ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
アメコミ界の巨匠スタン・リーさんの手がけた最後のプロジェクト、オーディオブック「スタン・リー・アライアンス トリックオブライト(Stan Lee’s Alliances A Trick of Light)」が、6月27日から全世界で配信される。この長編小説の朗読を独りで担当したのが、人気声優の花澤香菜さん。約15時間にわたる長編を10日間かけて朗読し、おじいさんから宇宙人までさまざまなキャラクターを演じ分けたというから驚きだ。「チャレンジだった。いろいろな役をできるのはすごく楽しかった」と語る花澤さんに、アニメのアフレコとの違いや、朗読する上でのこだわりについて聞いた。
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「トリックオブライト」は、「スパイダーマン」「アイアンマン」など数々のヒット作を手がけてきたスタン・リーさんと、作家のカット・ローゼンフィールドさんが共同執筆し、ルーク・リバーマンさん、ライアン・シルバートさんらと制作したSF。YouTuberとして有名になるという夢を持つ青年キャメロンが、YouTubeの再生数稼ぎのために嵐の中、エリー湖に出る。そこで雷に打たれ、サイバーキネティックというテクノロジーを自在に操る能力を手に入れる。この力によって、最先端テクノロジー装備を持つ父親に軟禁されている不思議な少女ニアと出会い、恋に落ちる……というストーリー。「本が聴ける」がコンセプトのボイスブックサービス「オーディブル」で全世界に配信される。
マーベル作品を昔から映画で楽しんできたという花澤さんは、今回のプロジェクトに関わることを「すごくうれしい」と話す。「初めて見たマーベル作品は『スパイダーマン』で、より大人になってハマったのは『アイアンマン』ですね。私は、ロバート・ダウニー・Jrさん(トニー・スターク/アイアンマン役)が大好きで、『アリー my Love』(ロバート・ダウニー・Jrさんがラリー・ポール役で出演)を見ていた時は、彼が心の恋人だったんです。だから、『アイアンマン』を見た時に『あっ、あの人だ!』とすごくうれしくて、一気にハマってしまいました」と笑顔で明かす。
花澤さんはマーベル作品の魅力を「人間模様でグッときて泣けるところもたくさんあるんですけど、ちりばめられているコメディー要素がたまらなくて。マーベル作品を知っていれば知っているほど面白いので、何回も見ちゃうんですよね。いろいろなところに楽しむ要素がちりばめられているのがすてき」と語る。
「トリックオブライト」も「独特のジョークみたいなものが出てくる。私も台本をニヤニヤしながらチェックしていました」と楽しんだ様子だ。
今回花澤さんは、主人公の青年キャメロンをはじめ、母親たち、おじいさん、宇宙人と、登場する多様なキャラクター全てを演じた。演じ分けなどは「全部任せていただいた」という。普段のアニメの収録とは「だいぶ違いました」と振り返る。
「普段のアニメのアフレコだと、キャラクターを相棒として一緒にやっていく感じで、そのキャラクターを演じることが一番。周りにもたくさん役者さんがいる中で、どういうふうに自分がお芝居をアプローチしていくかということを日々考えています。今回は、全然それとは違って、ストーリーの中で細かくキャラクターの視点が変わっていくんです。声優をやっている身としては、その視点によって演じ方も変えたいという思いがありました」
性別、年齢も違うキャラクター、宇宙人まで演じた花澤さんは「お母さんにしても、キャメロンの母親もいれば、その友達の母親もいて。それに宇宙人など人間じゃないものも出てくる。だから、やっていて『これはどういうふうにやろうかな』と考えるのがすごく楽しかったです。なかなかおじいちゃんなんてやらせてもらえる機会がないので」と笑顔。
さまざまな人が通勤や就寝前などいろいろな場面で聴くオーディオブックということで、「聴きづらさは無くしたい」と心がけた。全編が花澤さんの声ということで「私が嫌いな人からしたら地獄だと思うんですけど」と冗談めかしつつ、「ずっと聴くものなので聴きづらさはなくしたいなと思いながら、落ち着かせるような声のトーンは意識しました。あんまりキンキンしないように」と話す。
続けて「飽きないように、キャラクターの視点や緩急も意識しました。主人公たちがいろいろなことに巻き込まれていくシーンはちょっと速めに、聴いている人たちもハラハラするような感じで読むようにして。心情が分かるようなシーンは、じっくりと『こういうことなのかな』と考えていただけるような間を作りながらやっていた気がします」とこだわりを明かした。
スタン・リーさんならではのジョークあり、恋愛要素あり、スリリングな展開ありのエンターテインメント作だという。
「主人公のキャメロンの夢が『有名なYouTuberになりたい』というのはすごくイマドキっぽいので若い人も楽しめると思いますし、いろいろなキャラクターが出てくるので年齢に関係なく楽しんでいただける。親子の絆もテーマになっています。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のアイアンマンとスパイダーマンを思い浮かべてしまうような熱い展開があったりするんです。一気に楽しめてしまう作品だと思います」と見どころを語った。
花澤さんの声で、スタン・リーさんの最後のプロジェクトを体験できる作品。じっくりと耳でその世界を堪能したい。
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