オダギリジョー:「時効警察」は麻生久美子がいないとできない 伝説のドラマへの思い

コメディーミステリードラマ「時効警察はじめました」に出演するオダギリジョーさん =テレビ朝日提供
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コメディーミステリードラマ「時効警察はじめました」に出演するオダギリジョーさん =テレビ朝日提供

 12年ぶりに復活した、コメディーミステリードラマ「時効警察はじめました」(テレビ朝日系、金曜午後11時15分)に出演するオダギリジョーさん。三木聡監督が構築した独特の世界観や、オダギリさんや麻生久美子さん扮(ふん)する個性的なキャラクターが大きな話題となり、第1、2シーズンとも番組平均10%を上回る高視聴率を記録。“伝説”のドラマとして人気を集めた。「麻生さんがいないと『時効警察』は成立しないと思っている」「麻生さんが裏番長」と語るオダギリさんに、番組への思いなどを聞いた。

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 ◇12年ぶりの復活、うれしさと不安

 「時効警察」は、時効が成立した事件にスポットを当てたコメディーミステリー。オダギリさん演じる総武警察署時効管理課の警察官である霧山修一朗が、交通課の三日月しずか(麻生さん)らを巻き込んで、“趣味”で時効が成立した事件を捜査する姿を描く。2006年1月期に第1シリーズとなるドラマが放送され、2007年4月期に第2シリーズ「帰ってきた時効警察」が放送された。

 オダギリさんは、12年ぶりに復活した心境を、「単純にうれしかったですね。でもなんとなく、復活はないと思っていたので、うれしかったと同時に、どうしようという感じもありました」と率直に語る。

 熱心なファンも多い作品であり、復活にあたり「みんなに支持されていましたし、『いい思い出のままの方がいいのかな』という思いもありました。前作より面白いものができるかは、やってみないと分からない、若干ですが、そういう心配もありましたね」と明かす。

 「ただ、やると決めてからは、楽しみでした。ほとんどの共演者とお会いしていなかったんですが、すぐに12年前に戻れました」といい、「いいチームなんでしょうね、やっぱり」と話す。撮影にあたり、前作を改めて鑑賞したそうで「やっぱり面白いし、みんな若い」と笑っていた。

 ◇麻生久美子がドラマの裏番長?

 これまでドラマで息のあった掛け合いを繰り広げてきたオダギリさんと麻生さん。意外なことに麻生さんとは、10年以上連絡を取っていなかったそうで、久しぶりの再会を「衣装合わせで会ったときは照れました。向こうは向こうで照れていたと思うので、気持ち悪い空気になっていたと思います」と、振り返る。

 「次の日からは普通に、待ち時間も12年前(の関係性)に戻ったので、それが『時効警察』だなという思いがありました。前回も、麻生さんとの待ち時間の会話を、(劇中の)即興的な芝居に入れたりしていたので」とも語り、「実は、麻生さんがいないと『時効警察』は成立しないと思っています」と強調。「麻生さんが裏番長という感じです」と笑っていた。

 ◇吉岡里帆、磯村勇斗に期待

 今回から、三木監督の映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」にも出演した吉岡里帆さんと、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」や「今日から俺は!!」(日本テレビ系)などに出演した磯村勇斗さんが加わった。オダギリさんは、2人について「ダサい言葉を使うと、フレッシュ(笑い)。『時効警察』をどう変えてくれるか、見ている方も楽しんでもらえると思います」と期待を寄せる。

 ユーモラスな作風で知られる「時効警察」シリーズだが、「三木さんの回(の撮影中)は、みんなピリピリしていますよ」という。「現場は、一字一句間違えられない。テンポ感や、一笑いのために培っていくものが大切なので、役者もスタッフもピリピリしている」「やっていて、笑いをこらえるのに必死なシーンも多いので、いい緊張感で満ちています」と語る。

 2人の現場での雰囲気については「柔軟に対応しているように見えます」というが、「吉岡さんは、(時効警察の撮影現場が)『こんなにピリピリしていると思っていなかった。もっと緩く撮影していると思った』とインタビューで読んだ気がします」と笑う。

 ◇時効警察は「大きな存在」

 最後に、オダギリさんにとって「時効警察」がどういう存在かについて聞くと、「大きい存在ですね」としみじみ。

 ドラマの立ち上げについて「ゼネラルプロデューサーの横地(郁英)さんと、当時『何かやりたいね』という話の中で、『三木さんはテレビドラマをやったら絶対に面白くなる』と思い、横地さんと相談してスタートした作品」と振り返る。

 「自分の中でも、思い入れも大きいですし、あの時代になかった独特の笑いを持った作品、新しいものが作れたという喜びもありましたし、そういうことができた番組は多くないので。だから今回、『あれを超えるものができるのか』という心配がありました。それだけ大きな存在なんですね」と思いを語った。

 オダギリさんと麻生さんが久しぶりに演じる、霧山と三日月。12年間のブランクを感じさせないコンビネーションに期待したい。

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