キネマ旬報ベスト・テン:「火口のふたり」1位に荒井晴彦監督「いいんでしょうか」 和田誠さんの受賞に妻・平野レミも歓喜

「第93回キネマ旬報ベスト・テン」授賞式の様子
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「第93回キネマ旬報ベスト・テン」授賞式の様子

 2019年公開の映画から選出する「第93回キネマ旬報ベスト・テン」の授賞式が2月11日、東京都内で行われた。日本映画ベスト・テン第1位を獲得した「火口のふたり」の荒井晴彦監督は、「低予算で作った映画で、R18の裸の映画が1位でいいんでしょうか」と冗談めかして語り、観客の笑いを誘った。

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 昨年10月に亡くなったイラストレーターの和田誠さんは特別賞を受賞。「映画の素晴らしさや愉(たの)しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめた」のが受賞理由で、授賞式には妻で料理愛好家の平野レミさんが代理で出席した。

 平野さんは「こんなところに場違いなんじゃないか」と焦った様子を見せながら、「良かったね。お父さん、いただきましたよ」と上を見ながら呼びかけ、「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えた。平野さんは和田さんについて「優しい、すべてに優しいの」と話し、「だから寂しくってしょうがない」と思いを語った。

 授賞式には、個人賞を受賞した瀧内公美さん、池松壮亮さん、池脇千鶴さん、成田凌さん、関水渚さん、鈴鹿央士さんらが出席した。 

 ◇個人賞(敬称略)

 日本映画監督賞:白石和彌(「ひとよ」「凪待ち」「麻雀放浪記 2020」)▽日本映画脚本賞:阪本順治(「半世界」)▽外国映画監督賞:トッド・フィリップス(「ジョーカー」)▽主演女優賞:瀧内公美(「火口のふたり」)▽主演男優賞:池松壮亮(「宮本から君へ」)▽助演女優賞:池脇千鶴(「半世界」)▽助演男優賞:成田凌(「愛がなんだ」「さよならくちびる」ほか)▽新人女優賞:関水渚(「町田くんの世界」)▽新人男優賞:鈴鹿央士(「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」)▽読者選出日本映画監督賞:阪本順治(「半世界」)▽読者選出外国映画監督賞:トッド・フィリップス(「ジョーカー」)▽読者賞:ライムスター宇多丸、三沢和子(「2018年の森田芳光」)▽特別賞:和田誠

 ◇2019年第93回キネマ旬報ベスト・テン受賞一覧

 日本映画ベスト・テン第1位:「火口のふたり」(荒井晴彦監督)▽外国映画ベスト・テン第1位:「ジョーカー」(トッド・フィリップス監督)▽文化映画ベスト・テン第1位:「i-新聞記者ドキュメント-」(森達也監督)▽読者選出日本映画ベスト・テン第1位:「半世界」(阪本順治監督)▽読者選出外国映画ベスト・テン第1位:「ジョーカー」(トッド・フィリップス監督)

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