ワールドトリガー:村中知、梶裕貴 4年半ぶりテレビアニメへの思い キャスト、スタッフ一丸で

「ワールドトリガー」に出演する村中知さん(左)と梶裕貴さん(C)葦原大介/集英社・テレビ朝日・東映アニメーション
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「ワールドトリガー」に出演する村中知さん(左)と梶裕貴さん(C)葦原大介/集英社・テレビ朝日・東映アニメーション

 葦原大介さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「ワールドトリガー」の第2シーズンが2021年1月9日にスタートする。「ワールドトリガー」は、テレビアニメ第1シーズンが2014年10月~2016年4月に放送。第2シーズンは約4年半ぶりの新作アニメとなる。まさに待望となった第2期の放送を前に、空閑遊真役の村中知さん、三雲修役の梶裕貴さんに第1シーズンを振り返ってもらいつつ、「一丸となって作っています」という第2シーズンについて聞いた。

ウナギノボリ

 ◇「ワールドトリガー」は社会の縮図 さまざまな魅力

 --待望の第2シーズンです。制作が発表された際の率直な感想を教えてください。

 村中さん 第1シーズンの時から、みんなで「第2シーズンをやりたいね!」と話をしていました。4年半の時をへて、第2シーズンができることで、夢が一つかないました。第1シーズンは、すごく尊敬する先輩がたくさんいた現場でしたので、また一緒にできるうれしさもありました。コロナ禍でキャストが集まれないのですが。

 梶さん 第1シーズンの頃から、キャスト、スタッフ共にワートリ熱が非常に高く、同時に、作品ファンの皆さんの愛情も強く感じていました。なので、ようやく第2シーズンをお届けできるタイミングがきて、とてもうれしいです。

 --2019年12月に第2シーズンの制作が発表されると、SNSでファンの歓喜の声があふれました。

 村中さん ありがたいですね。ファンの方にも第2期の発表があるんじゃないか?と疑心暗鬼だったようで、どうだろ?どうだろう!?と爆発寸前のところで、第2期が発表され、それがはじけたように感じました。

 梶さん 第1シーズン終了後も定期的にイベントなどの機会をご用意してくださり、スタッフの方の作品にかける情熱と愛情の大きさを感じていました。そういった場所がなければ、自分たちの思いを伝えることもできないので、本当にありがたかったですね。

 ー-「ワールドトリガー」の一番の魅力は? 

 梶さん 登場人物がこれだけの数がいるにもかかわらず、ボーダー、ネイバーそれぞれのキャラクターに、しっかりと過去、人間関係、家庭環境が描かれている。一人一人が、ちゃんと命を持った“個”として存在しているんです。それがすてきですよね。だからこそ、戦闘シーンも臨場感を持って浮かび上がってくる。それぞれの性格や人格を大切にした上で、強さ、弱さを描き、それを補い合う“チーム”というものを魅力的に見せてくれる。まさに、社会の縮図なんですよね。フィクションとしてももちろん面白いですけれど、僕はそういうリアリティーが好きなんです。

 村中さん まさしくそうですね。一つは難しいですね……。ズルい言い方かもしれないけど、総合点が高い! BBF(BORDER BRIEFING FILE)の戦闘力のパラメーターを見ていて思うのですが、データ好きに刺さる! おいっ子が「ワールドトリガー」を見始めて、データをすごく覚えているんです。「修が使うトリガーって知っている?」と聞かれたり(笑い)。

 梶さん すごい!(笑い) でもそれって、細部にまで緻密にデータが準備されているからこそだよね。

 村中 そうなんです。それにキャラ一人一人に長所、欠点があり、人間ドラマの面白さもあります。バトルシーンでは、第2期で今までにないトリガーの使い方をするシーンもあるのですが、そういう発想にも驚かされます。まだ、明かされていないこともいっぱいあります。一つのことが明かされると、じゃあ、あれはどうなんだろう?と気になって、読み返したり。本当にいろいろな魅力があって、総合点がすごく高いんです。

 ◇毎週ドキドキだったアフレコ

 --「ワールドトリガー」ならではの演技の難しさはありますか?

