オータム・ネーションズカップ:決勝は「イングランド対フランス」 松田力也選手が優勝予想 ワールドカップ仏大会への意気込みも

松田力也選手=WOWOW提供
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松田力也選手=WOWOW提供

 イングランド、フランス、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリア、ジョージア、フィジーが出場したラグビー8カ国対抗戦「オータム・ネーションズカップ」の最終節が12月5日から行われる。WOWOWでは同大会全試合を独占放送している。前節「ウェールズ対イングランド」の試合を伝える番組に出演した、日本代表のスタンドオフ(SO)で「パナソニック ワイルドナイツ」に所属する松田力也選手が大会の感想、優勝予想、ラグビーワールドカップ2023フランス大会への意気込みなどを語った。

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 最終節はグループAとグループBの同順位のチームが順位決定戦で対戦。グループA1位はイングランド、2位はアイルランド、3位はウェールズ、4位はジョージア。グループB1位はフランス、2位はスコットランド、3位はイタリア、4位はフィジーという結果になっている。

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 --ウェールズ対イングランドの感想をお願いします。

 テストマッチの解説は初めてでしたので、今はほっとしています(笑い)。なかなか経験できないことですし、今回すごくいい機会をいただけました。普段の試合やミーティングでも相手が理解しやすいように言葉で伝えていますので、今回の解説にも多少は生かせたのかなと思います。

 --放送終盤で「試合がしたくなった」と話していましたね。


 本来であれば日本代表がオータム・ネーションズカップのピッチに立って試合ができていたかもしれないので、現状と照らし合わせて考えると「いい機会だったのに残念だ」という思いは正直あります。ただ、参戦できなかった一方で体の準備はしっかりできているので、その時間が取れたことは良かったと思っています。

 --今回のウェールズ対イングランドで特に印象に残った選手をお願いします。

 放送ではイングランドのマコ・ヴニポラ選手をTIP(Today’s Impact Player)に挙げましたが、自分のポジション柄、普段からゲームメークの面を見て学んでいますので、やはりイングランドのジョージ・フォード選手とオーウェン・ファレル選手をよく見ていました。彼らがいたからこその勝利だったと思います。

 --同い年でイングランドのマロ・イトジェ選手にも以前から注目されていたそうですね。

 同じ世代の選手が頑張っているのを見ると、自分ももっとやらないといけないと思いますし、本当にいい刺激をもらえています。彼はこの試合でもすごく運動量が多く、要所要所でいいプレーをしていたので、改めていい選手だなと感じました。

 --イングランドとは2018年に対戦しています。当時の思い出はありますか?

 対戦した当時、イングランドは日本代表をあまり対等に見ていない雰囲気がありました。しかし前半いい勝負をしたことで(15-10で日本代表がリード)、後半は一気に本気モードで来ました(15-35で敗戦)。僕が出てからトライを取られましたし、この試合はリザーブだったファレル選手にタックルされターンオーバーされてしまったこともよく覚えています。次の対戦からは日本を対等に見てくれるといいですし、日本もそういう位置まで来ていると思いますので、いつかリベンジできる時が来ればいいなと思っています。

 --ヨーロッパで特に注目しているSOは誰でしょうか?

 アイルランドのSOジョナサン・セクストン選手です。全てのプレーが堅実で、今どのプレーが最適かということを常に正確に判断し選択しているプレーヤーだと思います。チームに必要とされている信頼感のある存在なので、自分もそうなりたいと考えています。昨年のワールドカップで直接対決できれば肌で感じることもあったと思いますので、ぜひ対戦したかったですね。

 --フランスの若き司令塔、SOロマン・ヌタマック選手についてはいかがでしょうか?

 自分とはタイプの違うSOです。彼のような一瞬のひらめきのような判断やプレー選択は、僕は正直あまりできません。同じパナソニックのSO山沢拓也はヌタマック選手のように裏にキックを蹴って一人で走るなど、似ている部分がありますね。

 --昨年のワールドカップではアイルランド、スコットランドと対戦しました。改めてそれぞれの印象をお願いします。

 アイルランドはどの選手も意識、精度ともに高いチームです。スコットランドもそれに近く、かつスクラムハーフ(SH)、SO、フルバック(FB)の縦のラインが自由に動いているイメージですね。そしてどちらのチームにも共通しているのはFW、セットプレーに重きを置いているという点だと思います。

 --フランスについてはどのような印象を持っていますか?

 若い選手が引っ張っていて、今すごく勢いがあるチームだと思います。経験を積んでいけば対戦相手にとってさらに脅威になってくると思います。日本代表も若い世代がチームを引っ張っていけるようにならなければと考えていますので、フランスからは非常にいい刺激をもらっていますね。

 --松田選手自身も日本代表を引っ張っていきたいと考えているわけですね。

 はい。やはりそうなっていかないとチームの底上げにつながらないですし、みんなで刺激し合えるようになっていくことが大事だと考えています。

 --大詰めを迎えたオータム・ネーションズカップの優勝予想をお願いします。

 今回の試合を見る限り、もっと精度高くプレーすることができればイングランドが勝つのではないでしょうか。ただ、個人的には若い世代が頑張っているフランスに勝ってほしいと思っています。フランスが勝てばさらに自分にプレッシャーがかかって、モチベーションが上がると思いますので、期待しています。

 --ワールドカップから早くも1年以上がたちました。今振り返って、どのような大会だったと思いますか?

 自分にとって非常に大きな財産になった大会でした。チームにとっても国にとってもいい結果になりましたが、僕個人としてはうれしさと悔しさが半々の大会になりましたので、その悔しさを2023年のワールドカップにつなげたいと思っています。

 --その「悔しさ」とは10番、正SOとして出場できなかったことでしょうか?

 そうですね。やはり10番、チームの中心として日本代表を勝たせたいという思いを強く持っています。

 --2023年のラグビーワールドカップフランス大会については、今どのように見据えていますか?

 時間があるようで、あっという間に大会がやってくると思うので、一試合一試合、一日一日を大切にしていきたいと思います。成長に近道はありませんので、階段を1段ずつ上がっていくだけだと考えています。

 --2023年に日本代表の10番を背負うために必要なことは何でしょうか?

 もっとゲームを理解して、ゲームをコントロールするだけの力を付けるために経験を積んでいきたいという思いを強く持っています。そのためにも、新年1月開幕のトップリーグでいいパフォーマンスをし続けたいと思っています。

 *…WOWOWでは、オータム・ネーションズカップ全試合をWOWOWライブで放送。12月5日午後8時45分から7位決定戦「ジョージア対フィジー」、同11時から3位決定戦「アイルランド対スコットランド」、同日深夜1時半から「ウェールズ対イタリア」、6日深夜0時5分から優勝決定戦「イングランド対フランス」を放送する。

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