ゴジラ:アニメ「ゴジラ S.P」の挑戦 「見たことがないものに」 ジェットジャガー登場の秘話も

「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」の一場面(C)2020 TOHO CO., LTD.
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「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」の一場面(C)2020 TOHO CO., LTD.

 怪獣映画「ゴジラ」の完全新作のテレビアニメシリーズ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」が4月1日からTOKYO MX、BS11ほかで放送される。「ゴジラ」は、海外制作のテレビアニメシリーズや日本制作の劇場版アニメはあったが、日本制作のテレビアニメシリーズは初めて。「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」などの高橋敦史さんが監督を務め、芥川賞作家の円城塔さんがシリーズ構成、脚本を担当するなど豪華スタッフが集結した。謎多きストーリー、懐かしのジェットジャガーの登場など放送前から大きな話題を呼んでいるが、“新しい”アニメ「ゴジラ」は一体どんな作品になっているのだろうか? 高橋監督に聞いた。

 ◇ゴジラは振り幅がある

 「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」は、女性研究者の神野銘、男性技術者の有川ユンが人類に訪れる未曽有の脅威に対して、周囲の人間たちと共に挑む。手描きアニメとCGのハイブリッドで、「僕のヒーローアカデミア」などのボンズ、「宝石の国」などのオレンジが制作する。Netflixでも配信中。

 「ゴジラ」は第1作が1954年に公開された超人気シリーズだ。制作にあたり、制約も多そうではあるが、高橋監督がオファーがあった際、「自由な発想で制作してほしい」と伝えられたという。

 「最初、ゴジラであれば何をやってもいいくらいの話だったんです。逆にそれが難しい。卵料理だったら何でもいいと言われても困りますからね。フレンチなのか和風なのかくらいの方向性が分からないと難しい。本当にいいんですか?と話をしてました」

 自由な発想と言っても方向性を決めなければいけない。高橋監督は、これまでの作品を復習しながら、「ゴジラ」を見つめ直した。

 「自分の中に『これこそ、ゴジラだ!』というものもあったわけではなかったんです。一通り見直したのですが、やっぱりバリエーションがすごくあるんですね。一貫性のあるキャラクターというわけではなく、振り幅がある。デザインも結構変わっています。それでもゴジラという概念が存在している。だから、何をやってもいいかな?と。ただ、本当に何をやってもいいわけではなく、ゴジラという概念がある。そこが難しい。平均を取ったからといって面白くなるわけではないですし」

 ◇しっかりしたSF考証、仕掛けを

 「ゴジラS.P」は円城さんが参加したことも話題になっている。円城さんがアニメに参加するのは初めてではなく、2014年放送の「スペース☆ダンディ」の脚本を手がけたこともある。円城さんの参加を提案したのは、高橋監督だった。

 「円城さんなら面白いものになりそうですし、どういう卵料理にするかを決めてくれるかな?とお願いしました。『スペース☆ダンディ』で絵コンテを担当したことがあり、そのエピソードの脚本が円城さんだったんです。ものすごく面白かった。やっぱり違いますね……と。その時の成功体験が大きかった。フワッとしたものではなく、しっかりしたSF考証、仕掛けを作りたかったんです」

 高橋監督は「円城さんにすごく助けられました」と話す。

 「例えば、ゴジラは、あのサイズで体を支えられるのか?と聞くと、その場で質量などを計算して、検証していただける。そういう話し合いをしながら、タイトルにもなっている特異点(シンギュラポイント)なら物理法則を無視できる……などアイデアが生まれました。劇中に出てくる数式も監修していただいています。それっぽくではなく、意味が通じるようにしてもらいました」

 ◇大体のことはやられているが…

 長く続くシリーズならではの難しさもあった。高橋監督は「大体のことはやられている」と感じたという。

 「例えば、ブラックホールを作ってゴジラを倒すという話は?となっても、やられている。今回は、民間の町工場の人たちがゴジラと戦いますが、これまでもテレビ局の人がキングコングを捕まえに行く話があったり、ゴジラ研究をしている人が戦う話もありますからね。SFとして面白いからやってみると『ゴジラ』じゃなくなったり、やっぱり『ゴジラ』になったり……。構成はあるものの、作りながら手探りでしたね。作りながら概念化していくようなところもあったんです」

 アニメのPVが公開されると、ジェットジャガーが登場したことも話題になった。ジェットジャガーは「ゴジラ対メガロ」などにも登場したロボット。放送前に、ソフトビニール製フィギュア(ソフビ)がバンダイから発売されるなど早くも人気を集めている。

 「こんなに話題になるとは思っていませんでした。まだ誰も手を付けていないキャラクターだし、格好いいんじゃないですか?と最初に提案した時も周囲の反応も薄かったですし(笑い)。うっかり間違ってソフビも出たりして?とか言っていたけど、本当に出るとは……」

 試行錯誤した中で「見たことがないものができていると思います」と自信を見せる高橋監督。確かに、先が読めない展開、テレビアニメシリーズならではのワクワク感もある。新しい「ゴジラ」の展開が注目される。

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