キートン山田:「ちびまる子ちゃん」3月28日卒業 31年間ナレーション さくらももこさんへの思い 最後にサプライズも

3月28日放送の「ちびまる子ちゃん」のナレーションを卒業するキートン山田さん(C)さくらプロダクション/日本アニメーション
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3月28日放送の「ちびまる子ちゃん」のナレーションを卒業するキートン山田さん(C)さくらプロダクション/日本アニメーション

 人気アニメ「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系、午後6時)のナレーションを務めるキートン山田さんが、3月28日の放送で同番組を卒業する。キートンさんは1990年1月7日の番組放送開始から約31年にわたってナレーションを務めてきた。最後の出演となる3月28日は、桜にまつわるエピソード「『ある春の一日』の巻」が放送され、キートンさんを送り出すサプライズも用意されているという。

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 最後の出演を控え、キートンさんがコメントを寄せた。「『ある春の一日』の巻」では、キートンさんが普段のナレーションとは違った形で登場するといい、「元々ナレーションよりせりふが好きなんですが、ナレーション以外のせりふだったので、たった二言でしたが、難しかったです。でもナレーションでは出せない感情が出せて、役者に戻ったようでうれしかったです」と話している。

 約31年間で一番の思い出として「(原作者の)さくら(ももこ)さんが亡くなったことだね」と話し、「実はさくらさんが亡くなった時には、僕は心の中で、“75歳になったら『ちびまる子ちゃん』を卒業させてもらう”って決めていたんですが、まださくらさんに言える段階ではなくて。できれば今日、この時にさくらさんに言いたかったな。それが一番残念なことかな。実はさくらさんのお別れ会で、さくらさんの生い立ちをナレーションで語ったんです。(まる子役の)TARAKOさんと二人で。でも感謝するにはすでに遅く、一言ありがとうと言いたかった」と思いを明かした。

 「ちびまる子ちゃん」で演じてみたかったキャラクターを聞かれ、「ほとんど小学生の役だから、ないですが、変なおじさんとかやりたいよね、そういうの好きだから」と話し、「ナレーションって声とか抑揚とか幅が狭くて、自分の間を作りづらい。尺にぴたっと入れなければいけないし、自分を捨てないとできないし、“思い”とかを入れづらいので苦手意識がずっとありました。だから、なんとかしようという思いで満足できなかったことが長く続けられた秘訣(ひけつ)かな」と語った。

 キートンさん卒業後の新たなナレーション担当者に対しては「どなたか分かりませんが、その人の世界で良いと思う。その方がぼくも楽かな。潔く別の方だと分かるようにやってくれたら良いなと思いますね。“かわりましたよ!”っていう方が良いとぼくは思う。これからは『ちびまる子ちゃん』をお客さんとして見続けていきます」と話している。

 キートンさんは「『ちびまる子ちゃん』は同じ番組を31年間続ける上で、大勢のスタッフと関わってきたので、その皆さん方に感謝したい。こんな長寿番組に出会うのは一生に一度あるかないかですよね。たくさんあるナレーションのお仕事の中で一番気を遣うのはこの『ちびまる子ちゃん』なんです。せりふの分量は少ないけど、勢いでできないから、体調とかも含めて一番気を使う。この年までやってこられたことに、スタッフのみなさんに感謝です」と思いを語った。

 ◇「ちびまる子ちゃん」制作スタッフ一同のコメント

 31年間、1445回もの間、おかしみがあり温かみのあるお声で、いつもまる子たちを、そして番組を支えてくださり本当にありがとうございました! キートンさんには感謝しかありません。本当にお疲れ様でした! ご卒業されるこの“ある春の一日”をキートンさんにささげます。いつも応援してくださる視聴者の皆様、この特別な30分をどうぞ最後の最後までお見逃しなく!

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