アイドルグループ「乃木坂46」の28枚目のシングル「君に叱られた」(9月22日発売)で選抜入りした1期生の樋口日奈さん。同期の高山一実さんが今シングルをもって卒業するが、自身の卒業について「1期生みんなが考えてくる時期だと思うし、同期が次のステップで活躍しているのを見ると、意識はします。でも、私は今辞めたら絶対後悔すると思うので……」と話す樋口さんの思いを聞いた。
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新シングル「君に叱られた」は、4期生の賀喜遥香さんがセンター。現在グループの“最若手”メンバーの4期生が、選抜全21人中7人を占めるなど、新風を感じさせる体制で送る。また、グループ史上最多となるデビューから28作連続の選抜入りを果たした1期生の高山さんの“卒業シングル”にもなっている。
初の2作連続での選抜入りとなった樋口さんは、「めちゃくちゃうれしかったです。10年たっても毎回選抜発表はドキドキするのですが、頑張ろう!ってモチベーションになりました」と心境を語る。
楽曲については「耳に残る、聞けば聞くほど好きになる曲だなって思います」と話す。「第一印象は良い意味で“乃木坂っぽくない”というか、最近の乃木坂はクールな感じや、しっとりした感じの楽曲が多かったので、また新しい風が吹いたなと思いました。歌詞も今までにない感じで……。でも、正直私は『叱らないで』って思うタイプなので、歌詞を初めて見たときはびっくりしました(笑い)!」とちゃめっ気たっぷりにアピールした。
映画祭が舞台となっているミュージックビデオ(MV)では、生田絵梨花さん、久保史緒里さんと共にコーラス隊を演じている樋口さん。自由な雰囲気の撮影だったといい、「譜面を見ながらいくちゃん(生田さん)がずっと専門用語を言ってくるので、久保ちゃんと2人でちんぷんかんぷんしてました」と楽しげに振り返る。実際のMVでは声が入っていないが、3人が出演しているシーンでは「君の名は希望」を披露しているといい、生田さんの伴奏で、久保さんと歌唱しているという“裏話”も明かした。
同期の高山さんと共に活動する時間も残りわずか。同曲のパフォーマンスで意識していることを聞くと、「かずみん(高山さん)の顔をよく見るようにしています」との答えが。
「今回の曲は結構表情を作るのが難しいのですが、この前ダンスの先生が、『この曲をパフォーマンスしている時の高山さんの表情がすごく良いから、みんなお手本にしてね』とおっしゃっていて。私もその前から、かずみんがカメラで抜かれる度に表情がすごくステキだなって思っていたんです。かずみんの内から出るもの、積み上げてきたものが、あの表情につながっていると思うので、真似(まね)できるものではないのですが、メンバーもそういうふうに言われてから、かずみんの顔をよく見てパフォーマンスしていると思います」
高山さんとはグループに加入して10年来の付き合いだが、親密になったのは「ここ最近」だという。「入ったときは、私が年少メンバーとよく一緒にいたのもあるので、お姉ちゃんすぎて。仲が良い……というよりも、いつも頼ってしまう存在でした。でも、いつからかは分からないのですが、年の差を感じなくなっていって。そこから、お姉ちゃんというよりかは、同期という意識で接するようになっていき、今では楽屋の席がいつも近いです」。
印象深い高山さんとの思い出を聞くと、「かずみんはいつも“面白い”を更新してくるので、難しいのですが……(笑い)。宝塚が私もかずみんも好きで、一緒に観劇に行ったり、よく楽屋でもその話をしたり、待ち時間に2人でDVDを見たりしていました。『セーラームーン』の舞台をやっていた時、出演していたメンバー全員でかずみんのおうちに行って、かずみんの作ってくれたご飯を食べたことも思い出ですね。さみしくなります、本当に……」と語った。
高山さんが卒業すると、当初34人いた1期生も6人になる。この10年でグループの雰囲気もさぞ変わったかと思いきや、樋口さんは「雰囲気の変化はまったく感じない」と話す。「(新人が)グループに入る前から似ているのか、入った後に似てくるのかは分からないのですが、雰囲気は結成当初から変わりませんね」。
「今すごくいい雰囲気だと思います」と話す樋口さん。「先輩メンバーがみんな心に余裕ができて、後輩メンバーを気にかけることができるようになったから、よりグループが穏やかになったと思います。私も後輩メンバーには結構ガツガツ話しかけていて……(笑い)。それは私が10年たってやっと最近、全部のお仕事を緊張せずに楽しいなって思えるようになったからで、早くその“楽しさ”を後輩メンバーにも知ってほしいので、緊張する時間を与えないくらいガツガツ話しかけにいっています」と笑顔で明かした。
選抜発表直後、ブログで「まだもう少し、乃木坂で頑張りたいなぁ。『やりきった』そう自分で思える日がくるまで……」とつづっていた樋口さん。やはり、自身も卒業を意識するのかと聞くと、「『まだ若いから大丈夫だよ』と言っていただけることもあるのですが、(1期生が)次のステップに進んで、一人で頑張っているのを見ると、私もちゃんと具体的に考えなければと意識はします」とまっすぐな視線で語る。
「でも、乃木坂が居心地が良すぎて……。まだ、もうちょっといさせてもらってもいいですか?ってファンの方に聞きたいです」と笑う。続けて、「私は、アンダー歴が長かった分、結構つらい時期も多かったので。今、ありがたいことにお仕事がすごく楽しいんです。私は、ここからがまだまだ楽しいことの始まりなんじゃないかなって感じてもいるので、もうちょっと頑張ってから、次の夢に向かって頑張りたいです」と話した。
ブログでつづっていた「やりきった」のゴールはどこだろう。樋口さんは「それは気持ちかなと思っていて。今辞めたら、絶対後悔すると思うんですよ。具体的な“ゴール”というよりかは、その未練がなくなったぐらいが、ちょうどいい時期なのかなって考えています」とほほ笑んだ。
<プロフィル>
ひぐち・ひな 1998年1月31日生まれ、東京都出身。愛称は「ひなちま」。2011年8月21日、乃木坂46の1期生としてデビュー。舞台「學蘭歌劇 帝一の國」シリーズやドラマ「教場II」(フジテレビ系)など女優としても活躍し、今年4月には、舞台「フラガール-dance for smile-」で初主演を務めた。
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