SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第1話 再出発!集う麦わらの一味!
11月3日(日)放送分
人気アニメ「プリキュア」(ABCテレビ・テレビ朝日系)シリーズの第16弾「スター☆トゥインクルプリキュア(スタプリ)」の劇場版アニメ「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想(おも)いをこめて」(田中裕太監督)。15年以上続く同シリーズは、これまでも進化、変化してきたが、新作劇場版もこれまでとは違う作品に仕上がった。アニメを手がけた東映アニメーションの村瀬亜季プロデューサーに、今回の劇場版の挑戦について聞いた。
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「スタプリ」は「宇宙(そら)に描こう! ワタシだけのイマジネーション!」がキャッチコピー。星座をモチーフに無限に広がるキラキラな世界でプリキュアが活躍する姿を描いている。劇場版は、プリキュアのもとに、言葉は通じないが、“うた”で気持ちが通じ合える不思議な生き物ユーマがやって来るが、ユーマを狙う謎の宇宙ハンターが現れる。
劇場版が10月19日に公開されることが発表されたのは6月だった。発表と同時に、児童書の挿し絵などを手がけるイラストレーターのいなとめまきこさんが描いたイメージビジュアルも公開された。「プリキュア」シリーズのビジュアルといえば、ピンクや黄色などの派手な色遣いがおなじみだが、水彩画で温かいタッチで描かれた絵本風で、「これまでとは違う!」という印象を強く受けた。
ビジュアルには、星奈ひかる(キュアスター)と羽衣ララ(キュアミルキー)が見上げる星空(宇宙)に一つの星が輝き、流星群からはぐれ、地球に向かってこぼれ落ちる星が描かれている。「うたを歌おう。道しるべとなるように。」「わたしたちはみんな、旅のとちゅう。」というコピーもロマンチックで、どんな物語になるんだろう……とワクワクする。村瀬プロデューサーは、劇場版のコンセプトとして「ロマンチックで、しっかりした物語を見せる」ことを考えていたといい、イメージビジュアルにはその想いを込めた。
「原型は、監督がポスター用にラフで描いたイラストです。スター☆トゥインクルプリキュアは5人ですが、ひかる、ララの2人しかいないですし、ポスターとしては攻めすぎかもと、お蔵入りになりそうになりました。でも、この素晴らしいイメージをたくさんの人に見てもらいたいし、挑戦してみたかった。コピーはスタッフ総動員で考えました」
「スタプリ」のモチーフは宇宙と星座。劇場版では、ひかるやララが星空を見上げるシーンが印象的だ。テレビアニメ版にも星空や宇宙は登場するが、暗い映画館のスクリーンに映し出される星空はよりロマンチックに見える。
「『スタプリ』の世界観をより魅力的に描きたかったんです。暗い映画館だったら、星空をよりロマンチックに描けるはず。映画のテーマでもある歌を聴きながら、星空を見ていただきたかった。(テレビアニメ版のプロデューサーを務める)柳川(あかりさん)に相談したら、『私もやりたかったこと。ぜひ!』と背中を押してくれました」
「プリキュア」は子供向けの作品ではあるが、大人も一緒に楽しめるのが魅力でもある。しっかりした物語を見せながら、子供と大人が一緒に楽しめるようにした。
「見終わった後に温かい気持ちになってほしかった。『スタプリ』を知らない人でもキャラクターの感情が分かって、一本の映画として完結できるようにしました。お話の軸はシンプルです。かみ砕いて説明もしていますし、難しい表現は入れていません。一方で、こうくるだろう……というところを少しひねって、変化球も入っています。細かい描写が丁寧だから大人も楽しめるのかもしれません。シンプルな物語の中に、プリキュア映画ならではのフォームチェンジ、ミラクルライト、バトルなどの要素、今回のテーマである歌をどうやって入れていくのか?を考えないといけなかったのですが」
シンプルな物語の中で、特に印象的なのが、ララの心の動き、成長を丁寧に描いているところだ。ララはユーマと出会うことで、さまざまな思いを巡らせる。ひかるもまたユーマを大切に思うが、ひかるとララは、考え方が少し違うようにも見える。
「ララは最初、ユーマに対して警戒心が強いけど、変化していきます。ララがドラマを展開させるところもあります。宇宙人であるララの方が地球人っぽく感じるんですよね。だから、ララに感情移入しやすいのかもしれません。ひかるはブレない人。ひかるとの対比がなければ、ララに感情移入できませんし、二人を丁寧に描こうとしました。物語をシンプルにしたから、丁寧に描けたところもあります」
ネタバレになるので、詳しくは説明できないが、今回の劇場版は、いわゆるラスボスとのバトルで物語の幕を下ろすわけではない。そうくるか……と驚かされるところもあった。
「監督から『最後はラスボスと戦わないとダメ?』とお話があったのですが、私が『ダメなんですかね?』と聞き返してしまいました(笑い)。子供たちには『プリキュアが格好よかった!』と感じてほしいのですが、最後にラスボスを倒すとは決まっていませんしね。今回は歌がテーマなので、一番いいところに歌を持っていきたかった。みんなで挑戦してみよう!という気持ちがありました」
おきて破りのようにも見えるが、「プリキュア」シリーズは時代の流れに合わせて変化してきた歴史があり、これまでおきてだと思われていたものが、おきてではないと気づかされることがあった。新作劇場版もまた「プリキュア」シリーズの新たな可能性を示した。村瀬プロデューサーが「スタッフの誰一人欠けてもこの作品はできませんでした」と話すように、スタッフ全員の想いが一つになったからこそ、挑戦できたのだろう。
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