内田雄馬&石川英郎:「ゲッターロボ」“親子”対談 収録は体力&筋肉勝負 受け継がれる熱量

「ゲッターロボ アーク」に出演する内田雄馬さん(左)と石川英郎さん
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「ゲッターロボ アーク」に出演する内田雄馬さん(左)と石川英郎さん

 永井豪さん、石川賢さんの人気マンガ「ゲッターロボ」シリーズの最終章が原作のテレビアニメ「ゲッターロボ アーク」が、7月4日にスタートする。同作で、主人公・流拓馬(ながれ・たくま)を演じる内田雄馬さん、「真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」(1998年)などで流拓馬の父・竜馬を演じてきた石川英郎さんの“親子”対談が実現。若者たちが鋼の肉体と熱き魂で敵と戦う「ゲッターロボ」シリーズは、アニメの収録も「異常な熱量」だという。内田さん、石川さんに作品への思い、収録について聞いた。

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 ◇叫び続ける収録 トップクラスのパワー消費量

 --石川さんは、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)「真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」(2000年)などで流竜馬を演じてきました。「ゲッターロボ アーク」がアニメ化されることになり感じたことは?

 石川さん 令和の世に、あの暑苦しい「ゲッターロボ」がまたよみがえるの?とびっくりしました。僕が初めて流竜馬を演じたのは平成でしたが、昭和のロボットアニメの熱いものを踏襲していると感じていたので、それがさらに令和に受け継がれていくということで、「ゲッターロボ」はすごいんだなと改めて思いました。

 --内田さんは「ガンダムビルドファイターズトライ」「マクロスΔ(デルタ)」などロボットアニメに出演していますが、「ゲッターロボ」シリーズならでは……と感じていることは?

 内田さん 「ゲッターロボ」シリーズは、「ゲッタービーム」「ゲッタートマホーク」という必殺技のセリフもそうですが、受け継がれているものがあって、僕自身はそういったものに新鮮な気持ちで臨むことができています。台本も現場の雰囲気も非常にエネルギッシュで、声を張るシーンもかなり多いので、パワー消費量は今まででトップクラスです。今までも全力でやってきてはいるんですけど、より体力が必要です。

 --普段から体力作りをしている?

 内田さん 週3でジムに行ったり、ダンスレッスンをしたり体を鍛えています。

 石川さん すごいね! 僕の周りの人たちも年をとってから大切なのは筋肉って、言っていますよ(笑い)。

 内田さん やっぱり筋肉を鍛えていたほうがいいですか?

 石川さん そう思います。それを今から体現、素晴らしい。

 --石川さんは、当時の収録で印象的だったことは?

 石川さん もう20数年前ですけど、よく覚えていますよ。一番印象深いのは、「真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」の第2話で初めて「チェンジゲッターワン」というせりふがあったんですけど、台本に6ページにわたって「チェーーーーーンジ!ゲッターーーーーーワン!!!」と書いてあったんです。

 内田さん えっ……!

 石川さん 当時の監督にこれはどうやって叫べばいいんですか?と聞いたら、「あ、お任せします」と。今から戦うのに、戦う前に僕は死ぬんだなと思いました(笑い)。それだけではなく「ゲッタービーム」とかいろいろな叫びがあって、叫んでいる時に本当に頭が真っ白になっちゃって倒れそうになったのを覚えていますね。当時はこれだけ人生で叫ぶことはないんじゃないかというぐらい叫びましたね。

 ◇掛け合いで熱を共有 拓馬役に「粉骨砕身の覚悟」

 --「ゲッターロボ」シリーズは、3人のキャラクターが操縦する3機の戦闘メカが合体して一つのロボットになるのが特徴です。「ゲッターロボ アーク」のゲッターアークに乗るカムイ・ショウ役の向野存麿さん、山岸獏(やまぎし・ばく)役の寸石和弘さんとのチームワークは?

 内田さん 向野君はこの作品で初現場、寸石さんは向野君と同じ事務所の先輩ということで、関係性があるので、僕はある意味、異分子的にパワーを出して引っ張るような動きができたらいいなと思っています。拓馬の決断で物事が動く場面も多いので、意志の持ち方を大事にしています。今はコロナ禍のこともあって現場で交流をはかることが難しいので、収録をしながら関係値を高めていくしかない。作品に異常な熱量があるので、掛け合いの中でその熱量を共有していけたら、いいものになっていくんだろうなという感覚があります。

 --内田さんが目指す拓馬は?

 内田さん 「ゲッターロボ」という歴史あるシリーズに参加することは光栄なことであると同時に大きな責任というか、覚悟が必要だなと感じています。現場に立っていても、これまで皆さんが積み重ねてきた熱量や思いが引き継がれていることを感じるので、「ゲッターロボ アーク」では、そういう凝縮されたエネルギーを発散していく。今の僕にできるのは、粉骨砕身の覚悟で頑張るということだけです。

 --そんな内田さんへ石川さんからエール、アドバイスは?

 石川さん 前作までは、3人のチームワークといっても、僕の周りがベテランの方ばかりだったので、「はい! ついていきます」という感じだったんですけど、今回は若いチーム、新しいシリーズでストーリーを描けることが素晴らしいことだと思います。僕からは頑張ってね、喉に気をつけてね、ということだけです。

 --「ゲッターロボ」シリーズの魅力は?

 内田さん 昔は、ロボットは成長の証しだったと思うんです。いろいろなものが進化して進歩して、その証しとしてロボットが出てきた。さらに、3体合体するものに進化して、一人じゃできないことをやる。今の時代に「ゲッターロボ」を放送することで、「今こそみんなで一つになって新しいものを生み出そう」「団結して大きなものに戦っていこう」というメッセージを届けられるのではないかと。拓馬たちが戦う姿は、勇気や力を与えてくれるんじゃないかなと思います。

 石川さん 石川先生が描くキャラクターは、「この人、本当に地球守れるの? 逆に地球壊すんじゃないの?」と思うほどの勢いがある。ただ、それぐらいじゃないと地球は守れないんじゃないかとも思います。僕も子供のころから「ゲッターロボ」を見ていたので、いつの時代もヒーローであってほしいなと。ゲッターを知らない方はこういうヒーローもいるんだと改めて知ってほしいですね。

 「ゲッターロボ アーク」のPVでも、キャラクターたちのギラついた目、叫び、ロボットたちの激闘に胸が高鳴る。令和の時代にどんな熱を届けてくれるのか、注目だ。

 「ゲッターロボ アーク」は、1974年に連載が始まった「ゲッターロボ」をはじめとする「ゲッターロボ・サーガ」の最終章で、双葉社の「アクションピザッツ」増刊の「スーパーロボットマガジン」で2001年に連載スタートした。石川さんが亡くなったため、「ゲッターロボ アーク」は未完となっている。アニメは、「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」「新ゲッターロボ」などの川越淳さんが監督を務め、Bee・MediaとstudioA-CATが制作する。

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