 梶さん この作品は、キャストの人数がとても多い現場。今はコロナ禍による影響で少し形が変わってしまいましたが……。第1シーズンの時は、それこそ大所帯。大先輩方がいらっしゃって、もちろん後輩たちもいて、まるで大きな劇団のようでした。なので、そのぶん緊張感もすごかったんです。修は、アバンでのナレーションや次回予告もあって、そんな大勢の中、注目されつつ一人でしゃべるのが、とても難しかったですね。実は毎週、すごくドキドキしていました。

 村中さん そうだったんですね!

 梶さん ポジション的にもキャリア的にも“中間管理職感”を感じていたので(笑い)。自分で自分を「しっかりしろ!」と追い込んでいたんです。第2シーズンではコロナ禍の影響で、最小人数でアフレコせざるを得ないので……。どうしても寂しさはありますね。いつかまた元のスタイルでアフレコができるようになった時、僕もより成長できていればと思っています。

 村中さん 戦闘にアドリブを入れないんです。遊真は、軽やかに戦うんですね。原作で、影浦(雅人)先輩が遊真に対して「攻撃の感情を感じない……」という印象を受けるシーンもありますが、遊真は殺意を消しつつ、慣れている感じで戦います。そこが難しいところです。

 --第2シーズンのアフレコの様子を教えてください。

 梶さん 感染リスクを考え、最少人数での収録が続いておりますが、音響スタッフさんのご配慮により、極力、掛け合っているキャラクター同士でアフレコをさせていただけております。とはいえ、声優界のレジェンドの皆様がたくさん出演されている作品ですし、そこにぜひご一緒したいなという気持ちはありますね。

 村中さん 少人数で収録しているので、同じチームのキャラクターとは掛け合えるのですが、上層部の方とはご一緒できないんですね。第1期ですごい緊張感の中、耳をかっぽじって、先輩方の演技を聞いていたので、何とかその時の蓄積で、先輩方の声を脳内再生しています。第1期から積み重ねたものが多少、私の力になって、第2期に臨めているのかもしれません。スタッフの皆さんへの信頼があり、一緒に作っている感が大きいと思います。一丸となって作っています。

 --第2シーズンの見どころを教えてください。

 村中さん 第1期は、朝の放送だったので、刺激的すぎない表現もありましたが、深夜帯の放送になることで、原作にさらに寄せて「ワールドトリガー」の世界観をリアルに表現しています。トリオンの表現も変わっていたり。一視聴者としても楽しみです。第1期は、遊真の成長が多く描かれていましたが、第2期は、修や千佳もそれぞれのやり方で成長していきます。二人の成長も見ていただきたいです。キャラクターが増えて、それぞれの価値観で作戦を練り、それぞれに思いがあって、戦います。いろいろな名言も生まれます。人間関係の面白さも見どころの一つだと思います

 梶さん 第1シーズンでは、世界観の説明、メインキャラクターたちが抱えている思いを、時間をかけて丁寧に描いてきました。第2シーズンでは、ボーダーとネイバー、それぞれの登場人物たちも出そろいはじめ、人間ドラマとしてさらに広がりを見せていきます。バトルやアクションも魅力の本作ですが、なにより心のやりとりがすごくすてきなんです。少しずつ伏線が回収され、と思えば、また伏線が張られと……。毎週、夢中になってご覧いただけると思います!


 --修の成長も見どころになる?

 梶さん どちらかと言うと控えめで、存在感の薄い印象のある修かもしれませんが……。実は、かなり芯がしっかりしている人です。むしろ、我が強い方かもしれないし、図太いとも言えるかもしれません。でも、知らず知らずのうちに、それを抑え、周囲と合わせることが正義なんだ……と思っているところもあるのかも。空閑と出会ったり、千佳の新たな一面を知ったり、さまざまなキャラクターたちと関わる中で、自分の存在意義を見出そうと必死に考え、葛藤し、だんだんと強くなっていきます。彼の本当の意味での“ボーダーの一員”としてのドラマは、ここから始まっていくのかもしれません。「部隊のために自分に何ができるのか」。それを考え、アクションを起こしていく修の応援を、どうぞよろしくお願いいたします!

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