ゲゲゲの鬼太郎:ギャラクシー賞テレビ部門特別賞に沢城みゆき「涙が」 野沢雅子「鬼太郎は不滅」

「ゲゲゲの鬼太郎」テレビアニメ第6期のビジュアル(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
1 / 1
「ゲゲゲの鬼太郎」テレビアニメ第6期のビジュアル(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

 水木しげるさんのマンガが原作のテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」(フジテレビ)第6期が、放送文化の向上に貢献した番組や個人・団体を表彰する「第57回ギャラクシー賞」(放送批評懇談会)のテレビ部門特別賞に選ばれたことを受けて、鬼太郎役の沢城みゆきさん、目玉おやじ役の野沢雅子さん、スタッフがコメントを寄せた。

ウナギノボリ

 沢城さんは「受賞の連絡をいただいた直後は……、そんなことありうる???と、うれしいをはるかに通り越して目が点の状態でしたが、今やっとじんわり、これはすごいことが起きたと涙が出てきたところです。この2年間で大切な仲間になった6期全員の仕事が、このような形で評価されたことが何よりうれしい。放送中、あちこちから『鬼太郎見てるよ』(もしくは『怖くて見れない!』)という可愛くうれしい声をいただけていて、充分ありがたい2年間でしたが、大人のしっかりした音色で『よかったです』と言っていただいたような、背筋の伸びる機会となりました。……すごすぎる! やったー!」とコメント。

 野沢さんは「本当におめでとうございます。数あるアニメーションの中で『ゲゲゲの鬼太郎』は私にとって原点とも言える作品です。全てが鬼太郎に始まったという印象ですから、その最新作が評価されることは大変感慨深いものがあります。そしてなにより、水木先生は素晴らしいの一言に尽きます。アニメーションはその時代の子供たちに喜ばれやすい形で作られることが多い中で、鬼太郎は異なる部分のある作品であったと思います。水木先生の世界の中で始まって、鬼太郎の世界の中でずっと紡がれていって、もう50年以上です。不滅ですよね。私は永遠に続くと思っています。私がいる間に、もう2、3期あるといいかなと。長生きしようと思います」と話している。

 「ゲゲゲの鬼太郎」は、主人公の鬼太郎が、ねずみ男、砂かけばばあら個性的な仲間の妖怪たちとさまざまな事件に立ち向かうマンガ。1968~69年にテレビアニメ第1期が放送され、以後半世紀以上にわたって愛され続けてきた人気作。第6期は2007~09年に放送された第5期以来、約9年ぶりの新作で、2018年4月~2020年3月に放送された。

 ◇シリーズディレクターの小川孝治さんのコメント

 鬼太郎のアニメは人間社会の営みと共に変化していくものであり、今回の第6期も「今」という現代を生きる私たちにとって、いかに妖怪という闇の存在が身近であるかを精査しシナリオ作りに頭を悩ませた記憶がございます。また、日曜の朝に流れるアニメとして時事性をただ追うだけでなく、エンターテイメントとして魅力的なキャラクター性、役者さん方の熱量のあるお芝居、存在感のある美術や撮影処理とさまざま方のお力添えをいただきながら2年間の放映を無事に終えることができました。本当にありがとうございます。

 第6期は裏テーマといいますか、原作・水木しげる大(おお)先生が提唱する「幸福の7カ条」というものも踏襲して作成しております。この第6 期の表現してきた感動的なお話だったり反面教師的な(笑い)登場キャラクターが、混沌(こんとん)とした社会情勢を生きる私たちの幸せや将来につながれば幸いでございます。

 ◇フジテレビ 狩野雄太プロデューサーのコメント。

 この度ギャラクシー賞特別賞をいただき、大変うれしいなと思いました。2年間走り続けてきた「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、新型コロナウイルスの猛威により、鳥取の境港で開催される予定でした「水木しげる生誕祭」も、スタッフ・キャスト全体での打ち上げも、調布市で開催予定でしたファン感謝上映会も延期になってしまいました。水木先生、関係者の皆様や、応援してくださった視聴者の皆様と2年間のお礼をお伝えすることは(今現在は)かないませんでしたが、このような素晴らしい賞をいただけるなんて思っていなかったので、驚きとともに、妖怪たちがきっと届けてくれたんだなと思いました。

 そして狙ってやっているわけではないのですが、なぜか約10年毎の放送で6回目を迎え7回目は10年後かなと思ったら、すぐ再放送させていただいたことも、今を生きる人々に鬼太郎達が何か伝えたかったのかもなあと思いました。今作は「見えないものもおるんじよ」という水木先生の言葉がテーマでしたが、本当におるんだと思います。2年間やってそう思いました。鬼太郎たちを通じて今を生きる人たちの人生が少しでも幸せに豊かになったのならうれしい限りです。この度はありがとうございました。

 ◇東映アニメーション 永富大地プロデューサーのコメント

 歴史あるギャラクシー賞テレビ部門特別賞をアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」が受賞できたことを光栄に思います。またアニメ作品での受賞は初めてのこととお聞きし喜びもひとしおです。この場を借りてお伝えするのもなんなのですがアニメ50周年のメモリアルイヤーである 2018年に第6期となる今作を製作、放送をスタートできたことは宣伝戦略ではなく本当に偶然でした(笑い)。2015年に彼岸に渡られた水木しげる先生と妖怪たちのいたずらの合わせ技だったのでは?と思っています。

 実は「ゲゲゲの鬼太郎」の第1期(1968年放送)はフジテレビさんと東映アニメーション(当時は東映動画)が取り組みをした最初の作品です。そこから数えて50年の節目の年に放送した今作がこの賞を受賞できたことは諸先輩方が鬼太郎という作品のたすきを繋いでくれたおかげだと思っております。50数年の間アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に関わってくださったスタッフ、キャスト、関係各社、そして復活の度に応援してくださるファンの皆様の存在なしにこの受賞はありえませんでした。みなさまに改めて感謝をお伝えしたいと思います。

 第6期のテレビシリーズは終了しましたが皆様が鬼太郎や妖怪のことを忘れないでいてくださればきっとまたゲタの音が聞こえてくるはずです。僕も一ファンとしてその日を心待ちにしています。このお報せが水木しげる先生に届きますように。

 東映アニメーションは、これからも常に新しい技術や映像表現に積極的に取り組むと共に、世界中の皆様に楽しんでいただける作品作りに挑戦してまいります。

アニメ 最新記事