3月30日から4月11日までシアタークリエ(東京都千代田区)で上演されるミュージカル「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」にサリー役で出演している女優の林愛夏さん。2018年に解散したアイドルグループ「ベイビーレイズJAPAN」の元メンバーとして知られる林さんは、子役時代に劇団四季の「ライオンキング」に出演した経験を持ち、昨年、同じ劇団四季の「マンマ・ミーア!」のステージに立った。「小さいころからブロードウェーミュージカルに出ることが夢だったので、アイドルを経て、いままた、ミュージカルの世界に戻ってこれたことが本当にうれしいことです」と笑顔で語る林さんに、ミュージカル“回帰”への思いを聞いた。
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ミュージカルについて、「エンターテインメントとしてくくられるものすべて、お客さまに感動を届けるという素晴らしさがあると思うのですが、その中でもミュージカルは、歌と踊りと芝居の三つが必要で、どれか一つでも欠けたらダメ。全部が出来ないといけないというのが、役者にとっては大変なことだったりもするのですが、だからこそ、目でも耳でも心でも楽しんでいただける。それこそがミュージカルの魅力なのかなって思っています」と語る。
原体験は前述の通り、アイドル活動以前の子役時代に劇団四季の「ライオンキング」でヤングナラを演じたこと。「子役時代に『ライオンキング』に出演した経験は私の中ですごく大きくて。もう一度、あの舞台に立ちたいっていう思いはずっと、アイドルをやっているときもずっとあったんですね。『ベイビーレイズ』解散後にご縁があり、『マンマ・ミーア!』に出演させていただき、本番を迎えたときに、結果論でもあるのですが、子役時代から芸能活動を続けてきたのは、ここに立つためだったんだって、達成感を感じました」と明かす。
改めて「ベイビーレイズ」として過ごした日々について聞くと、「アイドルって、ただ歌って踊るだけではなくなってきて。それこそバラエティータレントみたいなこと、お芝居やコントじみたこと、きっとほぼ全部、広く浅く経験できたのかなって。だからこそいまは、お仕事で“初めてやる”ってことがほとんどなくて、そういった意味でも、すごく濃い6年間を過ごさせていただけたんだなって思っています」としみじみと語る林さん。
今後に向けて「理想にはまだまだですけど、少しずつ前に進むことはできているのかな」と少なからず手応えを感じているようで、「この世界には素晴らしい役者さんがたくさんいらっしゃって、歌が上手だったり、踊りが上手だったり、お芝居が上手だったりして、それは人それぞれなんですけど、私もそういう人たちに少しでも近づけるよう、作品の中で与えられる役割をちゃんと理解して、お芝居できるようになっていけたらなって思っています」と力を込めた。
3月30日に開幕する「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」では、主人公チャーリー・ブラウンの妹で、6歳児のサリーに扮(ふん)して、日々奮闘している。
「けいこの最初のころに比べると、6歳児らしい発声や身体的な動きに研究の成果が出ているのかなって思ってはいるのですが。まだ気を抜くと普段の自分のしゃべり方になってしまったり、動きがていねにになってしまうので、『自分はサリーなんだ』ってことを忘れずに、最後の日まで舞台に立ち続けることがまずは今の目標です」と気を引き締める。
サリーは今回登場するキャラクターの中でも最年少。林さんにとっては「とにかく元気で走り回っていて、怒ったり、喜んだり、すべてが単純。感情が5色のクレヨンくらいしかないという印象の女の子」だ。「思ったこことは包み隠さず言うし、反抗もする。優しいお兄ちゃんのチャーリー・ブラウンに毒を吐いたり、意地悪をするシーンもたっぷりあるので、6歳児っていうフィルターをちゃんと通して、ポップに演じることができるのが鍵」とも語っている。
6歳児らしく声のトーンは高めに設定。歌に関しても「子供なので、上手に歌ってはいけないんです」と苦労も多いが、「サリーは素直でウソがないので、私自身、役を通して教わることもあります。加えて、とっても可愛いんです。どのシーンも、たとえ荒ぶっていても可愛いので、みんなのイメージを崩さずに、見た人に『可愛い』って言ってもらえるように頑張りたいです」と話していた。
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