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堀未央奈:自信が持てなかった過去 苦しんだ経験も「弱い時期があったから今の自分がある」

映画
映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」で主人公の成田初役を演じる堀未央奈さん

 恋愛マンガを実写化した「ホットギミック ガールミーツボーイ」(山戸結希監督、6月28日公開)で映画初主演を務める、アイドルグループ「乃木坂46」の堀未央奈さん。平凡な女子高生・成田初(なりた・はつみ)を主人公に10代の不安定な感情を描いた青春恋愛映画で、堀さんが自分に自信が持てない初を演じている。初と同じように、以前は「自分に自信がなかった」と明かす堀さんだが、乃木坂46としての活動などを通じて自分の思いを表現できるようになっていったという。堀さんに主人公への思いや映画初主演の感想、乃木坂46としての活動が女優業に与えた影響などについて聞いた。

 ◇「ここで殻を破らないとつまらない女になる」 “バンジージャンプ”の計画も…

 映画は、マンガ誌「Betsucomi(ベツコミ)」(小学館)で相原実貴さんが連載していた「ホットギミック」が原作。平凡な女子高生の初はある日、幼なじみの橘亮輝(清水尋也さん)に弱みを握られ、むちゃな命令に振り回されることになった。そんな時、数年前に引っ越した幼なじみの小田切梓(板垣瑞生さん)が帰ってくる。初は自分を守ってくれる梓に引かれ、亮輝に邪魔されながらも付き合うが、梓にはある目的があった。そして初は兄・凌(間宮祥太朗さん)の秘密も知ってしまう……というストーリーだ。

 今作が映画初出演にして初主演の堀さんは、「初めて出演の話を聞いたときは、本当に私なのかな、とあまり実感がありませんでした。フワフワしていましたね。『ドッキリかな?』みたいな(笑い)」と当時の驚きを明かす。その後、山戸監督と2人きりで今作について話す機会を持ち、「夢じゃないんだな、と実感が湧いてきました」という。

 初主演には当然、プレッシャーもあった。これまで、本格的な演技の経験は「(深夜ドラマの)『ザンビ』(日本テレビ)ぐらいしかなかった」ため、撮影前は、ついていけるのか、主役として成り立つことができるのか……と不安も抱いていたという。だが、そういった不安を抱えながらも一歩前に踏み出す姿勢は、演じる初の姿と重なる。堀さんは「撮影に入ったら、とにかくぶつかるしかない。そのもがいている感じが初ちゃんに投影されたらいいなとも思い、がむしゃらにやっていました」とたくましさをのぞかせ、「弱音を言っていられない。『いいものを作りたい』という強い思いがあったので、監督とたくさん話し合い、キャストの方に支えられながら、毎日必死でした」と振り返る。

 劇中では、等身大の女子高生という役を演じるため、“ほぼすっぴん”で臨んだ。髪の毛も自然なストレートという飾り気のない状態で、衣装やメークに気を使うアイドルとしての活動時とは大きく異なっていた。堀さんは「アイドルをしているときは、いつ誰に見られてもいいようにコンディション、ビジュアル、発言、動きなどをこだわって自分らしくする、という意識があります」といい、「だから今回、カメラの前に立って、アイドルのミュージックビデオ(MV)の撮影やライブとはまったく違うものに対面して、『私、ここで殻を破らないと、つまらない女になっちゃうな』と思いました」と覚悟を明かす。

 「どこから撮られていても、『今、こういう顔をしていそうだな』と自分で思っても、とにかく、気にしない。気にした瞬間、山戸監督に伝わるんですよ。だから、演じるというより『ぶつかっていく』という感じでした。ありのままで挑戦していかなくちゃいけないんだな、と、試練のような思いがありました」と堀さんは語る。“殻を破る”という意識が自身の中で大きな課題としてあったという堀さんは、実は撮影前、“バンジージャンプ”に行こうと思ったこともあったという。「どうにかして自分の殻を破らなきゃ……と。バンジー、スカイダイビング……すごく考えたんですけど、体に影響があってはいけないので、おとなしくクランクインしました」と笑う。

