中村倫也:主演映画「水曜日が消えた」で一人七役に挑戦 「やっかいだなあ~」

映画「水曜日が消えた」の場面写真(C)2020「水曜日が消えた」製作委員会
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映画「水曜日が消えた」の場面写真(C)2020「水曜日が消えた」製作委員会

 “カメレオン俳優”とも呼ばれる俳優の中村倫也さんが、映画「水曜日が消えた」で主演を務め、一人七役に挑戦することが10月4日、分かった。曜日ごとに入れ替わって暮らしている7人の“僕”が主人公の作品で、中村さんは、映画について「完成した画が予想できない脚本でした。また自分が七役演じることも『やっかいだなあ~』と(笑い)」と明かしている。

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 本作の主人公“僕”は、他の“曜日”とは直接会うことはできず、日記を通してのみ間接的に互いを知っている。そのうちの最も地味でつまらない一人、通称“火曜日”の視点を通した物語が描かれていく。

 次の時代を担う気鋭の映像クリエーター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人2019」に選ばれるなど注目されている吉野耕平さんが監督を務める。吉野さんは数々の話題のCMやMVを手掛け、映画「君の名は。」にCGクリエーターとして参加した。本作は、吉野さんの完全オリジナル脚本で、吉野さんにとって長編映画デビュー作となる。VFXも自ら担当するという。

 撮影は2019年5月下旬から福島県いわき市で行われ、公開は2020年を予定している。

 ◇中村倫也さんのコメント

 完成した画が予想できない脚本でした。また自分が七役演じることも「やっかいだなあ~」と(笑い)。でもだからこそ、あまり類いを見ない邦画になる期待感を抱きましたし、いくらでも大ごとにできる出来事をあくまで日常として描いていく細やかさに好感を持ちました。ザラッとした、じんわりと温かい手触りを残せる作品になっていると思います。ご期待ください。

 ◇吉野耕平監督のコメント

 ――企画の発想について。

 もしも自分の中に複数の人格があって……その中でも、つまらない“脇役”だったとしたら世界はどう見えるだろうか。ふと考えたそんな小さな空想からこの物語は始まりました。曜日ごとに入れ替わる七つの人格。そのうちの一人の目を通して世界を見たとき、何が見えるだろうか。何に出会うだろうか。そんな自分だけの小さな空想を楽しんでいるうちに、現実の世界でいくつかの出会いと出来事があり、幸運にもその小さな空想が映画として形になる機会をいただくことになりました。

 一人だけの自由でフワフワした空想が現実の世界で作品として形になる過程はスリリングで、その中で選んだもの、選ばなかったもの、いろいろなものがありました。でも、振り返れば大事なものだけはギュッと絞られ、きちんと全部残せたように思います。今はそれをきちんと磨いて届けるまでの残りの日々を、大切に楽しみたいと思っています。

 ――撮影を終えて観客へのメッセージを。

 目が覚めたらいつも火曜日の男。彼の目を通して世界を見たとき、見慣れたはずの日常が違って見えてくるかもしれません。そして、そこに隠れていた大事なものに気づくかもしれません。架空の物語が、時々現実の見方を変えてくれる、そんな瞬間が好きです。

 多くの方々の才能と力、そしていくつかの縁と偶然で生まれたこの作品が、誰かにとってそんな一本になってくれれば……と、強く願っています。

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