劇場版アニメ Fate/stay night[HF]:“映像化不可能”への挑戦 監督の作品愛、投影力 ufotableの映像力でアニメ化 高橋祐馬アソシエイトプロデューサーに聞く

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「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」の第三章「III.spring song」の一場面(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

 人気ゲーム「Fate」シリーズの劇場版アニメ「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」(須藤友徳監督)が、8月15日に公開された第三章「III.spring song」で最終章を迎えた。第一章が公開された2017年10月から約3年で、ついに完結した。第三章は、9月1日時点で観客動員が77万人、興行収入が12億3000万円を突破するなど、前章を上回るペースの異例のヒットを記録。アニメ制作会社「ufotable」が手がけたハイクオリティーな映像が多くのファンを魅了している。[HF]はそもそも、映像化が不可能とも一部のファンの間で言われていた。アニプレックスの高橋祐馬アソシエイトプロデューサーは、映像化への挑戦を「須藤友徳監督の作品愛や投影力、ufotableさんの素晴らしい映像力がかなえてしまいました。私から見ると、これこそが魔法です(笑い)」と語る。高橋アソシエイトプロデューサーに、制作の裏側を聞いた。

 ◇ufotableのすごさ

 「Fate/stay night」は、手にした者の願いをかなえるという聖杯を巡って、衛宮士郎らマスターがサーヴァントと共に戦いを繰り広げる……というストーリー。原作のゲームには三つのルートがあり、[HF]は、間桐桜がヒロインの通称“桜ルート”を全三部作でアニメ化した。

 三つのルートの中でも[HF]は、複雑なストーリー、尺の問題、過激な表現などから映像化が不可能とも言われていた。映像化は、いばらの道であり、挑戦だったはずだ……。

 「非常に長く濃密な原作ゲームを、その魅力を損なうことなく映像化するという、言葉にすれば一行ですが、その山を登るのがどれほど困難かをプレーした人間全てが分かる命題が、最も難しい点です。ですがそれを、須藤友徳監督の作品愛や投影力、ufotableさんの素晴らしい映像力がかなえてしまいました。私から見ると、これこそが魔法です(笑い)」

 劇場版アニメ化に当たって、一番大切にしたのは「映画である」という点だった。

 「一番を決めるのは難しいですが、『映画である』というのは大事なポイントの一つだったのではと思います。没入して見る空間で、全体の流れ、一人一人が何を思い目指し動くのか、結末へとまとまっていく道筋、ラストシーン、その一つ一つが、とても『映画』であったと思います」

 同作を手がけたufotableは「神作画」とも言われるハイクオリティーな映像で、アニメファンを魅了してきた。[HF]もまた、圧倒的な映像で見る人を驚かせ、感動させている。ufotableの魅力とは……。

 「自分たちが登る山の高さを限りなく高く描け、たどり着くどんな景色をファンの方が求めているかを考え抜き、その山を登るさまざまな技術を持ち、登るためのあらゆる努力をいとわず、その意思と思いを全てのスタッフが共有されている、という点です」

 ◇アニメ映画としてある一つの山を登りきった

 第二、三章と続くと、前作よりも観客動員が減るのが一般的だが、[HF]は第三章が、前章を上回るペースの観客動員、興行収入を記録。異例のヒットとなった。

 「スタッフ、キャスト一同、ご覧いただいたすべてのファンの方に本当に深く感謝しています。公開約1カ月経過した時点の第二章同期比で、観客動員、興行収入共に103~105%ほどで推移しており、見ていただいたこと、待っていてくださったこと、楽しんでいただいていること、そのすべてに御礼申し上げます」

 高橋プロデューサーは、多くのファンを魅了している第三章について「[HF]の最終章として素晴らしい作品であるだけでなく、アニメ映画としてある一つの山を登りきった素晴らしい景色が見られる作品だと思います」と自信を見せ、「その上で、一人の男の子と一人の女の子の純朴な物語でもあり、ぜひ、多くの方に楽しんでいただければうれしいです」と語る。

 ぜひ「山を登りきって」見える「素晴らしい景色」を確認してほしい。

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