2006年に発売された人気ゲーム「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(ダイパ)」のリメーク「ポケットモンスターブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」が11月19日に発売される。「シンオウ地方」が舞台のダイパはナエトル、ヒコザル、ポッチャマをはじめとするポケモンたちが初めて登場したタイトルで、当時、“究極のポケットモンスター”と銘打たれてリリースされた。1996年の「ポケットモンスター」シリーズ誕生から今年で25年。メモリアルイヤーに発売されるダイパのリメークは、前作から何が変わり、何が受け継がれるのか。
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ダイパはシリーズ初のニンテンドーDSのソフトだった。ニンテンドーDSはそれまでのゲームボーイシリーズと一線を画し、画面は二つ。言うまでもなくダイパでも、映し出される情報は常に二つに分割されていた。一方、リメーク版は「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」のソフトということで、一つの画面でプレーを楽しむことになる。
ダイパから登場した新しいどうぐの一つに、「ポケッチ」と呼ばれる万能グッズがある。時計、電卓、メモ、歩数計、ポケモンのなつき度を示す「なつきチェッカー」など、プレーする上での補助機能が搭載された。ダイパでは戦闘中を除き、ポケッチの画面はニンテンドーDSのタッチスクリーンに常に表示されていたが、リメーク版では必要に応じて、Nintendo Switchのスクリーンに大きく表示させたり、スクリーン右上に縮小表示させたりすることができるようになる。リメーク版から特に不便になるということはなく、むしろポケッチの画面のサイズを自在に変えられるので、便利になったといえよう。
この「ポケッチ」、リメーク版では非常に大きな機能を実装する。ポケモンの世界でも科学は日進月歩で、なんと「ひでんわざ」がポケッチの機能として搭載されるようになったのだ。ひでんわざとは、“なんだか切れそう”な木を切る「いあいぎり」、水上を移動する「なみのり」、一度訪れたことがある街に瞬時に移動する「そらをとぶ」など、主人公の移動を助けるポケモンのわざ。ダイパでは、そのわざを覚えているポケモンが手持ちにいない限り使用することができなかったひでんわざだが、リメーク版ではポケッチによって、「野生のポケモンの力を借りて」ひでんわざを利用することができるようになる。
また前作では、戦闘中はニンテンドーDSの上部の画面にポケモンの姿やわざのアニメーションが映し出され、タッチスクリーンでわざやどうぐを選択するという仕様になっていた。リメーク版では当然のことながら、わざやアイテムの選択肢も一つの画面に映し出されることになる。この点では、Nintendo Switch対応ソフトの「ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・ Let’s Go! イーブイ」や、「ポケットモンスター ソード・シールド」と仕様はおおむね同じである。
そして何より、Nintendo Switch対応のリメーク版では、テレビの画面に映し出してプレーすることも当然可能になる。これまでニンテンドーDSの画面で見ていたシンオウ地方の街並みをより大きな画面で楽しむことができる。ダイパに比べてより鮮明に、より躍動感にあふれ、より細部まで丁寧に描かれた街並みを存分に楽しんでほしい。炭鉱の街「クロガネシティ」では、街中に張り巡らされた石炭を運ぶベルトコンベアの動きがよりリアルに映し出されているし、北部の街「キッサキシティ」では、しんしんと降りしきる雪に覆われた街並みが幻想的なまでに美しい。
ダイパから新たに登場したフィールド「ちかつうろ」が、リメーク版では「地下大洞窟」としてパワーアップして新登場。さまざまな色の「タマ」や、ポケモンの「カセキ」を探し出すことができる「カセキほり」、自分だけの隠れ家の「ひみつきち」を作れるのは「ちかつうろ」と同様。「地下大洞窟」では、新たに「ポケモンの隠れ家」というゾーンが出現する。ポケモンの隠れ家では、読んで字のごとく、野生のポケモンが隠れている。地上と同じで、地下空間も地底湖、火山地帯などさまざまな環境が存在し、環境ごとに生息するポケモンは異なる。
地上と地下とではポケモンの出現の仕方が異なる。地上ではダイパと同様に、草むらや洞窟に入るとランダムでポケモンが出現して戦闘が始まる「ランダム・エンカウント」であるのに対して、地下ではフィールド上をさまようポケモンに接触することで戦闘が始まる「シンボル・エンカウント」が採用されていることも特筆しておきたい。
ポケモンを踊らせたりすることで魅力を競い合うダイパの「スーパーコンテスト」は、リメーク版では「スーパーコンテストショー!」に進化を遂げている。スーパーコンテストショー!では、ポケモンが実際に“体を動かして”踊る姿を目にすることができる。ダイパでは、静止画のポケモンが縦横に動いたりするだけだったが、リメーク版ではポケモンが跳びはねたり、表情を変えたりするので、なんともほほ笑ましい姿を見ることができるので楽しみにしていてほしい。
スーパーコンテストといえば、「ポフィン」というアイテムが欠かせなかった。ポフィンは、コンテストで評価される「かわいさ」「かっこよさ」などのポケモンのコンディションを上げるお菓子で、ダイパでは「ヨスガシティ」の「ポフィンりょうりハウス」で調理することができた。今作ではポフィンりょうりハウスに加え、ポケモンと戯れることができる「ふれあいひろば」でも調理が可能になる。ふれあいひろばでは、ポフィンの調理鍋を手持ちのポケモンたちが囲んでじっと見つめており、ちょっと緊張してしまうものの、その姿は大変可愛らしいので、ぜひ一度ふれあいひろばでポフィン作りをしていただきたい。
“究極”の硬度を持つ「ダイヤモンド」、“究極”の真円の「パール」というタイトルには、“究極のポケットモンスター”を目指すというダイパの制作スタッフの強い思いが込められていたという。一体どのような点が、どういった意味で“究極”なのか……。ぜひその目で確かめて、“究極”の意味について見解を聞かせてほしい。
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