全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」「アンナチュラル」(共にTBS系)などで知られる野木亜紀子さんが脚本を手がけるオリジナルドラマ「MIU404(ミュウ ヨンマルヨン)」(TBS系、金曜午後10時)。9月4日の放送でいよいよ最終回を迎えることから、視聴者からは、「すでにロス」など惜しむ声が続々と上がっている。「アンナチュラル」でも野木さんとタッグを組んだ新井順子プロデューサーに、野木脚本の魅力を聞いた。
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「MIU404」は、架空の設定の臨時部隊「第4機動捜査隊」を舞台に、24時間というタイムリミットの中で事件解決を目指す1話完結の刑事ドラマ。綾野剛さんと星野源さんのダブル主演作品だ。
綾野さん、星野さん、菅田将暉さんらキャストの熱演など、視聴者の注目を集める話題作。中でも、伊吹を刑事の道に導いてくれた恩人・蒲郡慈生(小日向文世さん)との関係性とその後の展開など、伏線を回収する巧妙な野木脚本について、「気持ちいいくらい伏線回収してくれる」などのコメントが並ぶ。
また、第9話「或る一人の死」、第10話「Not found」のラスト5分の怒濤(どとう)の展開も大いに盛り上がり、「野木さんが書くラスト5分が一番破壊力ある」といったコメントもあった。ほかにも「脚本家、野木亜紀子の視点と才能にほれぼれしている」「セリフ一言一言ぐっと持っていかれる」といった絶賛の声が続々と寄せられた。
そんな野木脚本の魅力について、新井さんは「『時代を生かしてエンタメにするな』って思います。社会性のある事件を取り扱ったときに、そのままやっちゃうといかにもな社会派ドラマになってしまう。でもそれをエンターテインメントにつなげていく。その感じが面白いな」と表現する。
劇中では、あおり運転、トランクルームに住む人、搾取される外国人労働者、フェイクニュース……などが描かれてきた。新井さんが「こんな事件があった」などいろいろなネタを野木さんに提案するといい、「気になったニュース、使えそうなネタを投げて、野木さんがそこからストーリーを膨らませていく。とにかく、いろいろと投げてみるのが大事なのかなと」と明かす。
野木さんについて「切り替えがものすごく早い」と評する新井さん。「(物語の筋である)プロットを書いても、台本があがると全然違う内容になってたりするんですよ(笑い)」と話す。
新井さんが、野木さんの切り替えの早さを示すエピソードとして紹介してくれたのが、野木さんが脚本を手がけた「アンナチュラル」にまつわるものだ。実は、「アンナチュラル」の第5話「死の報復」は、当初の予定では第4話だったのだという。「(野木さんが)4話を書いてて、急に『これは4話じゃないな』って言い始めて。『え、じゃあ4話どうするんですか』と聞いたら、『では、違う話を考えよう』って。みんな3話を撮っているときに、『5話の台本はあるけど、4話がない!』みたいな(笑い)。こうって決めたら、ぱっと変える」と当時のエピソードを明かす。
「当たり前ですけど、こだわりますよね」とも話した新井さん。「だいたい(野木さんの)準備稿って尺が長いんですよ。『○ページになるように書いてください』って言うんですけど、いつも長めに上がってくる。尺を調整するために、大胆に切るという方法もあるんですけど、なるべくシーンを落とさずに尺を短くしようとする。セリフを一行一行毎回見直していらっしゃるのは、本当にすごいなと思います」と野木さんの様子を明かしながら、「あとは、このセリフを切ると、こっちが成立しなくなる、とか完成度の高い台本なので、セリフをカットするのも難しいです」と明かした。
第1話「激突」、第2話「切なる願い」、第3話「分岐点」、第4話「ミリオンダラー・ガール」、第5話「夢の島」、第6話「リフレイン」、第7話「現在地」、第8話「君の笑顔」、第9話「或る一人の死」、第10話「Not found」と続いた物語も、いよいよ最終回を迎える。
最終回「《 》」は、15分拡大スペシャルで放送。同時多発爆破テロのニュース映像はフェイクだとわかり、大混乱は間もなく収束。しかし、トラックにひき逃げされた陣馬(橋本じゅんさん)は、爆破テロの大混乱で救急搬送が遅れ、昏睡(こんすい)状態に。志摩は、フェイクに気づけずに判断を誤った自分を責めていた。九重(岡田健史さん)も陣馬の相棒として一緒に行動できなかったことを悔やみ、桔梗(麻生久美子さん)は班長としての責任を痛感。それぞれが無力感にさいなまれていた。そして伊吹は……。
さらに、依然として久住(菅田さん)の行方はつかめないまま。4機捜はこのまま久住を捕まえられず、バラバラになってしまうのか……というストーリーが展開する。果たして野木脚本はどのように結末を迎えるのか。最後まで楽しみにしたい。
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