時効警察:凶悪事件の時効廃止も12年ぶり復活 GPに聞く裏側

ドラマスペシャル「時効警察・復活スペシャル」の場面写真 =テレビ朝日提供
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ドラマスペシャル「時効警察・復活スペシャル」の場面写真 =テレビ朝日提供

 俳優のオダギリジョーさんや女優の麻生久美子さんらが出演し、23時台のドラマとしては異例の平均視聴率10%以上をたたきだしたコメディーミステリードラマ「時効警察」(テレビ朝日系)が12年ぶりに帰ってくる。2010年には殺人をはじめとした凶悪事件の時効が撤廃されたが、時効警察は何を捜査するのか? 9月29日放送のドラマスペシャル「時効警察・復活スペシャル」の放送を前に、シリーズ1からプロデューサーとして深く関わり、本作と10月からのシリーズ3ではゼネラルプロデューサー(GP)を務める横地郁英さんに、“伝説”の作品復活の裏側を聞いた。

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 ◇オダギリ、麻生は「すぐコンビ感が戻った」

 「時効警察」は、時効が成立した事件にスポットを当てたコメディーミステリー。オダギリさんが演じる総武警察署時効管理課の警察官である霧山修一朗(オダギリさん)が交通課の三日月しずか(麻生さん)らを巻き込んで、“趣味”で時効が成立した事件を捜査する姿を描く。2006年1月期に第1シリーズとなるドラマが放送され、2007年4月期に第2シリーズ「帰ってきた時効警察」が放送。三木聡監督が構築した独特の世界観や、シュールな小ネタ、オダギリさんや麻生さん扮(ふん)する個性的なキャラクターが大きな話題となり、どちらも番組平均10%を上回る高視聴率を記録した。

 今回の復活について、横地さんは「2年ほど前に、私から三木(聡)さん、オダギリさん、麻生さんに声をお掛けした」と明かす。12年ぶりの復活の経緯について、「これまでも復活させようと思っていたのですが、いろいろとうまくいかず……。今回、もう一度チャレンジして、2019年に放送することになりました」とコメント。「2年前に聞いた段階で、みなさんのスケジュールがこのタイミングだった」という。

 久しぶりにタッグを組んだオダギリさんと麻生さんだが、横地さんは「12年前にできたコンビ感が、どうなってしまうのかというのは、ご本人たちも不安があったと思います。でも撮影が始まったら、すぐに戻りましたよね」と胸をなでおろす。

 「お芝居は、すぐコンビ感が戻ったんですが、オフの時間は少し時間があるとも感じました(笑い)。以前は、もっと話していたように思っていたんですが(笑い)。でも、すぐに元に戻り、今はボケとツッコミのような感じで、ドラマにも反映していただいています」と語る。

 ◇12年間で時効廃止も

 12年間に実社会もめまぐるしく変化し、2010年には殺人など凶悪事件の時効が撤廃された。ドラマではこれまで、時効となった殺人事件ばかりを扱っていたが、「世の中の移り変わりが反映される『時効警察』というのも、逆にそれは面白いなと思いました」と前向きだ。

 「そもそも時効管理課は、時効がなくなる前から窓際部署として描いていたのに、時効がなくなった今、もっと窓際になっているおかしさとか。そういう意味でも、12年たった時効警察を見たいなと思いました」

 時効が廃止された後の、時効管理課メンバーの様子を見た感想を聞くと、「『時効警察』にとっては、そんなに関係なかったなという気がします(笑い)。ただ、12年前にやっていたドラマよりも、事件が起きてからの年数が開いた案件を取り扱いますね。前のドラマだと、15年前の事件を扱っていたんですが、今回は25年前ぐらいの事件。年数が開いたことで、より面白くなっている気がします」と笑う。

 ◇初めての2時間ドラマ 見どころは?

 「時効警察・復活スペシャル」は、出向先の米FBIから総武署の時効管理課に戻ってきた霧山が、9年前に時効になった「浦島ガソリンスタンド火災事件」を“趣味”で捜査。新情報を求めて調べ始めた霧山はやがて、“71歳にして40代の肉体を持つ男”として人気沸騰中のタレント・美魔王藤原(武田真治さん)が、事件に関与していると疑う……という展開。脚本と監督は、シリーズおなじみの三木さんが務める。

 スペシャルドラマの見どころについて聞くと、「初めての2時間ドラマで、笑いもたっぷりでミステリーも丁寧に描いています。また、メインゲストの武田さんが演じる美魔王藤原が、肉体美もあり、今の武田さんをほうふつとさせるようなキャラクター。ご本人もノリノリでやってくださったので、どういうオチになっているか、楽しみにしてください」と胸を張っていた。

 ドラマスペシャル「時効警察・復活スペシャル」は、9月29日午後9時放送。第3シリーズ「時効警察はじめました」は10月11日スタートで金曜午後11時15分に放送。

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