鬼滅の刃:今さら聞けない基本を解説 鬼、鬼殺隊、全集中の呼吸…

「鬼滅の刃」の一場面(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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「鬼滅の刃」の一場面(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の劇場版「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督)が10月16日に公開される。原作コミックスの累計発行部数が1億部を超えるなど社会現象にもなってはいるが、まだ見たことがない、どんな話なのか?難しいのでは?などという声もある。今さら聞けない「鬼滅の刃」の基本を解説する。

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 ◇敵の鬼とは?

 「鬼滅の刃」は、原作が2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、テレビアニメが2019年4~9月に放送された。舞台は大正時代で、家族を鬼に殺された竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼に変異した妹・禰豆子(ねずこ)を元に戻すために旅立つことになる。炭治郎は、禰豆子を人間に戻すために鬼を狩る組織・鬼殺隊に入る。旅の道中で、鬼殺隊になるための試験・最終選別を共に受けた同期の我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)、嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)と出会い、共に鬼と戦う中で徐々に仲間としての絆を深める。

 そもそも鬼とはどんな存在なのだろうか? 鬼の主食は人間で、身体能力が高く、傷を負ってもたちどころに治る。鬼の強さは、食った人間の数で決まり、血鬼術と呼ばれる特殊な術を使う異能の鬼もいる。太陽の光を浴びさせるか、特別な鋼で作られた刀・日輪刀で首を切り落とさないと殺すことができない。

 多くの鬼は元々は人間であり、人間だった頃に親に殺されそうになった者もいれば、自身の夢をうち砕かれた者もいる。「鬼滅の刃」では、鬼の悲しい過去も描かれる。炭治郎にとって鬼は仇(かたき)ではあるが、倒した鬼が消滅する際には鬼の過去を感じ取り、慈愛を持って最期を見送る。炭治郎の優しさが垣間見られる場面でもある。

 ◇“ラスボス”は?

 なぜ鬼が生まれたのだろうか? 炭治郎たちが倒そうとしている鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)を説明しなければいけない。1000年以上前に一番始めに鬼になった男で、唯一人間を鬼に変える血を持つ。炭治郎の家族を殺し、禰豆子を鬼に変異させた宿敵でもある。炭治郎は、鬼殺隊の任務で訪れた浅草で鬼舞辻無惨に遭遇している。謎が多く、不気味な存在の“ラスボス”だ。

 鬼舞辻直属の精鋭として十二鬼月も登場する。並外れた能力の鬼の中でもさらに強大な力を持つ精鋭で、上弦(じょうげん)と下弦(かげん)のそれぞれ6人ずつで構成され、上弦の壱が最も強く、下弦の陸が最弱となる。

 なお、劇場版で炭治郎たちと戦うことになる魘夢(えんむ)は、下弦の壱を務める。下弦ではあるが、炭治郎がこれまでが戦ったどの鬼よりも強い、過去最強の敵となる。

 ◇個性的な鬼殺隊

 炭治郎たちが所属する鬼殺隊は、いにしえから存在する鬼を狩る組織。政府から正式に認められていないが、数百人が所属する。鬼殺隊に入隊するには、藤襲山(ふじかさねやま)で行われる最終選別で鬼と戦い、生き残らなければいけない。

 鬼殺隊の中には、最も位が高い9人の剣士がいて、“柱”と呼ばれている。炎柱の煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)、音柱の宇髄天元(うずい・てんげん)、恋柱の甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)、岩柱の悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)、霞柱の時透無一郎(ときとう・むいちろう)、蛇柱の伊黒小芭内(いぐろ・おばない)、水柱の冨岡義勇、蟲柱の胡蝶しのぶ、風柱の不死川実弥(しなずがわ・さねみ)の9人。個性的なキャラクターばかりで、“推し”が見つかるかもしれない。劇場版は、煉獄の活躍が描かれることになる。

 鬼殺隊は、“全集中の呼吸”という呼吸法で戦う。いわゆる必殺技のようなものだ。全集中の呼吸によって、体中の血の巡りと心臓の鼓動が早くなり、体温が上昇し、人間のまま鬼のように強くなれる。呼吸には、炭治郎や冨岡義勇が使う水の呼吸、善逸が使う雷の呼吸、伊之助が使う獣(けだもの)の呼吸などさまざまな種類があり、使う呼吸によって繰り出す技も異なる。全集中の呼吸による派手なバトルシーンも「鬼滅の刃」の魅力の一つになっている。

 劇場版は、テレビアニメ最終話からつながる物語で、炭治郎、煉獄ら鬼殺隊が短期間で40人以上の行方不明者を出しているという無限列車の捜索に向かい、魘夢との戦いに挑む。炭治郎にとって初めて柱と共に臨む任務である。前述のように、魘夢は炭治郎にとって過去最強の敵となる。手に汗握るアクションが期待できそうだ。

 ※ 煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

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