ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
今年30歳を迎え、自身名義での歌手活動10周年を迎えた、声優で歌手の中島愛さん。約3年の音楽活動休止をへて復帰し、初のベストアルバムも発売した今、ビルボードライブやブルーノートなど「大人が音楽を静かに聴くために集う場所でゆったり歌ってみたい」という目標があるという。中島さんに、30歳の誕生日に発売した初のベストアルバム「30 pieces of love」や活動休止中の思い、今後について聞いた。
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中島さんは2007年にテレビアニメ「マクロスF」のランカ・リー役で声優デビューし、ランカ・リー名義で歌手としてもデビューした。中島愛名義では2009年に歌手デビュー。2013年12月に中島愛名義で音楽活動の無期限休止を発表。2016年12月に音楽活動を再開した。今年10月に放送をスタートするテレビアニメ「星合の空(ほしあいのそら)」のオープニングテーマ「水槽」とテレビアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」のエンディングテーマ「髪飾りの天使」を担当する。
歌手活動10周年を記念したベストアルバムは「ライブでお客さんの反応が良い曲は、自分の思い入れの強さと比例しているので、ファンの皆さんがこの曲を入れたら喜んでくれるかなと思うものを中心に選びました」とファンへの思いが詰まった作品。曲は発表した順に収録されており、「ファンの方から『順番通りに聴くとすごい懐かしいね』と言ってもらえて、すごくうれしいです」と笑顔を見せる。
収録曲を選ぶ際には「選びきれないほどの曲があるということにすごく驚きました。デビュー当初は自分の持ち歌が少なくて、一つのライブのセットリストを作るのもすごく大変でした。同じ曲を2回歌ったこともありました」と自身の歌手としての積み重ねも実感することができた。
ベストアルバムと同日にはアナログ盤「8 pieces of love」も発売。アナログレコードの収集が長年の趣味だったこともあり「いつか自分のLPレコードを出したいと何度もアピールしていたんです。今回、スタッフさんから私へのご褒美的に『アナログ盤も出したい?』って聞いてもらえたので『出したいです!』と即答しました」と念願がかなった。「アナログレコードは次にいつ出せるか分からない」という気持ちから、収録曲は「音質も考えてレコードで聴いてほしい曲を選びました」と吟味に吟味を重ね、自身がランカ・リー名義で発売した1枚目のシングル「星間飛行」を入れることにもこだわったという。
中島さんが音楽活動を休止したのは24歳の頃。当時を「このまま続けていても、うまく大人になれないなあと思いました。やる気はあったんですけど勇気をなくしてしまって。ランカ・リーや青春時代のキラキラしたものをイメージして活動していたところから、大人っぽくイメージチェンジをする道筋が想像つかなくなってしまって、一回立ち止まろうかなと思いました」と振り返る。
充電期間中は、観客としてコンサートや舞台に足を運ぶなどしたという中島さん。中でもミュージカルに夢中になったという。「帝国劇場での『エリザベート』は前から2列目のチケットが取れて、演者さんの息を吸う音まで聞こえるくらいで、すごく感動しました。ほぼ毎月、多い時期は毎週、何かしらの舞台やミュージカルを観に行っていました。肉声が心に伝わってくる感じでした」とたくさんの刺激を受け、次第に自身も歌いたいという気持ちが膨らむことになった。
実際に音楽活動を再開するきっかけとなったのは、2016年春にサプライズ出演したテレビアニメ「たまゆら」のイベント後に、レコード会社のスタッフからかけられた言葉だ。「『復帰したい気持ちはないの?』と助け舟を出してくれたおかげです。『戻りたい』と言って戻れる場所ではないと思っていたので、(復帰したいことを)人には言えなくて、再開するきっかけもないだろうな、そんな虫のいいこと言えないよなと思っていました」と当時の苦しい胸の内を明かした。
その後、2016年12月にフリーライブを開催して復帰。2017年6月には復帰後、初めてとなるワンマンライブを開催した。今年のベストアルバム発売後は、キャンペーンで各地を回り、多くのファンと触れ合っている。
「いまだに握手会をするとおかえりって言ってくれる人が多いです」とうれしそうで「活動休止中にファンになった方が『まさか生で見られると思わなかったです』と言ってくださったのがうれしかったですね。復帰してよかった」と感慨深げな笑顔を見せる。また「活動休止中にリスナーとして音楽を楽しんでいた期間があったからこそ、ライブに来てくれるファンの方の気持ちを鮮明に想像できるようになりました」とチケットを買う苦労や、当日を楽しみにする気持ちなどを経験してきたことが今に生きている。
今後について聞くと「30代後半には、大人が音楽を静かに聴くために集う場所でゆったり歌ってみたい。しっかり歌を聴いてもらうような活動もしていきたい」と展望を語った。
(取材・文・撮影/水野由美子)
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