逢田梨香子:髪も切って心機一転 「フィクション」の挑戦

2枚目のEP「フィクション」を2月24日に発売する逢田梨香子さん
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2枚目のEP「フィクション」を2月24日に発売する逢田梨香子さん

 人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の桜内梨子役などで活躍する声優の逢田梨香子さんの2枚目となるEP「フィクション」が2月24日に発売される。逢田さんは、昨年3月発売のアルバム「Curtain raise」、配信限定曲「ブルーアワー」に続き、作詞に挑戦。「これまでの逢田梨香子像を変えたくて、髪も切って、心機一転」と思いを込めたという同作について聞いた。 

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 ◇あえて統一感をださずに

 「フィクション」は、逢田さんがリコ役として出演するテレビアニメ「装甲娘戦機」のオープニングテーマ「Dream hopper」のほか、「フィクション」「退屈が大好き」「花筵」の全4曲が収録される。表現力豊かな逢田さんらしく、どの楽曲も世界観が異なる。

 「最初に『Dream hopper』ができて、この曲を軸にコンセプトを考えていました。『Dream hopper』は、個性が強いですし、この曲だけが目立つのではなく、全部の曲で遊んでみては?というアイデアが生まれたんです。『Dream hopper』が、あったからこそ生まれたアイデアです。4曲とも違う世界観で、一つ一つにストーリーがあります。あえて統一感をださずに“フィクション”というコンセプトにしたんです」

 ジャケットもインパクト大だ。真っ赤な衣装に身を包んだ逢田さんが美しい。

 「これまではナチュラルなイメージのビジュアルが多かったのですが、フィクション、現実ではない感じをだしたくて、作り込んだ世界観、はっきりした赤をテーマにしました。今までになかった強気なデザインで、気に入っています。普段は赤はあまり着ないんですけど(笑い)。これまでの逢田梨香子像を変えたくて、髪も切って、心機一転という気持ちもありました」

 ◇作詞もこれまでない挑戦

 「フィクション」「花筵」では作詞に挑戦した。「フィクション」は「騙(だま)し合い」「欺く」などの歌詞が目を引く。ミステリアスな楽曲に仕上がった。

 「これまで作詞をしてきた楽曲は、自分の心情を歌っていましたが、『フィクション』は、自分ではない別の人格のストーリーを考えながら、書きました。『Curtain raise』や(初のEPの)『Principal』は、舞台をイメージしたタイトルでしたし、今度は幕が開いて、演技が始まり、ステージで翻弄(ほんろう)されている主人公を想像しました。曲調はポップだけど、ダークさもあります。舞台に立っている自分が、本当の自分か別の誰かなのかが分からなくなる。抜け出せず、ずっと夜が明けず……。そんなダークなステージを想像しながら歌詞を書きました」

 同じく歌詞を手がけた「花筵」は「あなた」「私」という言葉が印象的だ。恋愛を歌っているようにも感じるが「恋愛というわけではないんです」と話す。

 「どんどん盛り上がり、余韻が残って、もう一回最初からEPを聴きたい!となるような、映画のエンドロールで流れるような曲にしたかったんです。タイトルを先に決めていて、和、桜の花が散るようなイメージがありました。これまで作詞した歌詞にはなかった“あなた”“私”という同じストーリーに生きる登場人物もいます。恋愛の歌のようですが、誰かに対する愛情はいろいろな形がありますし、恋愛というわけではないんです。幼少期の祖母と遊んだ風景を思い出しながら書きました。いつか終わりがくるけど、また出会えるかもしれない。一人の人間が子供から大人に成長する。そんな思いを込めました」

 ◇コロナ禍で感じたファンへの思い

 逢田さんにとって作詞は挑戦で「毎回毎回、壁にぶち当たる」という。一方で「楽しいですし、出来上がった時の喜びが大きい」とも話す。

 「できるのであれば、ずっと作詞を続けたいです。こういう言葉が自分から生まれるんだ!と違う自分を見つけられる喜びもあります。ただ、追い込まれないとなかなかできないんですよね(笑い)。『フィクション』は、締め切りの日の朝3~4時に書き上げました。年末にオンラインライブもあって、ライブと歌詞のことを同時には考えられなかったり、ライブが終わると、今度は気が抜けてしまい……。最初は、気持ちを優先しすぎて、書いてみたものの自分で歌えなかったり。ちょっと慣れてきて、歌いやすさを考えるようになりつつありますが」

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年4月に開催予定だったらライブツアーが延期となり、12月に東京、名古屋で開催された。今年2月に開催予定だった大阪公演も3月に延期された。コロナ禍で「ステージに立つことの大切さ」を改めて感じている。

 「ファンの方の気持ちを考えるとつらいのですが、乗り越えて、楽しい時間を過ごせるようになれば……という思いがあります。昨年12月のライブで改めて感じたのですが、やっぱり直接、ファンの方の顔を見ると違うんですね。一人でステージに立つまでは、正直に言うとすごく怖かったのですが、立ってみると、楽しくて、一人でもできるんだ!という気持ちになりました。ハードルを上げて、いろいろ挑戦していきたいです」

 逢田さんの挑戦は続く。これからもまた新たな“逢田梨香子像”を見せてくれそうだ。

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