乃木坂46:白石麻衣ら“創業”メンバーの卒業 ネクストジェネレーション4期生の台頭 2020年を振り返る

アイドルグループ「乃木坂46」
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アイドルグループ「乃木坂46」

 大みそかに放送される「第71回NHK紅白歌合戦」で6年連続出場を果たし、齋藤飛鳥さんが9社、白石麻衣さんが8社のCMに出演(エム・データ調べ)するなど、今年も日本の女性アイドル界のトップを走った人気グループ「乃木坂46」。一方で、その白石さんや、井上小百合さん、中田花奈さん、佐々木琴子さんと長くグループを支えてきたメンバーの卒業や、人気メンバーの堀未央奈さんの卒業発表や、新型コロナウイルス感染拡大の影響で思うような活動ができないこともあった1年でもあった。今、改めて、乃木坂46の2020年を振り返ってみたい。

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 ◇“絶対的エース”白石麻衣の卒業、コロナ禍、「Route 246」

 2020年は、新年早々に乃木坂46の大きなニュースが世間の関心を集めた。1月7日に発表された白石さんの卒業だ。2011年8月に1期生としてグループに加入してから、約9年間にわたって“絶対的エース”としてグループをけん引してきた白石さん。世間一般の知名度もさることながら、女優やモデルとしても活躍している白石さんの卒業は、大きな話題となった。

 まだグループの知名度が高くはなかった創設期から、長くグループの顔として活躍してきた白石さんの卒業ライブは当初、5月5~7日に東京ドーム(東京都文京区)で盛大に行われる予定だったが、世界的な流行となった新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期に。コロナの余波は、白石さんの卒業ライブだけでなく、3月7日に国立代々木競技場 第一体育館(東京都渋谷区)で開催を予定していた2期生による初の単独ライブにも及び、中止になってしまった。

 しかし、“ウイズコロナ”の新たなエンタメの形をいち早く取り入れた同グループは、2期生ライブを元々の予定日であった3月7日に動画配信サービス「SHOWROOM」での配信形式で開催し、総視聴者数約40万人を記録した。コロナの影響で握手会などファンと直接交流できる場も失われていったが、5月には外出自粛を続ける人へのエール、新型コロナウイルスと戦っている医療従事者への感謝の気持ちを歌った新曲「世界中の隣人よ」を発表。同曲は、生駒里奈さんや桜井玲香さん、西野七瀬さんら卒業メンバーも参加したことも話題になり、暗いニュースが続く中で、ファンにとってうれしい出来事となった。

 6月には、46時間特番「乃木坂46時間TV アベマ独占放送『はなれてたって、ぼくらはいっしょ!』」をABEMAで配信。2016年にスタートし今年4回目となった同番組は、3日間で合計視聴者数3000万人を突破し、グループの人気ぶりを改めて印象づけた。7月には、小室哲哉さんが作曲、編曲を手掛けた配信限定シングル「Route 246(ルート・ツー・フォーティシックス)」が発表。同曲は、下半期の数々の音楽特番や、大みそかの紅白でも披露が予定されるなど、グループの今年を代表する楽曲となった。

 ◇「I see…」「ノギザカスキッツ」… 4期生が台頭

 乃木坂46の今年を代表する楽曲といえば、「I see…」もその筆頭に上がるだろう。同曲は、25枚目のシングルとして3月に発売された「しあわせの保護色」のカップリング曲で、2018年に加入した4期生の11人が歌唱した。3月にミュージックビデオが乃木坂46の公式YouTubeチャンネルで公開されると、曲や4期生の明るくパフォーマンスする姿がまたたく間に話題となり、公開から約3カ月で再生回数は1000万回に到達。8月にはTBSの音楽番組「CDTVライブ!ライブ! 夏フェス4時間スペシャル」で披露されるなど、カップリング曲ながら“異例”ともいえる、ゴールデン帯の音楽番組出演も果たした。

 「I see…」のヒットだけにとどまらず、今年は4期生の活躍が目立った1年だった。3~4月に映像配信サービス「dTV」で独占配信された西加奈子さんの短編小説が原作のドラマ「サムのこと」と「猿に会う」には、4期生が総出演。さらに、4期生がお笑いコンビ「さらば青春の光」と共にコントに挑戦するバラエティー番組「ノギザカスキッツ」(日本テレビ)が6月にスタート。深夜番組ながら、個性あふれるメンバーが寸劇タイプの本格的なコントに挑戦していることで人気となり、11月には3期生も加わり「ノギザカスキッツ ACT2」にパワーアップした。

 4期生には今年、新たな仲間も加わった。同じオーディションを受けながらも、その後「坂道研修生」として活動していた黒見明香さん、佐藤璃果さん、林瑠奈さん、松尾美佑さん、弓木奈於さんの5人が、追加の4期生メンバー“新4期生”として2月に加入。“新4期生”の5人は「ノギザカスキッツ ACT2」などテレビ番組でも徐々に頭角を現している。

 さらに4期生から、4月発売の「Ray(レイ)」(主婦の友社)6月号で同誌の専属モデルに就任した金川紗耶さん、5月発売の女性ファッション誌「non-no(ノンノ)」(集英社)7・8月合併号で、同誌の専属モデルに就任した遠藤さくらさんと、専属モデルを2人輩出。堀さんの後を継ぐ形で4月からラジオ番組「レコメン!」(文化放送)の水曜パーソナリティーを務める田村真佑さんや、グループを卒業した中田さんの後任という形で、11月からお笑いコンビ「アルコ&ピース」がパーソナリティーのラジオ番組「沈黙の金曜日」(FM FUJI)のアシスタントMCに就任した弓木さんと、個々の仕事も充実してきた。

 そして、12月6日には“新4期生”5人を加えた4期生16人による初の単独ライブ「四期生ライブ2020」を配信。視聴者数約18万人を記録し、その勢いを感じさせた。

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 2021年のスタートを切る1月27日発売の26枚目シングルには、カップリング曲として4期生の新曲「Out of the blue」が収録。そして表題曲「僕は僕を好きになる」には、遠藤さん、田村さん、清宮レイさん、筒井あやめさん、賀喜遥香さんと選抜メンバー19人に5人の4期生が入ったほか、センターを務める山下美月さんに、山下さんの両隣のフロントメンバーの梅澤美波さん、久保史緒里さんと3期生も目立ち、グループの新時代を感じさせる作品となる。

 数々のドラマ、バラエティーで活躍する1~3期生の先輩メンバーに、徐々にメディアへの露出も増えてきた4期生の次世代メンバーたち。2021年も日本のエンタメシーンをけん引するであろうグループの活躍に目が離せない。

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