったシーンもあったようだ。個人的に好きな“胸キュン”シーンを聞くと「(とまんさん演じる)泉鏡花さんとのシーン」だといい、「(潔癖症のキャラクターなのに)握手のために手を差し出してくれて、急に手を引っ張って抱き寄せてくれる」と説明。「不意に(何かを)されるのは、女の子はキュンキュンするんじゃないかなと思って。すてきなシーン」と振り返った。
今回の映画初主演をはじめ、現在はモモッチ”役も好評で、活躍の場を増やしている伊原さん。今後チャレンジしてみたい役を聞くと、「できるようになったらでいいんですが、いつか、意地悪な役とか悪女とか、“黒い”役をやってみたいです」と、これまでのイメージとは真逆の役柄を挙げた。演じる自信は「今はないです」と照れ笑いするが、「どっちもできる役者さんはすごくすてきだなと思うので、学んでいく中でできればと思います」と語っていた。