 映画では初が初めての恋愛に悩み、苦しむ姿が描かれる。暴言、裏切り……と刺激的な描写も多い。堀さんはハードな描写に加えて、揺れ動く10代の心理も表現しなければならない役を演じるにあたり、「もちろん緊張はしました」と明かす。ただ、「自分自身のお芝居の経験のなさが不安につながっていたけれど、山戸監督と『一人の人間として、役者として、アイドルをやっている身として全力で演じて、見てもらった人に絶対に何か届けたいね、この映画に懸けたいね』と熱く語り合ったことで決意が固まって、『なんでもやるぞ!』という気合が入ったと思います」と力強さも見せる。

 ◇「自分に自信がなかった」過去 苦しかった経験も糧に

 演じた初は、自分に自信が持てない、気弱で遠慮がちな女の子。劇中では声を震わせるシーンも多い。そんな初を「特別な存在ではなくて、普通にいる女の子」と考える堀さんも、以前は“自分に自信の持てない女の子”の一人だったという。「私自身も乃木坂46に入る前は、初ちゃんのように自分に自信がなくて、人ともうまく話せなかったりしていて……そういう自信が持てない部分は、私にもありました」と打ち明ける。「乃木坂46での活動やいろいろなお仕事をさせていただいて、ようやく物事をはっきり言えるようになったり、自分の思いをちゃんと持ったりできるようになったので、分からない感情ではありませんでした」と共感したという。

 堀さんは「初ちゃんの『何をやってもうまくいきっこない』というネガティブな言葉は、私自身の学生時代や、乃木坂46の活動で挫折しそうなときのネガティブな感情にリンクしていて……。でも、そんな自分で自分を認められない弱い時期があったからこそ、今の自分になれているので『そういう時期があってよかったな』と演じながら振り返っていました」という。

 乃木坂46の一員としてのさまざまな経験は、今作の演技にもつながっている。「過去の苦しかったこと、悲しかったこと、うれしかったこと……いろんな思い出を引っ張り出して演じていたときもありました。今までの経験や思いを生かせたので、苦しんだ時期も無駄ではなかったな、と。そう思えたのもこの映画と初ちゃんに出会えたからなので、これからもっといろんな経験をして、どんなに苦しいことや嫌なことがあっても『絶対にプラスにしてやる』という思いで生きていきたいなと思います」と話す。

 ◇今作で「お芝居がめちゃくちゃ好きになった」
 
 そんな堀さんに、今作の撮影で難しかったことを聞いてみると、意外にも恋愛マンガ特有の“キュンキュン”した部分だったという。「私、普段あんまりキュンキュンしなくて……(笑い)。わりと冷静なんです。だから人に対して目をハートにするというか、キラキラする、ということに正直、最初は戸惑いました」と苦笑いを浮かべる堀さん。「でも、最初は『どうしよう』という思いはあったけど、皆さんが役そのままで演じてくださっていて、リアルにすてきだな、と思いながら演じられたので、よかったなと思います」とほほ笑む。

 映画初出演ながら、主演を見事に演じ切った堀さん。撮影を終えた今、改めて「演じること」についてどのように感じているのか。「お芝居って、自分の強みを生かしながらどんどん挑戦していって、そこで初めて、見ていただいてる人にぐっとくるものができる。もしそれができていなかったら、見てくださっている方に100%伝わってしまうので、ある意味、舞台より怖いものだなと思います」と明かす。

 演じることの怖さを語りつつも、「でもその分、たくさんの人の人生や心を動かしたり、影響力が大きいと思っていて。私自身、たくさんの作品や役者さんに支えられて今まで生きてきているので、自分も人生を懸けて演じて、誰かの一つの人生のポイントになれたら」と“女優”としての願いを話す堀さん。「今回で、お芝居がめちゃくちゃ好きになりました」と晴れやかな笑顔で語った堀さんの、今後の女優活動に注目していきたい。

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