森七菜:快進撃中の注目女優が明かす心境の変化 映画「地獄少女」美保役への思いとは…

映画「地獄少女」で女子高生・市川美保役を演じる森七菜さん ヘアメイク: 佐藤寛 スタイリスト:小泉美智子
1 / 11
映画「地獄少女」で女子高生・市川美保役を演じる森七菜さん ヘアメイク: 佐藤寛 スタイリスト:小泉美智子

 玉城ティナさん主演で11月15日から公開される映画「地獄少女」(白石晃士監督)に出演する女優の森七菜さん。映画は「いっぺん、死んでみる?」のせりふとともに相手を地獄へ流す謎の少女を描いた人気ホラーアニメが原作で、森さんはクラスメートになじみ切れない引っ込み思案の女子高生・市川美保役を演じる。美保は邪気のない笑顔と友人思いのけなげな姿勢が印象的な少女だが、劇中では泣きながら「地獄に落としてやる!」と叫ぶ姿も見せ、森さん自身、「役で荒れ狂えてしまうことに自分でも驚きました」と言う。今作をはじめ話題作の公開が続く森さんに、役への思いやブレークの反響などを聞いた。

あなたにオススメ

 ◇叫ぶ演技に「役で荒れ狂えてしまうことに驚いた」

 映画「地獄少女」は、午前0時にだけアクセスできるサイト「地獄通信」に恨みを書き込むと、地獄少女・閻魔あいが現れ、相手を地獄に流してくれるという人気ホラーアニメが原作。2005年にテレビアニメ第1期が放送され、実写ドラマ、舞台化されるなど人気を集めている。映画では、女子高生の市川美保(森さん)が人気アーティスト魔鬼(藤田富さん)のライブで会った南條遥(仁村紗和さん)と一緒にコーラスのオーディションを受ける。オーディションには遥が合格するが、美保は魔鬼が遥をライブで行う「儀式」のいけにえにしようとしていることを知り、うわさのサイトにアクセスする……というストーリー。
 
 普段から、撮影前に特別な準備は行わないタイプという森さん。今作でも、あまり役を決めつけず撮影に臨み、遥との仲を深めていく美保を演じるにつれて「気づいたら熱中していました」と振り返る。特に、遥を演じる仁村さんとの仲が深まるごとに、美保としての気持ちも高まっていった。「撮影を重ねるごとに、仁村さんのこともだんだん知っていって、大好きになって。自分の本当の気持ちと(美保を)重ね合わせることで気持ちを膨らませていった……という感じでした」と森さん。

 劇中では、遥を思う強い気持ちから、遥の命を奪おうとするものへ怒りを燃やし「地獄に落としてやる!」と泣き叫ぶ演技も披露。「人を『好き』という気持ちで、役で荒れ狂えてしまうことに、自分でも驚きました」と森さんは振り返り、「美保が変わっていくけど、自分が変わっていっているのか、美保が変わっていっているのか、分からなかったですね。そこはぼやっとしている感じでした」と演じる美保と同化していたことを明かす。

 主人公・閻魔あいを演じる玉城さんについては、「人間なのか分からないビジュアルがすてきですし、お声もすてき」と森さん。「玉城さんの実写化度が『半端じゃないな』と。(撮影を)ご一緒させていただいたときに『あいちゃんがここにいらっしゃる!』と驚きました(笑い)。原作のアニメを見ていた者として、素直にうれしくて、興奮してしまいました」と玉城版・閻魔あいを絶賛する。

 今回、初めてグリーンバックでの撮影も経験した。「CGとか、ないものをあるようにみせたりする技術を使った撮影は初めてだったので、苦労しました。グリーンバックの前でもがいたり(笑い)」と撮影の苦労ものぞかせる。ホラー映画を撮っている、という感覚はなかったといい、「人間的な怖さの部分の方が多いですし、身近な怖さに直結しているので、面白いなと思いました」と語る。

 ◇映画にドラマにと快進撃 出演作の公開続き心境に変化も

 今作で主要キャストを演じた森さん。今年は1月期に放送された連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」では電脳部の堀部瑠奈役で注目を集め、7月公開の映画「東京喰種 トーキョーグール【S】」(川崎拓也監督、平牧和彦監督)では山本舞香さん演じるトーカの親友、小坂依子役を好演。さらに新海誠監督の劇場版アニメ「天気の子」ではヒロイン・天野陽菜の声を担当。今月公開された映画「最初の晩餐」(常盤司郎監督)では戸田恵梨香さん演じる美也子の小学生時代~高校生時代を演じるなど、快進撃が続く。これまでに撮影や収録してきた作品が相次いで公開となり、今は反響を実感している最中だという。

 「『地獄少女』も少し前に撮った作品ですし、『3年A組』までは、撮る、撮る、撮る……ばかりだったんですが、今年は今まで撮ってきたものがだんだん見てもらえるようになり、それらの作品が誰かの心まで届いている、という実感が湧いてきています。またお芝居が楽しくなりました。『見ました』とか、『この映画(出演作)が人生の中で一番好きな作品』とか(言われ)、誰かの人生の一部まで変えてしまうような作品に携われたんだと思うと、うれしいですね」と喜ぶ。

 出演作の公開が続く中で、心境にも変化があったという。「前は、お芝居が『ただ楽しい』だけだったんですけど、今はそれプラス『これが誰かに届くんだ』と待ちわびる気持ちもあって、最近はそれがモチベーションになっています」

 来年は、1月17日公開の岩井俊二監督最新作「ラストレター」や、俳優の窪田正孝さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」への出演も決まっているなど、今後女優として、さらなる活躍が期待される森さん。これからの挑戦を聞くと、「役に関しては特になくて、なんでもやりたいなと思っています」とさらりと言いつつ、「引っ込み思案な役が多かったので、その逆もやってみたいです」とちらりと願望ものぞかせていた。

写真を見る全 11 枚

映画 最新記事