MD松尾のゲームヒットランキング:20年7月は「ゴースト・オブ・ツシマ」 想定を大きく上回るヒットに 8月はFFCCにキャプテン翼

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。

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 2020年の7月の売り上げは、全体的に好調だったという印象です。ハードしかダメかと思っていましたが、7月も去年以上、例年並みという結果でした。去年は例年の8~9割という結果でしたが、去年と比べると今年は140%という好調ぶりでした。単価の高いPS4が動いたのがよかったと分析しています。「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」(PS4・NS、コナミデジタルエンタテインメント)は、同じ野球ゲームとしては、去年の「プロ野球スピリッツ2019」(PS4・Vita、同)に近い数字でしたが、上位タイトルのパワーが今年の売り上げをけん引したということでしょう。ただ、スイッチ版の「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」は欠品してしまったので、もし在庫があったらもっと売れたとは思います。

 ソフト部門の首位に輝いたのはZ指定タイトル「ゴースト・オブ・ツシマ」(PS4、SIE)。想定以上の売り上げで、とても好調でした。似た印象のあった「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」(PS4、XboxOne、フロム・ソフトウェア)あたりの売り上げを想定していましたが、ふたを開けてみると人気シリーズ「DARK SOULS」(同)に匹敵するほどの手応えがありました。「DARK SOULS」は若い人が多かったのですが、「ゴースト・オブ・ツシマ」はZ指定ということもあって、20代から30歳前後がメインの年齢層。「モンスターハンター:ワールド」(カプコン)や「FINAL FANTASY VII REMAKE」(スクウェア・エニックス)をプレーしている現在のPS4のアクティブユーザーがメインになっており、想定以上のロングテールを記録しているのでさらに売り上げを伸ばすとみています。

 2位の「ペーパーマリオ オリガミキング」(NS、任天堂)は、意外に20代男性多く、まだファミリー層が少ない印象。ゲーマー向けの新作ということなのでしょう。子供にはまだリーチしていないようなのでこれからロングテールするかもしれませんね。3位の「あつまれ どうぶつの森」(同)は7月に大型アップデートがあったことで、売り上げが伸びました。

 8月は厳しいとみていますが、スイッチ本体はまだまだ売れるでしょうから、ハード頼りの売り上げでしょうね。「あつまれ どうぶつの森」はエントリーできていないユーザーがいるので、まだまだ売れそうです。注目の新作はいずれも8月27日発売。「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター」(PS4・NS、スクウェア・エニックス)、「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」(PS4・NS、バンダイナムコエンターテインメント)の2タイトルで、どちらも話題を集めそうです。

 ◇2020年7月のゲームソフトランキング(TSUTAYA調べ・限定版含む)

1位 ゴースト・オブ・ツシマ(PS4)
2位 ペーパーマリオ オリガミキング(NS)
3位 あつまれ どうぶつの森(NS)
4位 eBASEBALLパワフルプロ野球2020(NS)
5位 eBASEBALLパワフルプロ野球2020(PS4)
6位 機動戦士ガンダム EXTREME VS.マキシブーストON(PS4)
7位 ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス(PS4)
8位 世界のアソビ大全51(NS)
9位 リングフィット アドベンチャー(NS)
10位 マリオカート8 デラックス(NS)
11位 Splatoon2(NS)
12位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
13位 Minecraft(NS)
14位 The Last of Us Part II(PS4)
15位 ポケットモンスター ソード(NS)
16位 FAIRY TAIL(NS)
17位 The Last of Us Remastered(PS4)
18位 FAIRY TAIL(PS4)
19位 キャサリン・フルボディ for Nintendo Switch(NS)
20位 スーパー マリオパーティ(NS)

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